2級電気工事施工管理技士 過去問
令和6年度(2024年)前期
問12 (1 問12)
問題文
変電所において、2台の三相変圧器を並行運転する条件として、最も不適当なものはどれか。
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問題
2級電気工事施工管理技士試験 令和6年度(2024年)前期 問12(1 問12) (訂正依頼・報告はこちら)
変電所において、2台の三相変圧器を並行運転する条件として、最も不適当なものはどれか。
- 各変圧器の極性が一致していること。
- 各変圧器の相回転が同一であること。
- 各変圧器の一次及び二次の定格電圧が等しいこと。
- 各変圧器のインピーダンスが、変圧器の容量に比例していること。
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この過去問の解説 (2件)
01
この問題は、変電所で2台の三相変圧器を並行運転(並列運転)するときに必要な条件を正しく理解しているかを確認するものです。
複数の変圧器を並行して使う場合、運転が不安定にならないように、いくつかの条件をそろえる必要があります。
それでは、各選択肢を見ていきます。
正しい記述です。
極性が一致していないと、変圧器どうしで逆方向の電圧がかかり、ショート(短絡)や異常電流の原因になります。
正しい記述です。
相回転が違うと、接続したときに位相のずれによってトラブルが発生する可能性があるため、必ず同一である必要があります。
正しい記述です。
電圧が違うと、変圧器の出力電圧が一致せず、片方に余分な電流が流れるなど、運転に不具合が起こります。
誤った記述です。
並行運転では、インピーダンス(内部の電気抵抗のようなもの)は同程度にそろえる必要がありますが、容量に比例している必要はありません。むしろ、インピーダンスが大きく違うと、電流の分担が不均等になり、変圧器の片方に負荷が集中してしまいます。
この問題は、最も不適当なものを選ぶ問題なので、この選択肢は正解です。
並行運転で重要なのは、電圧・極性・相順が一致していて、インピーダンスも近いことです。
インピーダンスが容量に比例している必要はなく、それを条件とするのは不適切です。
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02
三相変圧器を並行運転する条件について条件に満たない場合、どのような事象が発生するかという観点で考えてみます。
正しい内容です。
電気の極性とは、電気回路における電流の流れる方向、又はプラスとマイナスの関係性を指します。変圧器は、電磁誘導によって電圧を一次側から二次側に伝達します。その際に、巻線の接続の向きが同じか反対かによって、電圧の向きが変わります。並行運転で、2台の変圧器を取り扱う上で、この極性が一致していないと、電圧が一方から逆方向に加わり短絡が生じ、故障、事故の原因となります。
正しい内容です。
相回転とは、三相交流において、電圧や電流の各相(R相、S相、T相)が時間的に遅れて現れる流れを言います。
三相交流は、下記の流れで電圧や電流が伝わります。
R相→0°
S相→Rから120°遅れ
T相→Sから120°遅れ
以上が、相回転と呼ばれます。
それを踏まえると、相回転が双方で異なると、電圧・電流ベクトルがずれて異常電流が生じます。
従って、相回転は、同一である必要があります。
正しい内容です。
一方の電圧が高いと、電圧差によって不平衡電流が流れるため危険です。
誤りです。
インピーダンス電圧は、双方で等しい必要があります。
容量が比例していても、インピーダンス(%)が異なると、負担が不均衡になります。
冒頭でも述べた通り、変圧器の誤った使用方法は、事故につながります。
条件に適合しなかったらどのようなことが発生するかという観点で考えると理解しやすくなります。
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