貸金業務取扱主任者 過去問
令和4年度(2022年)
問38 (貸付け及び貸付けに付随する取引に関する法令及び実務に関すること 問11)

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問題

貸金業務取扱主任者試験 令和4年度(2022年) 問38(貸付け及び貸付けに付随する取引に関する法令及び実務に関すること 問11) (訂正依頼・報告はこちら)

債務の引受けに関する次の記述のうち、民法上、その内容が適切でないものを1つだけ選びなさい。
  • 併存的債務引受の引受人は、債務者と連帯して、債務者が債権者に対して負担する債務と同一の内容の債務を負担する。
  • 併存的債務引受は、債権者、債務者及び引受人となる者との三者間で契約を締結しなければ、その効力を生じない。
  • 免責的債務引受の引受人は、債務者が債権者に対して負担する債務と同一の内容の債務を負担し、債務者は、自己の債務を免れる。
  • 免責的債務引受の引受人は、債務者に対して求償権を取得しない。

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この過去問の解説 (2件)

01

「債務の引受け」とは、誰かが別の人の借金などを代わりに負担することです。
大きく分けて2つのタイプがあります。

併存的(へいそんてき)債務引受け:元の人と一緒に債務を負担する。つまり、両方が責任を持つ。

免責的(めんせきてき)債務引受け:元の人に代わって新しい人だけが債務を負担し、元の人は責任を免れる。

選択肢1. 併存的債務引受の引受人は、債務者と連帯して、債務者が債権者に対して負担する債務と同一の内容の債務を負担する。

正しいです。
併存的債務引受では、引き受けた人は、もともとの債務者と同じ内容の債務を負うことになります。
このとき、両者は連帯して責任を持つので、債権者(お金を貸している人)は、どちらにでも請求できます。

選択肢2. 併存的債務引受は、債権者、債務者及び引受人となる者との三者間で契約を締結しなければ、その効力を生じない。

誤りです。
併存的債務引受は、債権者・債務者・引受人の三者が契約しなければ成立しないと書いてありますが、これは違います。
併存的債務引受は、債務者と引受人が契約を結べば成立し、債権者の同意がなくても有効です。
ただし、債権者に効力が及ぶためには通知や承諾が必要になります。
「三者間で契約しなければ効力を生じない」と言い切ってしまうのは間違いです。

選択肢3. 免責的債務引受の引受人は、債務者が債権者に対して負担する債務と同一の内容の債務を負担し、債務者は、自己の債務を免れる。

正しいです。
免責的債務引受では、引受人が元の債務者の代わりにまったく同じ内容の債務を引き受けて、元の債務者は責任を免れるという仕組みです。

選択肢4. 免責的債務引受の引受人は、債務者に対して求償権を取得しない。

正しいです。
免責的債務引受をした人は、たとえばそのあとにお金を返した場合、元の債務者に「あなたの代わりに払ったんだから返して」とは言えません
求償権(きゅうしょうけん)がない、というのは正しい説明です。

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02

債務の引受けについて、基本的事項を理解しましょう。

選択肢1. 併存的債務引受の引受人は、債務者と連帯して、債務者が債権者に対して負担する債務と同一の内容の債務を負担する。

適切です。

 

併存的債務引受において、引受人は債務者と連帯し、債権者に対して債務者が負うものと同じ内容の債務を負うことになります(民法470条1項)。

選択肢2. 併存的債務引受は、債権者、債務者及び引受人となる者との三者間で契約を締結しなければ、その効力を生じない。

適切ではありません。

 

併存的債務引受は、引受人となる者が債権者との契約によって行うことが可能です(民法470条2項)。さらに、引受人となる者が債務者との契約によって引受けることもできます(民法470条3項)。この場合、債権者が引受人となる者に対して承諾をしたときに効力が生じます。したがって、本肢で「債権者、債務者及び引受人となる者の三者間で」としている部分が誤りです。

選択肢3. 免責的債務引受の引受人は、債務者が債権者に対して負担する債務と同一の内容の債務を負担し、債務者は、自己の債務を免れる。

適切です。

 

免責的債務引受が行われると、引受人は債務者が債権者に対して負っていたのと同じ内容の債務を引き受けます。それに伴い、債務者はその債務から解放されます(民法472条1項)。

選択肢4. 免責的債務引受の引受人は、債務者に対して求償権を取得しない。

適切です。

 

免責的債務引受が行われた場合、引受人は債務を引き受けると同時に、債務者に対して求償権を持ちません(民法472条の3)。

まとめ

債務の引受けには、併存的債務引受と免責的債務引受の2種類があります。それぞれの契約形態によって、債務者と引受人の間の権利義務関係が異なります。

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