第一種電気工事士 過去問
令和6年度(2024年)下期
問22 (一般問題 問22)

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問題

第一種電気工事士試験 令和6年度(2024年)下期 問22(一般問題 問22) (訂正依頼・報告はこちら)

写真に示す機器の用途は。
問題文の画像
  • 高電圧を低電圧に変成する。
  • 大電流を小電流に変成する。
  • 零相電圧を検出する。
  • コンデンサ回路投入時の突入電流を抑制する。

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題は、画像に示された機器の用途 について正しく選ぶものです。電力設備にはさまざまな変成器や保護装置があり、それぞれの機器の役割を理解することが重要です。特に、電圧や電流を変換する機器は、計測や制御のために不可欠です。

選択肢1. 高電圧を低電圧に変成する。

画像の機器は 計器用変成器(VT:Voltage Transformer、電圧変成器) であり、高電圧を測定可能な低電圧(通常100Vなど)に変換するために使用されます。この記述は正しいです。
この選択肢は正解です。

選択肢2. 大電流を小電流に変成する。

大電流を小電流に変成するのは 計器用変流器(CT:Current Transformer、電流変成器) であり、画像の機器とは異なります。この記述は誤りです。
この選択肢は不正解です。

選択肢3. 零相電圧を検出する。

零相電圧(ZV:Zero-sequence Voltage)は、地絡事故の検出に使用されることがありますが、その検出には 零相変成器(ZVT) などが用いられます。画像の機器は一般的な電圧変成器(VT)であり、零相電圧の検出を主目的とするものではありません。この記述は誤りです。
この選択肢は不正解です。

選択肢4. コンデンサ回路投入時の突入電流を抑制する。

コンデンサ回路投入時の突入電流を抑制するには、直列リアクトル(限流リアクトル)やコンデンサスイッチング用の機器が用いられます。画像の機器は電圧変成器(VT)であり、この用途には適していません。この記述は誤りです。
この選択肢は不正解です。

まとめ

電圧変成器(VT)は、高電圧を低電圧に変換し、計測や保護装置へ安全に電圧を供給するために使用される 機器です。計器用変成器は、電力系統の監視や保護に不可欠であり、電流を変成する計器用変流器(CT)と共に用いられます。

電力設備の運用では、適切な変成器を選定し、正しい計測・保護が行われるようにすることが重要 です。

 

 

 

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02

この問題は、高圧回路の電圧を制御しやすい電圧に降圧する機器である計器用変圧器の正しい知識が求められます。

 

この計器用変圧器は、高圧受電設備内で使用されます。

6.6kVの高圧を回路内で制御回路に使用しやすい電圧(主にAC110V)に降圧します。
低圧にする理由は、高電圧のままでは計器類や配線など、取り扱いが難しいためです。
 

選択肢1. 高電圧を低電圧に変成する。

この選択肢は正解です。


 

この機器は高圧回路を制御しやすい電圧に変圧する計器用変圧器(VT)機器です。

従ってこの機器の用途は高電圧を定電圧に変圧し、電圧計器を動作させるということです。


 

選択肢2. 大電流を小電流に変成する。

この選択肢は不正解です。


 

写真からもわかるように、2個の高圧限流ヒューズ付きの計器用変圧器なので、電流ではなく電圧を変圧する機器です。


 

選択肢3. 零相電圧を検出する。

この選択肢は不正解です。

 

そもそも零相電圧とは、三相交流の中性点と対地との間の電圧のことを指しています。
通常の状態では、接地系でも非接地系でも、零相電圧は0Vとなります。
でも、地絡(漏電)が発生すると、地絡相が対地電位に近づくために、中性点と対地電位に差が出ます。これが零相電圧です。
これを計測する機器は零相電圧検出装置と言いZPDと表示されます。

なので、この選択肢は誤りです。

選択肢4. コンデンサ回路投入時の突入電流を抑制する。

この選択肢は不正解です。


 

そもそもコンデンサ回路内で突入電流が発生するのは始動時に抵抗が低く、

なおかつ大電流を流す部品が回路内に接続されているときです。


 

このコンデンサ回路投入時の突入電流を抑制する機器は直列リアクトル(SR)です。

従ってこの選択肢は誤りです


 

まとめ

この問題を解くのに必要な内容を以下のようにまとめました。
 

計器用変圧器(VT)についてその用途及び機器の仕様についての正しい知識が求められます。
用途:
高圧電圧計の計測用、DGR保護継電器の制御電源、UVRの電圧検出用として使用します。
仕様:
VTの二次側に電流をあまり流す必要がないので小容量となります。
一般的に定格負担(VA)は、50VA~200VA程度となります。
VTは、かつてはPT(Potential Transformer)とも呼ばれていました。


 

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