2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級) 過去問
2024年9月
問64 (実技 問4)

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問題

2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)試験 2024年9月 問64(実技 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

安藤さんと井川さんは、下記<資料>のとおり、QT株式会社の株式(以下「QT株式」という)を2024年1月から同年5月において毎月15日に購入した。安藤さんと井川さんのQT株式の取引に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、このほかにQT株式の取引はないものとし、手数料および税金は考慮しないものとする。また、購入株数は正しいものとする。

・安藤さんは株式累積投資制度で購入した。
・井川さんは購入の都度、単元未満株投資制度で購入した。
・QT株式の1単元は100株である。
・QT株式会社の本決算および議決権の基準日は3月末日である。
・QT株式の期末株主配当金は、1株当たり100円であった。
問題文の画像
  • 安藤さんの平均購入単価は、井川さんの平均購入単価よりも低くなっている。
  • 安藤さんは、2024年3月に保有株式を指値注文で売却することができるが、井川さんは、2024年3月に保有株式を指値注文で売却することはできない。
  • 安藤さんおよび井川さんは、2024年3月期の期末株主配当金を受け取ることができる。
  • 安藤さんおよび井川さんは、2024年に開催される定時株主総会の議決権を持たない。

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この過去問の解説 (3件)

01

金融資産運用の株式に関する問題になります。

情報が多いので、各選択肢で何が問われているかを確認することが肝要です。

選択肢1. 安藤さんの平均購入単価は、井川さんの平均購入単価よりも低くなっている。

適切

平均購入単価は、購入金額を購入株数で割ります。

 

安藤さん

購入金額→80,000×5=400,000

購入株数→22+20.6+25.4+22.3+21.9=112.2

よって、安藤さんの平均購入単価は

400,000÷112.2≒3,565円

 

井川さん

購入金額→79,860+85,360+69,300+78,760+80,300=393,580

購入株数→22×5=110

よって、井川さんの平均購入単価は

393,580÷11=3,578円

 

以上のことから、井川さんより安藤さんの平均購入単価のほうが低いので、本選択肢は適切となります。

選択肢2. 安藤さんは、2024年3月に保有株式を指値注文で売却することができるが、井川さんは、2024年3月に保有株式を指値注文で売却することはできない。

不適切

指値注文とは、一株いくらで売るかを指定して売却する方法です。

この方法は、保有する株式数が一単元以下の場合はできません。QT会社の一単元は100株という明記があるので、100株未満の株の売却は指値注文できないことになります。

2024年3月時点での保有株数は、安藤さん66株、井川さん68株となり、二人とも100株未満です。よって、指値注文による売却はできません

「安藤さんは~できる」としている本選択肢は誤りとなります。

選択肢3. 安藤さんおよび井川さんは、2024年3月期の期末株主配当金を受け取ることができる。

適切

配当金は本決算基準日に株式を保有している株主に分配されます。

安藤さん井川さんともに、本決算および議決権の基準日とされている3月末日に株を保有しているため、配当金を受け取ることができます。

選択肢4. 安藤さんおよび井川さんは、2024年に開催される定時株主総会の議決権を持たない。

適切

安藤さん井川さんさんともに、議決権の基準日は3月末日時点でQT社の株主であることに間違いありません。

しかしながら、議決権を持つのは一単元数以上の株を保有する株主となります。選択肢2の解説の通り、3月末日時点では二人とも100株未満の保有株数になるため、議決権を持たないとする本選択肢は正しい、となります。

 

まとめ

現在日本では投資が普及しはじめており、FPが株式投資の説明を求められる場面も増えてくると予想されます。

実際の株取引を想像しながら、理解を深めていきましょう。

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02

この問題では、投資における購入方法の違い、売却方法、配当金、議決権の有無について問われています。

 

 

選択肢1. 安藤さんの平均購入単価は、井川さんの平均購入単価よりも低くなっている。

適切です。

平均購入単価は、購入金額÷購入株数で計算できます。

 

