大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和4年度(2022年度)追・再試験
問10 (世界史B(第2問) 問4)
問題文
B 次の資料は、1831年のアメリカ合衆国大統領による一般教書演説の一節である。(引用文には、省略したり、改めたりしたところがある。)
資料
先住するインディアンの居住地が合衆国の州内に存在することは、合衆国の平和にとって危険であり、インディアン自身にとって有害である。以前の議会での私の提案に従って、複数の部族による合衆国の州外への移住を促すために、50万ドルが支出された。前回の議会では、チカソー族とチョクトー族が政府の寛大な提案を受け入れ、ミシシッピ川を越えた移住に賛同したことを報告した。これによって、ミシシッピ州全域とアラバマ州西部からインディアンの居住地がなくなり、両州は文明化した住民に委ねられることになる。これらの部族との協定は実行の過程にあり、1832年のうちに移住が完了する見込みである。
資料の演説が示す政策が実行された結果、大統領が言及している人々を含む多くの先住民が古くからの居住地を失い、過酷な境遇に追いやられることになった。
資料の演説の内容、もしくは演説が行われた時期のアメリカ合衆国について述べた文として最も適当なものを、次の選択肢のうちから一つ選べ。
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問題
大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和4年度(2022年度)追・再試験 問10(世界史B(第2問) 問4) (訂正依頼・報告はこちら)
B 次の資料は、1831年のアメリカ合衆国大統領による一般教書演説の一節である。(引用文には、省略したり、改めたりしたところがある。)
資料
先住するインディアンの居住地が合衆国の州内に存在することは、合衆国の平和にとって危険であり、インディアン自身にとって有害である。以前の議会での私の提案に従って、複数の部族による合衆国の州外への移住を促すために、50万ドルが支出された。前回の議会では、チカソー族とチョクトー族が政府の寛大な提案を受け入れ、ミシシッピ川を越えた移住に賛同したことを報告した。これによって、ミシシッピ州全域とアラバマ州西部からインディアンの居住地がなくなり、両州は文明化した住民に委ねられることになる。これらの部族との協定は実行の過程にあり、1832年のうちに移住が完了する見込みである。
資料の演説が示す政策が実行された結果、大統領が言及している人々を含む多くの先住民が古くからの居住地を失い、過酷な境遇に追いやられることになった。
資料の演説の内容、もしくは演説が行われた時期のアメリカ合衆国について述べた文として最も適当なものを、次の選択肢のうちから一つ選べ。
- この大統領は、チカソー族とチョクトー族を、ミシシッピ川以東へ移住させることを提案している。
- この大統領は、チカソー族とチョクトー族を、文明化した住民ではないと考えている。
- チカソー族とチョクトー族の移住の際には、既に完成していた大陸横断鉄道による輸送が行われた。
- チカソー族とチョクトー族の移住が完了すると見込まれていた年に、フロンティアの消滅が宣言された。
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この過去問の解説 (1件)
01
【資料のポイントまとめ】
・インディアンの居住地が州内にあることは「危険で有害」
・ミシシッピ川を越えた西側への移住を進めた(=東部から追い出す)
・移住対象:チカソー族・チョクトー族
・大統領:アンドリュー・ジャクソン(任期:1829〜1837年)
→ つまり、「インディアン移住法(1830年制定)」の流れです。
ミシシッピ川以西への移住を提案しており、方向が逆です。
資料中に「文明化した住民に委ねられる」と記載されており、正しい内容です。【正解】
大陸横断鉄道は1869年に完成しており、移住当時には存在していません。
フロンティアの消滅宣言は1890年であり、1830年代とは大きく時期が異なります。
1830年、アメリカ合衆国ではアンドリュー・ジャクソン大統領のもと、「インディアン移住法」が制定されました。
これにより、東部の先住民諸族は、ミシシッピ川以西への移住を強制されました。
ジャクソン大統領は先住民を「文明化していない存在」とみなし、彼らの土地を白人入植者へ開放する政策を推し進めました。
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