2級電気工事施工管理技士 過去問
令和6年度(2024年)前期
問11 (1 問11)

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問題

2級電気工事施工管理技士試験 令和6年度(2024年)前期 問11(1 問11) (訂正依頼・報告はこちら)

火力発電に用いられるタービン発電機に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
  • 極数は、2極又は4極である。
  • 軸形式は、立軸形が採用される。
  • 大容量機では、水素冷却方式が採用される。
  • 単機容量が増せば、発電機の効率は良くなる。

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題は、火力発電用のタービン発電機の構造や特徴について理解しているかを確認するものです。

 

それぞれの選択肢を確認します。

選択肢1. 極数は、2極又は4極である。

正しい記述です。
火力発電所では、タービンが高速で回転するため、発電機の極数は少なく(2極または4極)設計されます。これにより、50Hzや60Hzの周波数に合わせた回転数になります。

選択肢2. 軸形式は、立軸形が採用される。

誤った記述です。
火力発電で使われるタービン発電機は、横軸形(水平軸)が一般的です。

立軸形は、水力発電などで使われる形式です。火力発電では、タービンと発電機を一直線に並べやすい横軸形が適しています。

 

この問題は、最も不適当なものを選ぶ問題なので、この選択肢が正解です。

選択肢3. 大容量機では、水素冷却方式が採用される。

正しい記述です。
大きな発電機は発熱量も大きくなります。

空気よりも冷却効果が高い水素ガスを使って冷却することで、発電機の性能と安全性を高めています。

選択肢4. 単機容量が増せば、発電機の効率は良くなる。

正しい記述です。
発電機の出力が大きくなると、相対的な損失が減るため効率が良くなる傾向にあります。

これはエネルギー機器全般に共通する特徴です。

まとめ

火力発電では、高速回転に適した構造が求められるため、横軸形の発電機が使われます。

立軸形が採用されるというのは誤りです。他の選択肢は火力発電機の仕様として適切です。

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02

タービンとは、ガス、蒸気等の流体のエネルギーを機械的な動力に変換する機械のことです。

火力発電では、高温高圧の水蒸気を受けて回転する蒸気タービンが使用されます。

選択肢1. 極数は、2極又は4極である。

正しい内容です。

火力用タービンは通常2極が一般的で、原子力は4極が一般的です。

回転数や、周波数との兼ね合いから、回転数が得られにくい状況ほど、極数は増えていきます。

モーターの回転数、極数、周波数には以下の関係があります。

 

f = (N × P) / 120


f: 周波数(Hz)

N: 回転数(rpm)

P: 極数(極)

選択肢2. 軸形式は、立軸形が採用される。

誤りです。

火力発電では、主に横軸(水平軸)形式が使用されます。

高速で運用するうえで、直径を小さく、軸方向に長くした構造になっています。

そのため、水平軸形式で、重くて長い回転体を支える構造となっています。

選択肢3. 大容量機では、水素冷却方式が採用される。

正しい内容です。

水素例極方式とは、タービン発電機などの熱源を水素ガスで冷却する方式です。

水素ガスは、特徴として、密度が小さく、熱容量が大きいので、優れた冷却効果を持っています。

選択肢4. 単機容量が増せば、発電機の効率は良くなる。

正しい内容です。

単機容量とは、一台の発電機が持つ電気出力の定格容量(規定された条件下で蓄えられることのできる電気量)のことです。

単機容量が大きくなると、1台の機器が扱える定格電力が向上する為、機器数が減り、コストや効率性も上がります。

まとめ

選択肢「軸形式は、立軸形が採用される。」における補足情報を追記致します。

 

縦軸(垂直軸)は、水力発電で主に使用されます。

水力タービンは、水が上から下に流れる縦方向の重力を利用するため、

立軸(縦軸)が理にかなった構造となっており採用されています。

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