クレーン・デリック運転士 過去問
平成30年(2018年)10月
問14 (関係法令 問14)

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問題

クレーン・デリック運転士試験 平成30年(2018年)10月 問14(関係法令 問14) (訂正依頼・報告はこちら)

クレーンの組立て時、点検時又は悪天候時に講じなければならない措置に関する記述として、法令上、誤っているものは次のうちどれか。
  • クレーンの組立ての作業を行うときは、作業を指揮する者を選任して、その者の指揮のもとに作業を実施させなければならない。
  • 天井クレーンのクレーンガーダの上で点検の作業を行うときは、原則として、当該天井クレーンの運転を禁止し、かつ、当該天井クレーンの操作部分に運転を禁止する旨の表示をしなければならない。
  • 同一のランウェイに並置されている走行クレーンの点検の作業を行うときは、監視人をおくこと、ストッパーを設けること等労働者の危険を防止するための措置を講じなければならない。
  • 屋外に設置されているクレーンを用いて、瞬間風速が毎秒30mをこえる風が吹いた後に作業を行うときは、あらかじめ、クレーンの各部分の異常の有無について点検を行わなければならない。
  • 大雨のため、クレーンの組立ての作業の実施について危険が予想されるときは、組立作業を行う区域に関係労働者以外の労働者が立ち入ることを禁止し、かつ、その旨を見やすい箇所に表示した上で当該作業に労働者を従事させなければならない。

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この過去問の解説 (3件)

01

1.正しいです。

クレーンの組立ての作業を行うときは、作業を指揮する者を選任して、その者の指揮のもとに作業を実施させなければなりません。

2.正しいです。

天井クレーンのクレーンガーダの上で点検の作業を行うときは、原則として、当該天井クレーンの運転を禁止し、かつ、当該天井クレーンの操作部分に運転を禁止する旨の表示をしなければなりません。

3.正しいです。

同一のランウェイに並置されている走行クレーンの点検の作業を行うときは、監視人をおくこと、ストッパーを設けること等労働者の危険を防止するための措置を講じなければなりません。

4.正しいです。

屋外に設置されているクレーンを用いて、瞬間風速が毎秒30mをこえる風が吹いた後に作業を行うときは、あらかじめ、クレーンの各部分の異常の有無について点検を行わなければなりません。

5.誤りです。

大雨のため、クレーンの組立ての作業の実施について危険が予想されるときは、組立作業を行う区域に関係労働者以外の労働者が立ち入ることを禁止し、かつ、その旨を見やすい箇所に表示した上で当該作業を中止しなければなりません。

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02

クレーンの組立て時、点検時又は悪天候時に講じなければならない措置に関する問題です。

問題文を読めば、明らかに危ない作業が含まれているので、しっかり読んで解いていきましょう。

選択肢1. クレーンの組立ての作業を行うときは、作業を指揮する者を選任して、その者の指揮のもとに作業を実施させなければならない。

正しい記述です。

クレーンの組立ての作業を行うときは、作業を指揮する者を選任して、その者の指揮のもとに作業を実施しなければいけません。
 

選択肢2. 天井クレーンのクレーンガーダの上で点検の作業を行うときは、原則として、当該天井クレーンの運転を禁止し、かつ、当該天井クレーンの操作部分に運転を禁止する旨の表示をしなければならない。

正しい記述です。

天井クレーンのクレーンガーダの上で点検の作業を行うときは原則、当該天井クレーンの運転を禁止し、かつ、当該天井クレーンの操作部分に運転を禁止する旨の表示をしなければいけません。

特に表示を忘れると誤って別の人が動かす危険があります。

選択肢3. 同一のランウェイに並置されている走行クレーンの点検の作業を行うときは、監視人をおくこと、ストッパーを設けること等労働者の危険を防止するための措置を講じなければならない。

正しい記述です。

同一のランウェイに並置されている走行クレーンの点検の作業を行うときは、監視人をおき、ストッパーを設けること等労働者の危険を防止するための措置を講じる必要があります。
 

選択肢4. 屋外に設置されているクレーンを用いて、瞬間風速が毎秒30mをこえる風が吹いた後に作業を行うときは、あらかじめ、クレーンの各部分の異常の有無について点検を行わなければならない。

正しい記述です。

屋外に設置されているクレーンを用いて、瞬間風速が毎秒30mをこえる風が吹いた後に作業を行うときは、事前にクレーンの各部分の異常の有無について点検を行う必要があります。

強風の時は作業禁止です。
 

選択肢5. 大雨のため、クレーンの組立ての作業の実施について危険が予想されるときは、組立作業を行う区域に関係労働者以外の労働者が立ち入ることを禁止し、かつ、その旨を見やすい箇所に表示した上で当該作業に労働者を従事させなければならない。

そもそも大雨など悪天候の時は作業自体禁止です。例外はありません。
 

まとめ

この問題はしっかり文章を読めば答えが分かる問題です。基本的には悪天候の時は何もしないのが普通なので、忘れないようにしましょう。

参考になった数1

03

クレーンは高所での作業や重量物の取り扱いを伴うことから、組立て時、点検時、また悪天候時には特に厳格な安全措置が求められます。労働安全衛生法令では、こうした状況下での事故を防止するため、管理・指導体制や危険予知に基づく具体的な措置が定められています。本問題は、これらの法令知識を正しく理解しているかが問われる内容です。

選択肢5. 大雨のため、クレーンの組立ての作業の実施について危険が予想されるときは、組立作業を行う区域に関係労働者以外の労働者が立ち入ることを禁止し、かつ、その旨を見やすい箇所に表示した上で当該作業に労働者を従事させなければならない。

この記述は、一見すると安全配慮がなされているように見えますが、大雨などの悪天候により危険が予想される場合には、原則として作業自体を中止するのが法令上の正しい対応です。労働安全衛生規則第151条の44では、強風や豪雨、雷などの自然条件下での作業は、危険があると判断されるときは中止しなければならないと定められています。したがって、「表示をすれば作業に従事させてもよい」という記述は法令に反するため、誤りとなります。
 

まとめ

クレーン作業においては、通常時のみならず、組立て・点検・悪天候時にも適切な措置を講じることが不可欠です。特に、天候による危険が想定される状況では、「作業を強行するのではなく中止する」という判断が求められます。本問題は、安全第一の原則と、法令に基づく正確な判断力を養う上で重要な内容でした。労働災害を未然に防ぐためには、現場の状況を正しく評価し、法律に沿った安全管理を徹底することが必要です。
 

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