大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和5年度(2023年度)本試験
問12 (現代社会(第2問) 問5)

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問題

大学入学共通テスト(公民)試験 令和5年度(2023年度)本試験 問12(現代社会(第2問) 問5) (訂正依頼・報告はこちら)

高校生のヤマダさんとサトウさんは、近隣の市にある劇場に演劇を見に行き、帰り道に将来の目標について話し合った。次の場面Ⅰ・Ⅱを読み、後の問いに答えよ。

場面Ⅰ
ヤマダ:面白かったね。私たちと同世代のa青年が、年齢も職業も異なるタイプの役を上手に演じていてすごかった。
サトウ:本当だね。近くの市でこんなに素敵な演劇を見ることができて良かったよ。
ヤマダ:サトウさんと演劇を何度か見に行くうちに、人のbパーソナリティに興味をもつようになって、大学に入ったら心理学の勉強をしたいと思っているんだ。帰ったらパーソナリティについて調べてみるよ。
サトウ:そうなんだ。私は、地域の課題解決に関わる仕事に就きたいから、劇団の主宰者の方の話は勉強になった。インタビュー資料があるみたいだから調べてみる。

場面Ⅱ
サトウさんは、学校から帰宅後、次の劇団の主宰者のインタビュー資料を検索して読んだ。

劇団の主宰者のインタビュー資料
……私たちは今から10年前に、廃校になった自分たちの母校を利用して、演劇をしながら地域活性化を目指すNPOを立ち上げました。最近は、空き家問題の解決といった公共性の高い課題を収益が得られる事業にすることで解決を目指すNPOなども出てきていて、( A )と呼ばれていますよね。その他に、一般の企業でも、法令遵守に加えて、環境保全活動の支援のように様々なステークホルダーに貢献することが( B )の一環で行われるようになっていますよね。
……昔もそうだけれども、c雇用の状況ってその時々の社会や経済の状況によって変化しますよね。今の時代はd地域や社会に貢献することができて生きがいを感じる働き方を求める人たちって結構いると思うのです。……
e政府の予算や財源も限られているから、助成金や補助金になるべく依存しないで私たちのような活動を長く続けていける社会環境がもっと整ってくればいいですね。

下線部dに関して、社会参加に関する記述として最も適当なものを、次の回答選択肢のうちから一つ選べ。
  • ハイデッガーは、「人間は自由の刑に処せられている」という言葉を用いて、個人の自由な決断が社会に対する責任を伴うものであると説いた。
  • アーレントは、人間にとって他者と共同体を営む活動が重要であるとし、「古代ギリシャのポリス」をモデルにした公共性の意義について論じた。
  • シュヴァイツァーは、他者に愛と憐れみをもたないことを最大の不幸とし、「死を待つ人の家」を運営して奉仕活動を行った。
  • レヴィナスは、近代人が自由のもたらす孤独感や無力感に耐えられず、かえって自分を導く権威に服従することを「自由からの逃走」と表現した。

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この過去問の解説 (1件)

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ハイデッガーは実存主義を主張した思想家で、死から目を背けずにいずれ死がある存在として実存することを追求するべきであると説きました。

サルトルは「人間は自由の刑に処せられている」という言葉を用いて、個人の自由な決断が社会に対する責任を伴うものであると説きました。

 

アーレントは人間にとって他者と共同体を営む活動が重要であるとし、「古代ギリシャのポリス」をモデルにした公共性の意義について論じました。

 

シュヴァイツァーは、生命に対する尊敬を表し、共に生きるとする「生命への畏敬」を主張しました。

マザー・テレサは他者に愛と憐れみをもたないことを最大の不幸とし、「死を待つ人の家」を運営して奉仕活動を行いました。

 

レヴィナスは他者との出会いや他者との関わりで生まれる責任をきっかけに、自己を見つめることになると主張しました。

フロムは近代人が自由のもたらす孤独感や無力感に耐えられず、かえって自分を導く権威に服従することを「自由からの逃走」と表現しました。

選択肢1. ハイデッガーは、「人間は自由の刑に処せられている」という言葉を用いて、個人の自由な決断が社会に対する責任を伴うものであると説いた。

不適切

 

ハイデッガーは実存主義を主張した思想家で、死から目を背けずにいずれ死がある存在として実存することを追求するべきであると説きました。

サルトルは「人間は自由の刑に処せられている」という言葉を用いて、個人の自由な決断が社会に対する責任を伴うものであると説きました。

選択肢2. アーレントは、人間にとって他者と共同体を営む活動が重要であるとし、「古代ギリシャのポリス」をモデルにした公共性の意義について論じた。

適切

 

アーレントは人間にとって他者と共同体を営む活動が重要であるとし、「古代ギリシャのポリス」をモデルにした公共性の意義について論じました。

選択肢3. シュヴァイツァーは、他者に愛と憐れみをもたないことを最大の不幸とし、「死を待つ人の家」を運営して奉仕活動を行った。

不適切

 

シュヴァイツァーは、生命に対する尊敬を表し、共に生きるとする「生命への畏敬」を主張しました。

マザー・テレサは他者に愛と憐れみをもたないことを最大の不幸とし、「死を待つ人の家」を運営して奉仕活動を行いました。

 

選択肢4. レヴィナスは、近代人が自由のもたらす孤独感や無力感に耐えられず、かえって自分を導く権威に服従することを「自由からの逃走」と表現した。

不適切

 

レヴィナスは他者との出会いや他者との関わりで生まれる責任をきっかけに、自己を見つめることになると主張しました。

フロムは近代人が自由のもたらす孤独感や無力感に耐えられず、かえって自分を導く権威に服従することを「自由からの逃走」と表現しました。

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