通関士 過去問
第58回(令和6年)
問40 (通関業法 問40)

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問題

通関士試験 第58回(令和6年) 問40(通関業法 問40) (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述は、通関業法第34条に規定する通関業者に対する監督処分に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。一つを選びなさい。なお、正しい記述がない場合には、「該当なし」を選びなさい。
  • 通関業者の通関業務以外の業務に従事する者に関税法の規定に違反する行為があった場合においては、その違反が当該通関業者の業務に関して行われたものであっても、財務大臣は、当該通関業者に対して監督処分を行うことができないこととされている。
  • 通関業者の役員に通関業法第33条(名義貸しの禁止)の規定に違反する行為があった場合においては、その違反につき、当該通関業者の責めに帰すべき理由がないときであっても、財務大臣は、当該通関業者に対して監督処分を行うことができることとされている。
  • 通関業者の通関士に通関業法の規定に違反する行為があった場合に、その違反につき、当該通関業者の責めに帰すべき理由があるときにおいては、当該通関士が、当該通関業者の業務としてではなく、専ら自己のためにその違反を犯したときであっても、財務大臣は、当該通関業者に対して監督処分を行うことができることとされている。
  • 通関業者の通関士に通関業法の規定に違反する行為があった場合においては、その違反につき、当該通関業者に選任上の故意があるときであっても、財務大臣は、当該通関業者に対して監督処分を行うことができないこととされている。
  • 通関業者の通関業務に従事する者に関税法の規定に違反する行為があった場合においては、その違反につき、当該通関業者に監督上の過失があるときであっても、財務大臣は、当該通関業者に対して監督処分を行うことができないこととされている。
  • 該当なし

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この過去問の解説 (1件)

01

正しい記述は、

「通関業者の通関士に通関業法の規定に違反する行為があった場合に、その違反につき当該通関業者の責めに帰すべき理由があるときは、通関士が専ら自己のために違反を犯した場合でも、財務大臣は当該通関業者に監督処分を行うことができる。」です。
通関業法第34条第1項第2号は、「役員その他通関業務に従事する者」に違反があり、かつ通関業者の選任・監督上の落ち度があるときは、違反が会社業務か私的行為かを問わず処分対象になると定めています。

選択肢1. 通関業者の通関業務以外の業務に従事する者に関税法の規定に違反する行為があった場合においては、その違反が当該通関業者の業務に関して行われたものであっても、財務大臣は、当該通関業者に対して監督処分を行うことができないこととされている。

「通関業務以外」としても、その者が会社の手続きに関わり違反が業務に関連していれば、実質的に「通関業務に従事する者」に当たります。したがって財務大臣は処分できます。処分できないとする記述は誤りです。

選択肢2. 通関業者の役員に通関業法第33条(名義貸しの禁止)の規定に違反する行為があった場合においては、その違反につき、当該通関業者の責めに帰すべき理由がないときであっても、財務大臣は、当該通関業者に対して監督処分を行うことができることとされている。

条文は「通関業者の責めに帰すべき理由があるとき」に限り処分できるとしています。

責任がない場合に処分できるとする本記述は誤りです。

選択肢3. 通関業者の通関士に通関業法の規定に違反する行為があった場合に、その違反につき、当該通関業者の責めに帰すべき理由があるときにおいては、当該通関士が、当該通関業者の業務としてではなく、専ら自己のためにその違反を犯したときであっても、財務大臣は、当該通関業者に対して監督処分を行うことができることとされている。

条文と基本通達は、私的行為であっても選任・監督の不備があれば監督処分の対象になると明示しています。この記述は条文どおりなので正しいです。

選択肢4. 通関業者の通関士に通関業法の規定に違反する行為があった場合においては、その違反につき、当該通関業者に選任上の故意があるときであっても、財務大臣は、当該通関業者に対して監督処分を行うことができないこととされている。

「選任上の故意」は通関業者の重大な落ち度です。処分できないとする本記述は条文と真逆で誤りです。

選択肢5. 通関業者の通関業務に従事する者に関税法の規定に違反する行為があった場合においては、その違反につき、当該通関業者に監督上の過失があるときであっても、財務大臣は、当該通関業者に対して監督処分を行うことができないこととされている。

監督の過失があればまさに条文の「責めに帰すべき理由」に当たります。処分不可とする記述は誤りです。

まとめ

監督処分のキーワードは「役員・通関業務従事者の違反」+「通関業者の選任・監督責任」です。

違反が会社業務か私的行為かは問われず、落ち度があれば処分対象になります。

反対に、違反者が通関業務に従事していない一般従業者であれば条文の射程外です。

試験では「責めに帰すべき理由があるか」「従事者かどうか」の2点を軸に判断すると迷いません。

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