中小企業診断士 過去問
令和6年度(2024年)
問216 (中小企業経営・中小企業政策 問21(1))

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

中小企業診断士試験 令和6年度(2024年) 問216(中小企業経営・中小企業政策 問21(1)) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

Y事業協同組合では、同業種の荷主が企業の壁を超え、共同で物流拠点を整備するとともに、共同配送やITを利用した最新の受発注システムを導入することによって物流コストの削減を図る計画を検討中である。
Y事業協同組合の理事長(以下、「Y理事長」という。)から、上記計画の相談を受けた中小企業診断士のX氏は、「流通業務総合効率化法(令和6年5月1日現在)に基づく支援」を紹介することとした。
以下は、中小企業診断士のX氏とY理事長との会話である。

X氏  :「事業協同組合が流通業務の効率化を図る際に融資、中小企業信用保険法の特例、中小企業投資育成株式会社法の特例などさまざまな支援を受けることができます。」
Y理事長:「どのような融資制度を利用できるのでしょうか。」
X氏  :「中小企業基盤整備機構や各都道府県の高度化融資制度による支援があります。組合・任意グループなどが認定計画に基づき実施する事業に対して、( A )までの( B )を受けることができます。」
Y理事長:「その他に資金調達の支援はあるのでしょうか。」
X氏  :「中小企業信用保険法の特例や、中小企業投資育成株式会社法の特例があります。たとえば、中小企業投資育成株式会社法の特例では、事業実施のために増資などを行う組合の構成員企業については、( C )を超える株式会社であっても中小企業投資育成株式会社の投資対象に追加されます。」
Y理事長:「この支援施策の利用方法を教えていただけますか。」
X氏  :「組合が国の基本方針に即して、「( D )」を作成します。認定された計画に基づき組合が実施する事業に対して、支援を受けることができます。」

会話の中の下線部に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • 議決権・選挙権は出資額に比例する。
  • 組合を設立するためには、事業主4人以上の設立発起人が必要である。
  • 全国に約2,000存在する。
  • 中小企業団体の組織に関する法律に基づく組合である。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (2件)

01

この問題では、「Y事業協同組合」に関する記述として最も適切なものを選びます。

文中の会話では、流通業務総合効率化法に基づく支援を受けるために、事業協同組合がどのような位置づけにあるのかがテーマになっています。

選択肢1. 議決権・選挙権は出資額に比例する。

【不適切】

株式を発行する株式会社では出資額(株数)によって議決権が比例しますが、事業協同組合では通常、一人一票の原則が採用され、出資額の多少で議決権に差をつけません。

選択肢2. 組合を設立するためには、事業主4人以上の設立発起人が必要である。

【適切】

事業協同組合を設立する場合、同一または類似の業種の事業主が4人以上集まることが必要です。

法律上の要件として定められており、この条件を満たさなければ認可されません。

選択肢3. 全国に約2,000存在する。

【不適切】

事業協同組合の数は業種や地域によってさまざまであり、およそ1万近い事業協同組合が存在するといわれているものもあります。

2,000という具体的な数値は根拠に乏しく、正しい情報とはいえません。

選択肢4. 中小企業団体の組織に関する法律に基づく組合である。

【不適切】

事業協同組合は主に「中小企業等協同組合法」に基づいて設立されます。

中小企業団体の組織に関する法律ではありません。

まとめ

事業協同組合は、同一または近しい業種の事業主が4人以上集まって設立する組合です。

流通業務総合効率化法に基づく認定計画を作成し、設備導入や共同事業を行うことでさまざまな支援を受けることができます。

参考になった数1

02

事業協同組合に関する問題です。

 

事業協同組合には、以下のような特徴があります。
・4人以上の事業主によって設立できる

・議決権/投票権は1人1票(出資額にかかわらず)

・加入/脱退は任意

・根拠法は「中小企業等協同組合法」

・組合は27,979(令和4年3月末時点)で、中小企業組合数の中で最多

選択肢1. 議決権・選挙権は出資額に比例する。

冒頭の解説より、議決権・選挙権は出資額に比例しません

 

出資額にかかわらず、議決権/投票権は1人1票のため不適切な選択肢です。

選択肢2. 組合を設立するためには、事業主4人以上の設立発起人が必要である。

冒頭の解説より、組合を設立するためには事業主4人以上の設立発起人が必要であるため正解の選択肢となります。

選択肢3. 全国に約2,000存在する。

冒頭の解説より、全国に28,000存在するため不適切な選択肢です。

選択肢4. 中小企業団体の組織に関する法律に基づく組合である。

冒頭の解説より、中小企業等協同組合法基づく組合であるため不適切な選択肢です。

まとめ

【補足】

 

中小企業組合の比較問題の出題頻度は高くありませんが、人手不足やノウハウの継承が大きな課題となっている昨今では、異なる事業者や個人が連携することにより経営資源を補完し合うことは大きな意義があり、実務上おさえておきたい論点です。

 

中小企業組合については、以下の資料を参照ください。(無料ダウンロード可能)

「中小企業組合ガイドブック2023-2024」(https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kakushin/pamphlet/kumiaiguide.pdf

参考になった数1