中小企業診断士 過去問
令和6年度(2024年)
問135 (運営管理 問43)
問題文
RFM分析は、ID-POSデータから計算される3つの指標で顧客をグループ化する分析手法の1つである。このRFMがそれぞれ表しているものに関する記述として、最も適切なものはどれか。
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
中小企業診断士試験 令和6年度(2024年) 問135(運営管理 問43) (訂正依頼・報告はこちら)
RFM分析は、ID-POSデータから計算される3つの指標で顧客をグループ化する分析手法の1つである。このRFMがそれぞれ表しているものに関する記述として、最も適切なものはどれか。
- RはRecencyの頭文字を表しており、顧客ごとの最近来店購買日を指標化したものである。
- RはRequestの頭文字を表しており、顧客ごとの最も購買している商品の購買回数を指標化したものである。
- FはFavorの頭文字を表しており、顧客ごとの人気商品購買数を指標化したものである。
- FはFestivalの頭文字を表しており、顧客ごとの祝日の商品購買数を指標化したものである。
- MはMarketの頭文字を表しており、市場の大きさを1年の全顧客の総購買金額によって指標化したものである。
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (2件)
01
RFM分析に関する問題です。
本問は、RFMの頭文字を知っていれば正答することができるため、非常に難易度の低いボーナス問題であるといえます。
以下に、RFM分析の解説を行ないます。
・R(Recency):顧客が直近でいつ購入したのかを示しています。
※「いつ来店したのか」ではありません。来店しただけで購入していなければ、購入履歴が残らないためです。
・F(Frequency):顧客がどの程度の頻度で購入しているのかを示しています。週1回よりも、週に2~3回と購入頻度が高いほど、意識的にその店舗を選択している(その店舗に来店する明確な理由が存在する)と考えられます。
・M(Monetary):顧客が幾ら支払ってくれているかを示しています。勿論、金額が大きいほど店舗にとっては有り難い顧客であると考えられます。
RFM分析は、上記3つの要素から自店にとっての優良顧客を見つけ出すために用いられます。また、3つの要素をそれぞれ独立したものとして捉えるのではなく、組み合わせて分析します。
たとえば、購入金額が10万円で年に1回しか来店していない顧客Aと、購入金額は毎回1,000円前後でも年に120回(3日に1回程度)来店している顧客Bでは、顧客Bの方が優良顧客であると考えられます。
冒頭の解説より、RはRecencyの頭文字を表しており正解の選択肢となります。
RFM分析では、顧客ごとの最も購買している商品の購買回数を指標化したものはありません。
また、冒頭の解説よりF(Frequency)は来店頻度の意味であるため、不適切な選択肢です。
※Requestが商品の購買回数であるという説明も違和感があります。(Requestではなく、Repeatであると思われます)
RFM分析では、顧客ごとの人気商品購買数を指標化したものはありません。
また、冒頭の解説よりF(Frequency)は来店頻度の意味であるため、不適切な選択肢です。
※RFM分析以外で、人気商品購買数を指標化したものではABC分析があります。
RFM分析では、顧客ごとの祝日の商品購買数を指標化したものはありません。
また、冒頭の解説よりF(Frequency)は来店頻度の意味であるため、不適切な選択肢です。
RFM分析では、市場の大きさを1年の全顧客の総購買金額によって指標化したものはありません。
また、冒頭の解説よりM(Monetary)は購買金額の意味であるため、不適切な選択肢です。
【補足】
冒頭の解説で述べたように、本問ではRFM分析の知識が問われているわけではなく、また、誤りの選択肢の設定も稚拙なレベルであり、国家資格である中小企業診断士試験でこのような低レベルな内容を問うことには疑問があります。
本問の復習をする必要はなく、また、その意味もありませんが、直近5年間で出題されたRFM分析の問題は復習しておいてください。毎年ではないものの、数年に1回の頻度では出題されています。
参考になった数2
この解説の修正を提案する