安藤さんは、毎月80,000円購入しており、購入株数が変動します。

購入金額:80,000×5=400,000

購入株数:22+20.6+25.4+22.3+21.9=112.2

400,000÷112.2≒3,565円

 

井川さんは、毎月22株購入しており、購入株数が一定です。

そのため、その月の株価が購入単価になります。

購入金額:79,860+85,360+69,300+78,760+80,300=393,580

購入株数:22×5=110

393,580÷11=3,578円

 

結果、安藤さんの方が、平均購入単価が低くなります。

 

選択肢2. 安藤さんは、2024年3月に保有株式を指値注文で売却することができるが、井川さんは、2024年3月に保有株式を指値注文で売却することはできない。

不適切です。

2人とも、単元未満株であるため、指値注文による売却ができません。

 

指値注文は、売却価格を指定する方法で、市場取引においてのみ可能です。

 

単元未満株は、100株未満の株式で、市場での売却ができません。

選択肢3. 安藤さんおよび井川さんは、2024年3月期の期末株主配当金を受け取ることができる。

適切です。

配当金は、1株でも保有していれば対象となります。

本決算および議決権の基準日は、3月末日です。

 

2人とも、3月末日に保有しているため、単元未満株であっても配当金を受け取れます。

選択肢4. 安藤さんおよび井川さんは、2024年に開催される定時株主総会の議決権を持たない。

適切です。

議決権1単元(100株)につき1個です。

 

2人とも、単元未満株であるため、議決権を持ちません。

まとめ

単元未満株は、議決権がなく、指値注文ができません。

しかし、基準日に保有していれば配当金を受け取ることはできます。

ポイントを押さえておきましょう。

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03

株式投資に関する問題です。

選択肢1. 安藤さんの平均購入単価は、井川さんの平均購入単価よりも低くなっている。

適切

平均購入単価は、毎月の購入金額合計÷毎月の購入株数合計によって求められます。

 

<安藤さん>

毎月の購入金額合計:80,000円×5か月=400,000円

毎月の購入株数合計:22+20.6+25.4+22.3+21.9=112.2株

平均購入単価:400,000円÷112.2株≒3,565円

 

<井川さん>

毎月の購入金額合計:79,860+85,360+69,300+78,760+80,300=393,580円

毎月の購入株数合計:22株×5か月=110株

平均購入単価:393,580円÷110株≒3,578円

 

よって、平均購入単価は、安藤さん<井川さんとなることから、本設問は正答となります。

 

選択肢2. 安藤さんは、2024年3月に保有株式を指値注文で売却することができるが、井川さんは、2024年3月に保有株式を指値注文で売却することはできない。

不適切

指値(さしね)注文とは、希望する売買価格を指定して注文する方法であり、売却の場合は、1単元以上とする必要があります。

今回のケースでは、1単元=100株であり、2024年3月時点で、100株以上保有していることが条件となります。

 

<安藤さん>

 2024年3月時点の保有株数:22+20.6+25.4=68株

 

<井川さん>

 2024年3月時点の保有株数:22株×3か月=66株

よって、両者とも100株未満であることから、指値注文による売却は行えません

選択肢3. 安藤さんおよび井川さんは、2024年3月期の期末株主配当金を受け取ることができる。

適切

期末株主配当金は、期末の決算基準日に株式を保有している株主が受け取ることができます

今回のケースでは、決算基準日は3月末であることから、その時点で株式を保有している両者とも期末株主配当金を受け取ることができます

選択肢4. 安藤さんおよび井川さんは、2024年に開催される定時株主総会の議決権を持たない。

適切

定時株主総会の議決権を持つには、議決権の基準日において、1単元以上の株式を保有していることが条件となります。

今回のケースでは、議決権の基準日は3月末であることから、その時点で1単元(100株)以上の株式を両者とも保有していないため、議決権はありません

まとめ

2024年1月から新NISAが始まり、株式投資に関しても国民の関心が高まってきています。

株式投資に関する要点をしっかり押さえておきましょう。

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