2級電気工事施工管理技士 過去問
令和6年度(2024年)前期
問7 (1 問7)

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問題

2級電気工事施工管理技士試験 令和6年度(2024年)前期 問7(1 問7) (訂正依頼・報告はこちら)

配電線路の電圧調整に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
  • 配電用変電所の負荷時タップ切換変圧器による電圧の調整
  • 柱上変圧器の一次側タップ調整による電圧の調整
  • 配電線路の途中に三相昇圧器を設置することによる電圧の調整
  • 配電線路の途中に柱上開閉器を設置することによる電圧の調整

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題は、配電線路において電圧を調整するための手段として正しくないものを見分ける内容です。

それぞれの選択肢を見ていきましょう。

選択肢1. 配電用変電所の負荷時タップ切換変圧器による電圧の調整

正しい記述です。
負荷の状況に応じて、変圧器のタップ(巻線の接続点)を切り替えることで電圧を調整する方法です。電力会社の変電所などでよく使われます。

選択肢2. 柱上変圧器の一次側タップ調整による電圧の調整

正しい記述です。
配電柱に設置されている変圧器のタップを手動で切り替えて電圧を調整する方法です。

負荷変動があまり大きくない場所に適しています。

選択肢3. 配電線路の途中に三相昇圧器を設置することによる電圧の調整

正しい記述です。
電圧が低下しやすい配電線の末端などで、昇圧器を使って電圧を持ち上げる方法です。

電圧降下対策として使われます。

選択肢4. 配電線路の途中に柱上開閉器を設置することによる電圧の調整

誤った記述です。
柱上開閉器は、電路の開閉や保守作業の切り分けを行うための装置であり、電圧を調整する目的では使われません。

 

この問題は誤ったものを選ぶ問題なので、この選択肢が正解です。

まとめ

電圧の調整には、タップ切換や昇圧器などの機器が使われます。

柱上開閉器は切り替え装置であり、電圧制御には使いません。

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02

配電線の電圧調整は、安定した電力供給を行うために必要です。

特に、需要が多い時間帯や、総距離送電の影響による電圧降下を防止するうえでも重要です。

選択肢1. 配電用変電所の負荷時タップ切換変圧器による電圧の調整

正しい内容です。

変圧器の巻線の途中に、いくつかの異なる接続点が設けられており、この端子のことをタップといいます。

この端子の接続位置を変えることで、巻線の数が変わり、電圧の調整が可能となります。

負荷時タップ切替変圧器の「負荷時」とは、変圧器が電力を供給されている状態でもタップを変更できることを意味しています。

つまり、変圧器を停止せずに負荷を接続したままで、電圧を自動で一定に調整することができます。

選択肢2. 柱上変圧器の一次側タップ調整による電圧の調整

正しい内容です。

前述と同様、タップ調整による手動の電圧調整です。

調整の仕組みは、下記の通りです。

 

n1/n2= E1/E2

 

上記の関係公式より、

 

①タップを上げる場合

一次側の巻線を増やす。→二次側の電圧が下がる。

 

②タップを下げる場合

一次側の巻線を減らす。→二次側の電圧が上がる。

 

タップ変更は、数%程度の電圧調整を目的としており、一般に±2.5%、±5%等の範囲で調整します。

選択肢3. 配電線路の途中に三相昇圧器を設置することによる電圧の調整

正しい内容です。

三相昇圧器とは、電圧降下が発生している配電線路に設置し、電圧を一定範囲に補償するための変圧器です。

その為、長距離配電線や、負荷の大きい地点に配置され、末端負荷へ適切な電圧を供給します。

選択肢4. 配電線路の途中に柱上開閉器を設置することによる電圧の調整

誤りです。

柱上開閉器は、その名称の通り、主に配電線の開閉を行う機器であり、電圧の調整機能はありません。

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