通関士 過去問
第58回(令和6年)
問105 (通関書類の作成要領その他通関手続の実務 問15)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

通関士試験 第58回(令和6年) 問105(通関書類の作成要領その他通関手続の実務 問15) (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述は、関税法施行令第61条第1項第2号(輸出申告又は輸入申告の内容を確認するための書類等)に規定する締約国原産品であることを申告する書類に関するものであるが、その記述の誤っているものはどれか。一つを選びなさい。なお、誤っている記述がない場合には、「該当なし」を選びなさい。
  • 包括的な経済上の連携に関する日本国及び東南アジア諸国連合構成国の間の協定の規定に基づく締約国原産品であることを申告する書類は、輸入貨物に係る輸入者が自ら作成することはできない。
  • 経済上の連携に関する日本国とベトナム社会主義共和国との間の協定の規定に基づく締約国原産品であることを申告する書類は、輸入貨物に係る輸入者が自ら作成することはできない。
  • 日本国とアメリカ合衆国との間の貿易協定の規定に基づく締約国原産品申告書は、輸入貨物に係る輸入者が自ら作成することはできない。
  • 経済上の連携に関する日本国とオーストラリアとの間の協定の規定に基づく締約国原産品申告書は、輸入貨物に係る輸出者が自ら作成することができる。
  • 包括的な経済上の連携に関する日本国とグレートブリテン及び北アイルランド連合王国との間の協定の規定に基づく締約国原産品申告書は、輸入貨物に係る輸出者が自ら作成することができる。
  • 該当なし

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (1件)

01

誤っているのは「日本・アメリカ合衆国との貿易協定では、輸入者が原産品申告書を自ら作成できない」という説明です。
日米貿易協定は 輸入者自己申告のみを採用 しており、輸入者自身が持つ情報に基づいて原産品申告書を作成できると明記されています。

選択肢1. 包括的な経済上の連携に関する日本国及び東南アジア諸国連合構成国の間の協定の規定に基づく締約国原産品であることを申告する書類は、輸入貨物に係る輸入者が自ら作成することはできない。

正しい内容です。

AJCEPでは、商工会議所が発給する特定原産地証明書を輸入者が取得して申告します。

自己申告制度は導入されていません。

選択肢2. 経済上の連携に関する日本国とベトナム社会主義共和国との間の協定の規定に基づく締約国原産品であることを申告する書類は、輸入貨物に係る輸入者が自ら作成することはできない。

正しい内容です。

この協定も第三者証明(特定原産地証明書)が基本で、輸入者が自分で申告書を作成する制度はありません

 

選択肢3. 日本国とアメリカ合衆国との間の貿易協定の規定に基づく締約国原産品申告書は、輸入貨物に係る輸入者が自ら作成することはできない。

誤った内容です。

日米協定は 輸入者が作成する原産品申告書だけで特恵税率を請求 する仕組みを採っています。したがって「作成できない」という説明は逆です。

選択肢4. 経済上の連携に関する日本国とオーストラリアとの間の協定の規定に基づく締約国原産品申告書は、輸入貨物に係る輸出者が自ら作成することができる。

正しい内容です。

日豪協定は自己申告制度を採用し、輸出者(または生産者・輸入者)自身が原産品申告書を作成できます。

 

選択肢5. 包括的な経済上の連携に関する日本国とグレートブリテン及び北アイルランド連合王国との間の協定の規定に基づく締約国原産品申告書は、輸入貨物に係る輸出者が自ら作成することができる。

正しい内容です。

日英協定も自己申告制度のみで、輸出者が作成した「原産地に関する申告」を用いて輸入者が特恵税率を請求できます。

 

まとめ

日米協定だけは「輸入者自己申告だけ」という特異な形を取るため、思い込みによる逆読みが起こりやすいです。

AJCEPと日ベトナム協定は第三者証明方式、日豪・日英協定は自己申告方式と整理すると覚えやすくなります。

協定ごとに証明方式が異なるため、手続前に必ず税関の最新ガイドを確認してください。

参考になった数0