第一種電気工事士 過去問
令和6年度(2024年)下期
問21 (一般問題 問21)

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問題

第一種電気工事士試験 令和6年度(2024年)下期 問21(一般問題 問21) (訂正依頼・報告はこちら)

高調波の発生源とならない機器は。
  • 交流アーク炉
  • 半波整流器
  • 進相コンデンサ
  • 動力制御用インバータ

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題は、高調波の発生源とならない機器 を選ぶものです。高調波は、電力系統の波形を歪ませ、電気設備の誤動作や損傷の原因となることがあります。主に、パワーエレクトロニクス機器や非線形負荷 が高調波を発生させます。一方、線形負荷である受動素子(コンデンサやリアクトルなど)は高調波の発生源とはなりません。

選択肢1. 交流アーク炉

交流アーク炉は、大電流を使用するため電流の急激な変動が発生し、強い高調波を発生させます。
この選択肢は不正解です。

選択肢2. 半波整流器

半波整流器は、電力の一方向成分のみを利用するため、出力波形に直流成分が含まれ、強い高調波を発生させます。
この選択肢は不正解です。

選択肢3. 進相コンデンサ

進相コンデンサは、電力系統の無効電力を補償し、力率を改善する目的で使用される受動素子であり、自ら高調波を発生させることはありません。
この選択肢は正解です。

選択肢4. 動力制御用インバータ

インバータは、直流から交流を生成する際にスイッチング動作を行うため、高調波を発生させます。
この選択肢は不正解です。

まとめ

高調波は、電力系統の波形を歪ませ、設備の誤動作や損傷の原因となることがあります。特に、半導体を用いた整流器やインバータ、電流変動の大きい負荷機器 は高調波を発生させやすいため、適切な対策が必要です。

一方で、進相コンデンサのような受動素子は高調波を発生させることはありませんが、既存の高調波と共振する可能性がある ため、高調波抑制用のリアクトルを併用することが推奨されます。

電力品質を維持するためには、高調波の発生源を特定し、フィルタやリアクトルなどの適切な対策を講じることが重要 です。

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02

この問題は高周波を発生する機器に対する正しい知識を求められます。

 

また高周波が機器に与える、整流・スイッチング・放電など波形を歪ませる要因についての正しい知識が求められます。

選択肢1. 交流アーク炉

この選択肢は、不正解です。

 

非線形負荷であり、高調波を多く発生します。

アーク放電により波形が歪むため、高調波源となります。

選択肢2. 半波整流器

この選択肢は、不正解です。

 

整流回路の一種で、波形が非対称になります。

高調波成分(特に奇数次の高調波)が多く含まれます。

選択肢3. 進相コンデンサ

この選択肢は、正解です。

 

電力系統の力率改善に使われる受動素子(パッシブ)なので、高周波が発生しないのです。

基本的には正弦波電流を消費するため、高調波は発生しません。

 

選択肢4. 動力制御用インバータ

この選択肢は、不正解です。

 

直流を交流に変換する際にスイッチング素子(トランジスタなど)を使用しているからです。

波形が矩形波に近くなり、高調波を含みます。

まとめ

この問題を解くにあたり必要なことを以下のようにまとめてみます。

 

進相コンデンサは、電力系統の力率を改善するために使われます。

コンデンサは受動素子であり、その為自ら波形を歪ませるような

スイッチングや整流動作を行わないため、 高調波(高周波成分)を発生しません。

 

*補足事項
ただし、高調波が存在する系統に接続された場合、コンデンサが高調波と共振を起こす可能性があり、

結果として電圧や電流の歪みが増大することがあります。
これは「高調波を発生する」のではなく、「高調波の影響を受ける」という点で区別されます。

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