2級電気工事施工管理技士 過去問
令和6年度(2024年)前期
問23 (2 問11)

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問題

2級電気工事施工管理技士試験 令和6年度(2024年)前期 問23(2 問11) (訂正依頼・報告はこちら)

建築物等の雷保護に関する用語として、「日本産業規格(JIS)」上、関係のないものはどれか。
  • 回転球体法
  • 引下げ導線システム
  • アークホーン
  • メッシュ導体

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題は、建築物の雷保護に関するJISの用語として適切かどうかを問うものです。
雷保護システム(LPS:Lightning Protection System)は、建物に雷が落ちたときの被害を防ぐための設備で、JIS A 4201などの基準に用語が定義されています。

選択肢1. 回転球体法

関係のある用語です。
雷保護の設計で、建物のどこに避雷針を配置すれば効果的かを判断する方法のひとつです。JIS A 4201に定義されています。

選択肢2. 引下げ導線システム

関係のある用語です。
屋根に落ちた雷電流を地面に流すために使われる導体で、JISでも重要な構成要素とされています。

選択肢3. アークホーン

関係のない用語です。
アークホーンは、送電線や変電設備などで電気の飛び跳ね(アーク)を制御するための部品であり、建築物の雷保護に関するJISでは扱われていません。
これは電力設備用の用語です。

 

この問題は、関係のないものを選ぶ問題なので、この選択肢が正解です。

選択肢4. メッシュ導体

関係のある用語です。
建物の屋根や壁に格子状に敷設することで、落雷を分散させる導体構成のことで、JISにも用語として含まれます。

まとめ

アークホーンは建築物の雷保護に関するJISの用語ではなく、送電設備などに使われる別の用語です。
他の選択肢はJIS A 4201などに定義されている、雷保護システムの構成要素や設計方法に関する用語です。

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02

JISの定める雷保護の対象は、一般建築物や、その建物全体、内部の機器、人、構造物とされています。

それを踏まえて選択肢を見ていきます。

選択肢1. 回転球体法

正しい内容です。

JISの対象です。

回転球体法の他にも、メッシュ法という方法が存在します。

 

・回転球体法

シミュレーション上で、半径20mの球を建物の周囲や上に転がして、その球が触れる場所に落下する可能性があると判断します。

その部分に避雷針や、導体を設置して保護します。

 

・メッシュ法

建物の屋根に金属ワイヤーを一定間隔で格子状に張り巡らせます。

落雷があっても、その格子状の金属ワイヤーが受け止めて、地面に受け流す構造です。

選択肢2. 引下げ導線システム

正しい内容です。

JISの対象です。

引下げ導線システムとは、受雷部と接地部をつなぐ銅線の総称です。

受雷部で受けた雷電流を安全に接地部に受け流します。

選択肢3. アークホーン

誤った内容です。

アークホーンとは、送電線の絶縁体であるがいしを保護するための避雷装置です。

ただし、がいし自体は、送電設備に分類され、冒頭で述べたJISの範囲(建築物全体、内部)から外れるのでJISの対象にはなりません。

選択肢4. メッシュ導体

正しい内容です。

回転球体法で述べたとおり、メッシュ法は、メッシュ状に製造された導体で建物を覆って、雷から建築物を保護する雷害対策法です。

メッシュ状に製造された導体メッシュ導体とよびます。

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