クレーン・デリック運転士 過去問
平成30年(2018年)10月
問5 (クレーン及びデリックに関する知識 問5)

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問題

クレーン・デリック運転士試験 平成30年(2018年)10月 問5(クレーン及びデリックに関する知識 問5) (訂正依頼・報告はこちら)

クレーンのブレーキに関する記述として、適切なものは次のうちどれか。
  • 電磁バンドブレーキは、ブレーキドラムの周りにバンドを巻き付け、電磁石に電流を通じることにより締め付けて制動する。
  • 電動油圧押上機ブレーキは、油圧により押上げ力を得て制動を行い、ばねの復元力によって制動力を解除する。
  • 足踏み油圧式ディスクブレーキは、油圧シリンダ、ブレーキピストン、これらをつなぐ配管などに油漏れがあったり、空気が混入すると、制動力が生じなくなることがある。
  • 巻上装置及び起伏装置のブレーキは、定格荷重に相当する荷重の荷をつった場合における当該装置のトルクの値の1.2倍の制動力を持つものでなければならない。
  • バンドブレーキには、バンドを締め付けたときにバンドが平均して締まるように、バンドの外周にすき間を調整する摩擦パッドが配置されている。

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この過去問の解説 (3件)

01

1.誤りです。

電磁バンドブレーキは、ブレーキドラムの周りにバンドを巻き付け、電磁石に電流を通じることによって開放します。

2.誤りです。

電動油圧押上機ブレーキは、油圧の押上げ力によって、ブレーキの制動を開放します。

3.正しいです。

足踏み油圧式ディスクブレーキは、油圧シリンダ、ブレーキピストン、これらをつなぐ配管などに油漏れがあったり、空気が混入すると、制動力が生じなくなることがあります。

4.誤りです。

巻上装置及び起伏装置のブレーキは、定格荷重に相当する荷重の荷をつった場合における当該装置のトルクの値の1.5倍の制動力を持つものでなければなりません。

5.誤りです。

バンドブレーキには、バンドを締め付けたときにバンドが平均して締まるように、バンドの外周にすき間を調整する、すき間調整ボルトが設けられています。

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02

クレーンのブレーキに関する問題です。

クレーンのブレーキも不具合があると、大きな事故につながる部分なので、確実に覚えておきましょう。
 

選択肢1. 電磁バンドブレーキは、ブレーキドラムの周りにバンドを巻き付け、電磁石に電流を通じることにより締め付けて制動する。

電磁バンドブレーキは、ブレーキドラムの周りにバンドを巻き付け、電磁石に電流を通じることにより締め付けるのではなく、開放する構造となっています。

選択肢2. 電動油圧押上機ブレーキは、油圧により押上げ力を得て制動を行い、ばねの復元力によって制動力を解除する。

電動油圧押上機ブレーキは、油圧の押上げ力によって、ブレーキの制動を開放する構造となっています。ばねの復元力ではありません。
 

選択肢3. 足踏み油圧式ディスクブレーキは、油圧シリンダ、ブレーキピストン、これらをつなぐ配管などに油漏れがあったり、空気が混入すると、制動力が生じなくなることがある。

正しい記述です。

足踏み油圧式ディスクブレーキは、油圧シリンダ、ブレーキピストン、これらをつなぐ配管などに油漏れがあったり、空気が混入すると、制動力が生じなくなることがあるので、使用前や定期点検などでしっかり確認する必要があります。
 

選択肢4. 巻上装置及び起伏装置のブレーキは、定格荷重に相当する荷重の荷をつった場合における当該装置のトルクの値の1.2倍の制動力を持つものでなければならない。

巻上装置及び起伏装置のブレーキは、定格荷重に相当する荷重の荷をつった場合における当該装置のトルクの値の1.2倍ではなく1.5倍の制動力を持つものでなければいけません。

選択肢5. バンドブレーキには、バンドを締め付けたときにバンドが平均して締まるように、バンドの外周にすき間を調整する摩擦パッドが配置されている。

バンドブレーキには、バンドを締め付けたときにバンドが平均して締まるように、バンドの外周にすき間を調整する摩擦パッドではなく、すき間調整ボルトが設けられています。

まとめ

クレーンのブレーキの仕組みを理解すれば、それ自体安全活動の一環となるので、今回の問題はしっかり復習しておきましょう。

参考になった数1

03

クレーンの運転において、安全かつ確実な荷の停止や保持を行うために、ブレーキ装置の構造と作動原理の理解は極めて重要です。ブレーキは、巻上げ装置や走行装置に備えられ、クレーンの制御性と安全性に直結する要素であり、その種類や構造によって特徴や注意点が異なります。本問では、各種ブレーキの仕組みや特徴に関する基本的な知識を問うもので、実務においても誤った取り扱いを防ぐために不可欠な内容となっています。

選択肢1. 電磁バンドブレーキは、ブレーキドラムの周りにバンドを巻き付け、電磁石に電流を通じることにより締め付けて制動する。

誤った記述です。
電磁バンドブレーキは、電磁石に電流を流すと制動が解除され、電流を切るとばねの力で制動がかかる構造です。記述は逆です。
 

選択肢2. 電動油圧押上機ブレーキは、油圧により押上げ力を得て制動を行い、ばねの復元力によって制動力を解除する。

誤った記述です。
電動油圧押上機ブレーキは、通常ばねの力で制動し、油圧の押上げ力で制動を解除します。よって記述は逆です。
 

選択肢3. 足踏み油圧式ディスクブレーキは、油圧シリンダ、ブレーキピストン、これらをつなぐ配管などに油漏れがあったり、空気が混入すると、制動力が生じなくなることがある。

この記述は適切です。
足踏み油圧式ディスクブレーキは、足で操作するペダルの踏力によって油圧を発生させ、その圧力によりディスクを締め付けて制動力を得ます。したがって、油漏れや空気混入があると油圧が正しく伝達されず、制動力が著しく低下または消失する可能性があり、定期的な点検が必要です。

選択肢4. 巻上装置及び起伏装置のブレーキは、定格荷重に相当する荷重の荷をつった場合における当該装置のトルクの値の1.2倍の制動力を持つものでなければならない。

誤った記述です。
巻上げ・起伏装置のブレーキ制動力の基準は、一般的には定格荷重に対応するトルクの1.5倍以上が求められます。1.2倍では不十分です。
 

選択肢5. バンドブレーキには、バンドを締め付けたときにバンドが平均して締まるように、バンドの外周にすき間を調整する摩擦パッドが配置されている。

誤った記述です。
バンドブレーキには、摩擦パッドによるすき間調整の機構はなく、通常はブレーキバンド自体の張力や取付位置で制御されます。
 

まとめ

本問題では、クレーンの各種ブレーキに関する知識を問うことで、制動機構の基本的理解が試されました。ブレーキは荷の安全保持に直結する極めて重要な要素であり、その構造や作動原理を誤って理解すると、事故や装置の損傷につながる恐れがあります。特に油圧式ブレーキにおける油漏れや空気混入による機能低下は、実務でもしばしば問題となるため、構成部品の定期的な点検と適切な保守が求められます。ブレーキの種類ごとに制動原理を正しく理解し、安全なクレーン操作につなげることが、作業者としての基本的な責務といえるでしょう。

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