大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和4年度(2022年度)追・再試験
問32 (世界史B(第6問) 問5)

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問題

大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和4年度(2022年度)追・再試験 問32(世界史B(第6問) 問5) (訂正依頼・報告はこちら)

世界史上の建築物について述べた次の文章Bを読み、後の問いに答えよ。

B 次の図は、ウィーンにある「( ア )=ホーフ」と呼ばれる建物の写真を一部加工したものである。「ホーフ」は館や中庭を意味するドイツ語である。
b 19世紀以降、都市化が進展したヨーロッパでは、公衆衛生や福祉政策が整備されたc ハプスブルク家の拠点であったウィーンでも、人口が急増するなか、特に労働者の住環境が悪化した。
第一次世界大戦後、社会主義運動が高まりを見せていたウィーンでは、労働者を支持基盤とする社会民主党が市政を掌握した。社会民主党は、1920年代から30年代にかけて、労働者の住環境改善を目指して、水道や電気、ガスの設備があり、家賃も安く抑えた市営住宅を建設した。「( ア )=ホーフ」もそうした市営住宅の一つで、1930年前後に建設され、21世紀の現在も住宅として使われている。

次の文あ・いは、下線部bについて述べたものである。図の建物の建設時期を含めて、これらが年代の古いものから順に正しく配列されているものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。

あ  衛生状態の改善を目指して、ナポレオン3世の統治期にパリで都市改造が行われた。
い  イギリスでは、アトリー政権によって社会福祉政策が進められた。
問題文の画像
  • あ → い → 図
  • あ → 図 → い
  • い → あ → 図
  • い → 図 → あ
  • 図 → あ → い
  • 図 → い → あ

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この過去問の解説 (1件)

01

【それぞれの年代を整理】

あ:ナポレオン3世によるパリの都市改造

・ナポレオン3世の統治期=1852年〜1870年(第二帝政時代)

・パリ大改造は1850年代後半から本格化

 

図(カール=マルクス=ホーフ)

・問題文より、1930年前後に建設

 

い:イギリス・アトリー政権の社会福祉政策

・アトリー首相の時期=1945年〜1951年(第二次世界大戦後)

選択肢1. あ → い → 図

アトリー政権(1945年以降)よりもカール=マルクス=ホーフ(1930年頃)の方が先なので、誤りです。

選択肢2. あ → 図 → い

正しい順番です。【正解】

選択肢3. い → あ → 図

アトリー政権(1945年以降)よりもパリ大改造(1850年代)の方が早いので、誤りです。

選択肢4. い → 図 → あ

年代順がバラバラなので、誤りです。

選択肢5. 図 → あ → い

図(1930年頃)よりパリ大改造(1850年代)の方が早いので、誤りです。

選択肢6. 図 → い → あ

年代順が正しくないので誤りです。

まとめ

19世紀半ば、ナポレオン3世とオスマン男爵の指導でパリの大規模都市改造が行われ、公衆衛生や都市整備が推進されました。
その後、第一次世界大戦後の1930年前後、ウィーンでは労働者向けの市営住宅としてカール=マルクス=ホーフが建設されました。
さらに、第二次世界大戦後の1945年以降、イギリスではアトリー政権のもとで福祉国家建設が進められました。

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