1級管工事施工管理技士 過去問
令和5年度(2023年)
問54 (問題B 問10)
問題文
腐食、防食に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
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問題
1級管工事施工管理技士試験 令和5年度(2023年) 問54(問題B 問10) (訂正依頼・報告はこちら)
腐食、防食に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
- 冷温水管に用いる配管用炭素鋼鋼管(白)は、溝状腐食が発生しにくい鍛接鋼管や耐溝状腐食電縫鋼管を使用する。
- 電気防食法における流電陽極方式は、マグネシウム合金等を犠牲陽極として使用する。
- 配管用炭素鋼鋼管(白)は、pH値が低くなるほど腐食は進行せず、pH値が高くなるほど腐食が進行する。
- 自然電位が大きく相違する配管を接続する場合は、絶縁物を介して接続し、ガルバニック腐食を防止する。
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この過去問の解説 (2件)
01
腐食や防食に関する問題です。
正
鋼板を連続的に円形に成形した電縫鋼管は、製造時の溶接部が高温になって、周囲より結晶粒が粗大化・塑性偏性し、そこから溝状腐食を発生します。
そのため、呼び径100A以下の配管用炭素鋼鋼管は、溝状腐食のおそれの少ない鍛接鋼管を使用し、呼び径125A以上では、耐溝状腐食電縫鋼管が使用されます。
正
流電陽極方式は、防食する金属体に対し、電位が卑な金属体(マグネシウムやアルミニウム)を接続し、電位差によって電池作用を起こさせ、防食に必要な直流電流を流す方式です。
マグネシウムは電流の流出により消耗するため、犠牲陽極と言います。
誤
通常の水のpHは4~10で配管用炭素鋼鋼管の腐食はpHとは関係しませんが、pHが4以下になると酸化第一鉄の不働態被膜が溶融し、急速に腐食が進行します。
水に塩化物が溶存してpHが8であっても、塩化物が酸化被膜に有害な作用を起こし、孔食が起こりますが、pHが10以上になると腐食が低減します。
亜鉛めっきの配管用炭素鋼鋼管(黒)では、pHが6.5の微酸性水では、保護被膜が維持されないか不安定になっているため、やや高い腐蝕速度を示します。
pH7以上とすれば耐食性が保たれる可能性が高くなります。
正
鋼とステンレスのような異種金属を接触させると、貴な金属(ステンレス)と卑な金属(鋼)は、それぞれの電位差によって電池を形成して、陽極側(+)の鋼が胸部的に腐食する現象が、ガルバニック腐食です。
そのため、問題文にあるガルバニック腐食対策を行います。
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02
腐食、防食に関する問題です。
その通りです。
電縫鋼管では稀に溝状腐食が発生することがあります。
そのため、対策として鍛接鋼管や耐溝状腐食電縫鋼管を使用するのは有効です。
その通りです。
流電陽極方式は被防食体よりもイオン化傾向の大きい、マグネシウム合金等を使用し、
被防食体とマグネシウム合金との間で電位差を生じさせ、
被防食体に防食電流を流す方法です。
誤りです。
配管用炭素鋼鋼管(白)に施されている亜鉛メッキは
pH6~12の範囲では、有効な耐食性を示します。
しかし、pH6未満・pH12.5以上の場合一気に腐食が進みます。
また、水温も50℃以下であれば有効な耐食性を示す一方、
60℃以上の水温では腐食が進みます。
その通りです。
異種金属を接触させると電気が流れる水溶液中では
電位が異なることで電位の低い金属が溶け出し腐食する恐れがあります。
そのために異種金属の間に絶縁物を介することはとても重要となります。
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