大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和4年度(2022年度)追・再試験
問8 (世界史B(第2問) 問2)

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問題

大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和4年度(2022年度)追・再試験 問8(世界史B(第2問) 問2) (訂正依頼・報告はこちら)

アメリカ大陸の歴史について述べた次の文章Aを読み、後の問いに答えよ。

A ラテンアメリカを旅行中の三浦さんが、現地の観光ガイドと会話している。
三浦:今回初めてラテンアメリカ各地を巡りましたが、都市にしろ農村にしろ、キリスト教の教会が至る所に建てられていることに驚きました。そしていずれの教会でも聖像が祀(まつ)られており、ラテンアメリカではとりわけカトリックの信仰が深く根付いていることも驚きです。
ガイド:もともとは植民地支配の影響です。ラテンアメリカを征服した宗主国は支配を確立する目的で、自分たちが信仰している宗派の宗教施設を植民地の全域に建てたのです。そしてカトリック信者ではない人が植民地に渡ることは、原則できませんでした。
三浦:a ブラジルの宗主国と他のラテンアメリカ諸国の宗主国とは異なっていましたが、植民地支配の状況はどうだったのですか。
ガイド:先住民に対して軍事的な制圧や経済的な搾取が行われるなど、共通する面がありました。メキシコやペルーでは、( ア )が導入され、先住民が過酷な労働を強いられました。植民地が独立を果たした後、( イ )であるクリオーリョが、指導者層を形成しました。

Aの文章を参考にしつつ、ラテンアメリカにおける宗教の歴史について述べた文として最も適当なものを、次の選択肢のうちから一つ選べ。
  • インカ帝国の王は、太陽の子(太陽の化身)として崇(あが)められた。
  • 聖職者イダルゴが、アルゼンチンで民衆蜂起を指導した。
  • いずれの宗主国の支配下においても、プロテスタントの宗教施設のみが全域に建てられた。
  • ピルグリム=ファーザーズが入植した。

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この過去問の解説 (1件)

01

この問題は、ラテンアメリカにおける宗教の歴史について問うものです。
Aの文章でも「カトリックの教会が植民地全域に建てられた」とあったのを思い出しましょう。

選択肢1. インカ帝国の王は、太陽の子(太陽の化身)として崇(あが)められた。

正しい内容です。インカ帝国では、王は太陽神の子とされ、神聖な存在と考えられていました。【正解】

選択肢2. 聖職者イダルゴが、アルゼンチンで民衆蜂起を指導した。

イダルゴはメキシコで蜂起を指導したため、アルゼンチンとは異なります。

選択肢3. いずれの宗主国の支配下においても、プロテスタントの宗教施設のみが全域に建てられた。

ラテンアメリカではカトリックが広まり、プロテスタントではありませんでした。

選択肢4. ピルグリム=ファーザーズが入植した。

ピルグリム=ファーザーズは北アメリカ(現在のアメリカ合衆国東部)に入植したため、ラテンアメリカとは関係がありません。

まとめ

インカ帝国では、国王(サパ・インカ)は太陽神インティの子とみなされ、宗教的権威を持つ存在でした。
一方、スペインやポルトガルなどの宗主国がラテンアメリカにカトリックを広めたのは、植民地時代以降の出来事であり、宗主国はいずれもカトリック系で、プロテスタントを広めたわけではありません。
また、聖職者イダルゴの民衆蜂起はメキシコ、ピルグリム=ファーザーズはラテンアメリカではなく北アメリカへの入植でした。

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