02
RFM分析に関する問題です。RFM分析とは、顧客の購買行動を分析するための手法で、特に小売業やサービス業においてCRM(顧客関係管理)の一環として活用されています。ID-POSデータ(購買履歴が個人識別可能な販売時点情報管理データ)から得られる情報を基に、顧客を3つの指標でセグメント化し、それぞれの顧客グループに合わせたマーケティング施策を展開するためのフレームワークです。この問題では、RFMの各アルファベットが表す言葉とその意味について問われています。
この選択肢は正しいです。RはRecency(最新性)の頭文字であり、「顧客ごとの最近来店購買日を指標化したもの」という説明も適切です。Recencyは、顧客が最後に購入した日からの経過日数を表します。例えば、昨日購入した顧客のRecency値は1、1週間前に購入した顧客のRecency値は7となります。この値が小さいほど、つまり最近購入した顧客ほど、再購入の可能性が高いと考えられます。RFM分析では、この「最新性」を重要な指標として捉え、直近で購入した顧客に対して優先的にアプローチする戦略を立てることができます。
この選択肢は誤りです。RはRequestの頭文字ではなく、Recencyの頭文字です。また、「顧客ごとの最も購買している商品の購買回数を指標化したもの」という説明も、RFM分析の指標としては不適切です。この説明は、むしろFrequency(頻度)に近い概念ですが、Frequencyは特定商品の購買回数ではなく、顧客の全体的な購買頻度を指します。RFM分析では、顧客が「どの商品を」購入したかではなく、「いつ」「何回」「いくらで」購入したかを重視します。商品別の分析は別のフレームワーク(例:ABC分析)で行われることが一般的です。
この選択肢は誤りです。FはFavorの頭文字ではなく、Frequency(頻度)の頭文字です。また、「顧客ごとの人気商品購買数を指標化したもの」という説明も、RFM分析の指標としては不適切です。Frequencyは、一定期間内に顧客が購入した回数を表します。例えば、過去1年間に5回購入した顧客のFrequency値は5となります。この値が大きいほど、つまり頻繁に購入する顧客ほど、店舗やブランドに対するロイヤルティが高いと考えられます。人気商品の購買数ではなく、購買の頻度そのものを重視する点がRFM分析の特徴です。
この選択肢は誤りです。FはFestivalの頭文字ではなく、Frequency(頻度)の頭文字です。また、「顧客ごとの祝日の商品購買数を指標化したもの」という説明も、RFM分析の指標としては不適切です。RFM分析では、購入日が祝日かどうかという条件は考慮せず、単純に購入頻度(回数)を指標化します。祝日の購買分析は、季節性やイベント効果を分析する別のマーケティング手法で行われることはありますが、RFM分析の基本的なフレームワークには含まれていません。
この選択肢は誤りです。MはMarketの頭文字ではなく、Monetary(金銭的価値)の頭文字です。また、「市場の大きさを1年の全顧客の総購買金額によって指標化したもの」という説明も、RFM分析の指標としては不適切です。Monetaryは、顧客ごとの購買金額(売上高)を表します。例えば、過去1年間に10万円分購入した顧客のMonetary値は10万円となります。この値が大きいほど、つまり高額購入する顧客ほど、企業にとって価値の高い顧客と考えられます。市場全体の規模ではなく、個々の顧客の購買金額に注目する点がRFM分析の特徴です。
本問の正解は選択肢1です。RFM分析において、Rは「Recency(最新性)」、Fは「Frequency(頻度)」、Mは「Monetary(金銭的価値)」の頭文字を表しています。これらの指標を組み合わせることで、例えば「最近来店し、頻繁に購入し、購入金額も大きい」顧客を優良顧客として特定できます。また、「以前は頻繁に購入していたが最近来店していない」顧客を見つけ出し、適切な施策を打つことも可能です。RFM分析は比較的シンプルな手法ながら、顧客セグメンテーションやターゲティングの基本として、今日でも多くの企業で活用されています。ID-POSデータの活用が進む現代のマーケティングにおいて、基本的かつ重要な分析手法であると言えるでしょう。
参考になった数0
この解説の修正を提案する
前の問題(問134)へ
令和6年度(2024年) 問題一覧
次の問題(問136)へ