大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和4年度(2022年度)追・再試験
問6 (世界史B(第1問) 問6)
問題文
B あるクラスで、風刺画を基に、世界史の授業が行われている。
先生:これは、フランスの雑誌『クリ=ド=パリ』の1898年1月23日号に掲載された風刺画です。当時のカフェのテラス席の様子が描かれているのですが、何か読み取れることはありますか。
近藤:みんな新聞を広げています。
先生:そうですね。この頃既にフランスには、100万部近い発行部数を誇る日刊紙が存在していました。これほど新聞が普及していた要因としては、( エ )が挙げられます。
前田:カフェで新聞を広げる光景が、当たり前になっていたんですね。今の私たちなら、スマホを覗(のぞ)き込んでいるところです。それにしても、みんな熱心に新聞を読んでいるように見えます。
先生:いい指摘です。実はこの絵は、大衆新聞の普及を背景として大きな注目を集め、フランス社会を揺るがせたある事件を風刺したものです。一番手前に描かれた新聞に、その手掛かりが書き込まれています。
前田:「J’ACCU…」と見える新聞ですか。
先生:そのとおりです。第一面に、( オ )という軍人のスパイ容疑に関する判決に憤慨したa 自然主義の作家ゾラによる告発状が掲載されています。ゾラは、「( オ )が無罪であることの確かな証拠を持っていながら、それを公にしなかった軍の関係者たちを告発する。彼らは参謀部を擁護するために、人間性と正義に反するこの犯罪に加担した」と、痛烈に批判しています。
近藤:( オ )事件のことか!風刺画は、ゾラの告発について各紙が様々な立場から意見を表明し、人々がそれらの議論に大きな関心を払っていた様子を描いているのですね。
先生:そのとおりです。この事件の再審をめぐっては、当時の一般の家庭内でも口論が起こったと言われています。
Bの文章中の( オ )事件について述べた文として最も適当なものを、次の選択肢のうちから一つ選べ。

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問題
大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和4年度(2022年度)追・再試験 問6(世界史B(第1問) 問6) (訂正依頼・報告はこちら)
B あるクラスで、風刺画を基に、世界史の授業が行われている。
先生:これは、フランスの雑誌『クリ=ド=パリ』の1898年1月23日号に掲載された風刺画です。当時のカフェのテラス席の様子が描かれているのですが、何か読み取れることはありますか。
近藤:みんな新聞を広げています。
先生:そうですね。この頃既にフランスには、100万部近い発行部数を誇る日刊紙が存在していました。これほど新聞が普及していた要因としては、( エ )が挙げられます。
前田:カフェで新聞を広げる光景が、当たり前になっていたんですね。今の私たちなら、スマホを覗(のぞ)き込んでいるところです。それにしても、みんな熱心に新聞を読んでいるように見えます。
先生:いい指摘です。実はこの絵は、大衆新聞の普及を背景として大きな注目を集め、フランス社会を揺るがせたある事件を風刺したものです。一番手前に描かれた新聞に、その手掛かりが書き込まれています。
前田:「J’ACCU…」と見える新聞ですか。
先生:そのとおりです。第一面に、( オ )という軍人のスパイ容疑に関する判決に憤慨したa 自然主義の作家ゾラによる告発状が掲載されています。ゾラは、「( オ )が無罪であることの確かな証拠を持っていながら、それを公にしなかった軍の関係者たちを告発する。彼らは参謀部を擁護するために、人間性と正義に反するこの犯罪に加担した」と、痛烈に批判しています。
近藤:( オ )事件のことか!風刺画は、ゾラの告発について各紙が様々な立場から意見を表明し、人々がそれらの議論に大きな関心を払っていた様子を描いているのですね。
先生:そのとおりです。この事件の再審をめぐっては、当時の一般の家庭内でも口論が起こったと言われています。
Bの文章中の( オ )事件について述べた文として最も適当なものを、次の選択肢のうちから一つ選べ。

- 対独復讐(ふくしゅう)を求める風潮を背景として起こった、クーデタ事件であった。
- 総裁政府が倒された、クーデタ事件であった。
- 無政府主義者(アナーキスト)への弾圧として起こった、冤罪(えんざい)事件であった。
- 反ユダヤ主義の風潮を背景として起こった、冤罪事件であった。
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この過去問の解説 (1件)
01
【問題文の確認】
・軍人のスパイ容疑に関する判決
・ゾラが「無罪の証拠があるのに隠した軍関係者たちを告発」
・社会が大きく揺れた
・「J'ACCU(私は告発する)」の記事で有名
このヒントから、事件は
▶ ドレフュス事件(Dreyfus Affair)
だとわかります。
クーデタ事件ではなく、冤罪事件ですので誤りです。
総裁政府は18世紀末に倒れたものであり、時代が全く異なります。
ドレフュスは無政府主義者ではなく、対象が異なります。
ドレフュス事件の正しい説明です。【正解】
1894年、フランス軍のユダヤ系将校ドレフュスが、ドイツへのスパイ容疑で不当に有罪判決を受けた事件がドレフュス事件です。
この事件は、当時のフランスに根強かった反ユダヤ主義的な偏見に基づくものであり、社会を二分する大論争を引き起こしました。
ゾラによる告発文「J'ACCU(私は告発する)」が有名です。
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