通関士 過去問
第58回(令和6年)
問104 (通関書類の作成要領その他通関手続の実務 問14)
問題文
次の記述は、経済上の連携に関する日本国と欧州連合との間の協定(以下「EU協定」という。)における関税についての特別の規定による便益に係る税率(以下「EU協定税率」という。)の適用を受けるための手続に関するものであるが、その記述の誤っているものはどれか。一つを選びなさい。なお、誤っている記述がない場合には、「該当なし」を選びなさい。
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問題
通関士試験 第58回(令和6年) 問104(通関書類の作成要領その他通関手続の実務 問14) (訂正依頼・報告はこちら)
次の記述は、経済上の連携に関する日本国と欧州連合との間の協定(以下「EU協定」という。)における関税についての特別の規定による便益に係る税率(以下「EU協定税率」という。)の適用を受けるための手続に関するものであるが、その記述の誤っているものはどれか。一つを選びなさい。なお、誤っている記述がない場合には、「該当なし」を選びなさい。
- 輸入者が、EU協定に基づく輸出者によって作成された原産地に関する申告(輸出者自己申告)によりEU協定税率の適用を要求する場合には、当該輸出者が英語以外の言語であってEU協定附属書3-D(原産地に関する申告文)に規定されているものにより、その申告文を作成することができることとされている。
- 税関長は、関税暫定措置法第12条の4(経済連携協定に基づく締約国原産品であることの確認)の規定に基づき、輸入申告がされた貨物についてEU協定の規定に基づく協定締約国の原産品であることの確認を行う方法として、当該貨物を輸入する者に対し、当該貨物が当該原産品であることを明らかにする資料の提供を求めることができる。
- 輸入者が、EU協定に基づく輸出者によって作成された原産地に関する申告(輸出者自己申告)によりEU協定税率の適用を要求する場合には、EU協定附属書3-D(原産地に関する申告文)に規定されている申告文は、インボイス等の商業上の文書上に作成することとされているが、当該申告文は商業上の文書の添付書類として別紙に作成されたものであってもよいこととされている。
- 輸入者が、EU協定に基づく輸出者によって作成された原産地に関する申告(輸出者自己申告)によりEU協定税率の適用を要求し貨物を輸入した後、EU協定に規定する原産品であるかどうかの確認を受けた場合には、当該貨物がEU協定の規定に基づく協定締約国の原産品であることを確認するために十分な情報を日本税関に提供できないときであっても、税関長は、当該輸出者が所在するEU構成国の税関当局に対して情報を要請することができないこととされている。
- 課税価格の総額が20万円以下の貨物についてEU協定税率の適用を受けようとする場合には、EU協定に基づく輸出者によって作成された原産地に関する申告(輸出者自己申告)によるものであるか又はEU協定に規定する輸入者の知識(輸入者自己申告)によるものであるかにかかわらず、EU協定に基づく締約国原産品申告書の提出は要しない。
- 該当なし
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この過去問の解説 (1件)
01
誤りなのは「輸入後の確認で十分な情報がそろわない場合、日本税関はEU側税関に情報を要請できない」とする記述です。
EU協定第3章21条では、輸入国の税関は輸出国(EU構成国)の税関を通じて追加情報を求めることができる と定めています。したがって「要請できない」という説明は逆です。
正しい記述です。
原産地の申告文は、附属書3-Dに載っている多言語訳の中から一つを選び作成できます。
英語以外でも構いません。
正しい記述です。
関税暫定措置法12条の4は、輸入者に対し原産性を示す資料の提出を求める方法を明記 しています。
正しい記述です。
ガイドラインでは、インボイスなどの商業書類と関連が明確なら、申告文を別紙にしてもよい と認めています。
誤った記述です。
協定は、輸入国税関が輸出国税関に協力を求める仕組み(行政協力) を用意しており、情報要請は可能です。
正しい記述です。
課税価格が20万円以下の場合は、原産品申告書を輸入申告時に提出する必要はありません(後日提示に備えて保存義務のみ)。
誤りは「行政協力を要請できない」とする説明 でした。
実際には輸入国税関がEU側税関に照会できます。
そのほかの文章は、言語の自由、資料提出要請、別紙作成の許容、20万円以下の簡易取扱いというEU協定の運用を正しく述べています。
EU協定を利用する際は、提出不要でも保存は必須、言語は附属書の例文通りならOK、疑義があれば税関同士で情報交換 という三点を押さえておくと手続で迷いません。
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