大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和6年度(2024年度)本試験
問30 (現代社会(第5問) 問3)

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問題

大学入学共通テスト(公民)試験 令和6年度(2024年度)本試験 問30(現代社会(第5問) 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

モリタさんとサワダさんが暮らしている地方都市のX市は、近年は人口が少しずつ減少し始めている。二人は、今後、地域社会の維持が難しくなることもあると考え、地域づくりに関心をもつようになり探究学習の課題とした。次の問いに答えよ。

モリタさんとサワダさんは、関係人口と呼ばれる人たちが地域にもたらす効果を図書館で調べ、次の表にまとめた。表中の効果A~Cがすべて表れている事例を、後の具体的な事例ア〜ウからすべて選んだとき、その組合せとして最も適当なものを、次のうちから一つ選べ。

ア  地域住民が、関係人口の人々と話をするなかで、古民家が商店街の活性化に活用できることに気付いた。そして別の関係人口の人々から、空き家になっている古民家の利活用事業の仕組みを教えてもらい、それまで連携が取れていなかった自治体や町内会、商店街が連携して役割分担をした。
イ  観光業の振興について検討するワークショップで、地域の家庭料理が地域外の人にとっては珍しいものだと、関係人口の人々が地域住民に伝えた。また別の関係人口の人々がその家庭料理の商品化のノウハウを地域に提供し、商店街や自治体も商品を宣伝するために協力するようになった。
ウ  長らく地域住民の誇りであった海岸林が劣化し始めていることに地域住民が気付いた。しかし、地域住民に海岸林の保全に関して詳しい人がいなかったため、関係人口の人々が保全に関する情報を住民に提供し、その結果、自治体や住民が共同で保全を行う仕組みをつくった。
問題文の画像
  • アとイとウ
  • アとイ
  • アとウ
  • イとウ
  • 効果A~Cがすべて表れている事例はない

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この過去問の解説 (1件)

01

この問題は、関係人口が地域にもたらす効果について理解しているかを問うものです。
効果Aは「地域資源の再発見」、効果Bは「専門的な能力の移転」、効果Cは「地域社会の運営体制の変化」でした。
それぞれの効果がすべて表れている事例を選ぶことがポイントです。
では、問題を見てみましょう。

選択肢1. アとイとウ

この選択肢は、アとイとウを選んでいます。
アとイは効果A・B・Cのすべてが表れていますが、ウは地域資源の保全活動をしているものの、地域社会の運営体制が変化したとまでは言いきれません。
そのため、ウは含めるべきではなく、この選択肢は誤りです。

選択肢2. アとイ

この選択肢は、アとイを選んでいます。
アでは古民家を地域資源として再発見し、関係人口からノウハウを受け取り、地域内の連携が生まれています。
イでは地域の家庭料理を地域資源として再発見し、商品化に関する知識を受け取り、商店街と自治体が連携しています。
どちらも効果A・B・Cすべてが表れているので、この選択肢が正解です。

選択肢3. アとウ

この選択肢は、アとウを選んでいます。
アは正しいですが、ウは地域資源の保護にとどまっており、地域社会の運営体制が変わったとはいえないため誤りです。

選択肢4. イとウ

この選択肢は、イとウを選んでいます。
イは正しいですが、ウが不十分なため、この選択肢は誤りです。

選択肢5. ア

この選択肢は、アのみを選んでいます。
アは正しいですが、イも正しいためアだけでは不十分です。この選択肢は誤りです。

選択肢6. イ

この選択肢は、イのみを選んでいます。
イは正しいですが、アも正しいためイだけでは不十分です。この選択肢は誤りです。

選択肢7. ウ

この選択肢は、ウのみを選んでいます。
ウは地域資源の保護活動にとどまっているため、効果A・B・Cすべてが表れているとはいえず、この選択肢は誤りです。

選択肢8. 効果A~Cがすべて表れている事例はない

この選択肢は、効果A〜Cがすべて表れている事例がないとしています。
しかし、アとイにはすべての効果が表れているため、この選択肢は誤りです。

まとめ

この問題では、地域資源の再発見、専門的な能力の移転、地域社会の運営体制の変化の三つの視点すべてを満たしているかを丁寧に見分けることが求められました。
ウのように一部の要素だけを満たしている場合は、すべて満たしているとは判断しないことが大切です。

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