第一種電気工事士 過去問
令和6年度(2024年)下期
問19 (一般問題 問19)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

第一種電気工事士試験 令和6年度(2024年)下期 問19(一般問題 問19) (訂正依頼・報告はこちら)

送電用変圧器の中性点接地方式に関する記述として、誤っているものは。
  • 非接地方式は、中性点を接地しない方式で、異常電圧が発生しやすい。
  • 直接接地方式は、中性点を導線で接地する方式で、地絡電流が大きい。
  • 抵抗接地方式は、地絡故障時、通信線に対する電磁誘導障害が直接接地方式と比較して大きい。
  • 消弧リアクトル接地方式は、中性点を送電線路の対地静電容量と並列共振するようなリアクトルで接地する方式である。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (2件)

01

この問題は、送電用発電所の中性点接地方式に関する記述の正誤 を問うものです。中性点接地方式は、電力系統の安定性や保護方式に影響を与えるため、その特性を正しく理解することが重要です。中性点の接地方法には非接地方式、抵抗接地方式、リアクトル接地方式 などがあり、それぞれ異なる特性を持っています。

選択肢1. 非接地方式は、中性点を接地しない方式で、異常電圧が発生しやすい。

非接地方式では、雷サージや地絡時の過電圧が抑制されにくくなるため、雷事故のリスクが高くなります。この記述は正しいです。
この選択肢は不正解です。

選択肢2. 直接接地方式は、中性点を導線で接地する方式で、地絡電流が大きい。

この記述は正しいです。直接接地方式では、中性点が直接大地に接続されるため、地絡時に大きな電流が流れることが特徴です
この選択肢は不正解です。

選択肢3. 抵抗接地方式は、地絡故障時、通信線に対する電磁誘導障害が直接接地方式と比較して大きい。

抵抗接地方式では、無効電力が発生しやすくなる のが一般的です。また、地絡時の過電圧は非接地方式より抑制されるため、「雷過電圧が地絡時より比較して大きい」という記述は誤りです。
この選択肢は正解です。

選択肢4. 消弧リアクトル接地方式は、中性点を送電線路の対地静電容量と並列共振するようなリアクトルで接地する方式である。

リアクトル接地方式は、適正なリアクトル値を設定することで、地絡電流を抑制しつつ、過電圧を低減する方式です。この記述は正しいです。
この選択肢は不正解です。

まとめ

抵抗接地方式では、無効電力が発生しやすく、雷過電圧の影響も地絡時より大きくなるとは限りません。

中性点接地方式は、系統の運用や事故時の特性に大きく関わる ため、それぞれの方式の特性と利点・欠点を理解することが重要です。送電線の安定運用を実現するために、適切な接地方式を選択することが求められます。

 

 

 

参考になった数12

02

この問題は、送電用変圧器の中性点接地方式に関して正しく理解していることが求められます。

 

送電時の電路は大地と絶縁されていなければいけませんが、配電線路を除く送電線路では、保安上の必要から送電路の
中性点が接地されています。

 

選択肢1. 非接地方式は、中性点を接地しない方式で、異常電圧が発生しやすい。

この選択肢は、正解です。

 

非接地方式は電圧が低く距離が短い場合に行われる方式で、地絡すると通常の√3倍まで上昇し、

機器に異常電圧がかかる可能性があります。

選択肢2. 直接接地方式は、中性点を導線で接地する方式で、地絡電流が大きい。

この選択肢は、正解です。

 

直接接地方式は、中性点を導線で接地する方式で、地絡電流が大きい。
確実に地絡継電器が動作するレベルの地絡がおきます。

 

 

選択肢3. 抵抗接地方式は、地絡故障時、通信線に対する電磁誘導障害が直接接地方式と比較して大きい。

この選択肢は、不正解です。

 

抵抗接地方式は、接地抵抗を介して中性点を接地するため、地絡電流が制限されます。

その結果、電磁誘導による通信線への障害は小さくなります。

 

従ってこの選択肢が誤りとなります。

選択肢4. 消弧リアクトル接地方式は、中性点を送電線路の対地静電容量と並列共振するようなリアクトルで接地する方式である。

この選択肢は、正解です。

 

消弧リアクトル接地方式は、送電線の対地静電容量とリアクトルが共振することで、地絡電流を打ち消すように制御します。

これにより、地絡電流を非常に小さくでき、アークが自然消弧することを目的としています。

まとめ

送電用変圧器の中性点接地方式に関する問題を解く際の注意点は以下のごとくまとめています。

 

 解答時の注意点:

各接地方式の目的と特徴を把握することが必要となります。
 異常電圧防止、地絡電流の抑制、通信障害の軽減などがおきます。

 

地絡電流の大きさとその影響を理解することが必要となります。
 地絡電流が大きいと通信線などへの電磁誘導障害が増加します。

 

名称と構造に惑わされず、機能面で判断することが必要となります。
 「抵抗接地」「消弧リアクトル接地」などは機能で比較することができるのです。

 

誤りを選ばせる問題が多いので設問の指示に注意することが大事です。
  「誤っているものは?」などの設問の文末否定語に注意

これらを意識すると、混乱せずに正確に判断の上解答できます。

参考になった数2