2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級) 過去問
2024年9月
問1 (学科 問1)

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問題

2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)試験 2024年9月 問1(学科 問1) (訂正依頼・報告はこちら)

ファイナンシャル・プランナー(以下「FP」という)の顧客に対する行為に関する次の記述のうち、職業倫理に照らし、最も適切なものはどれか。
  • 顧客から金融資産の安定した投資先を教えてほしいとの依頼を受けたFPのAさんは、自身の勤務先である銀行が新たに取扱いを始めたリスクの高い金融商品を提案し、契約することを強く勧めた。
  • 顧客から配偶者が要介護認定を受けたことを聞いたFPのBさんは、住宅リフォーム工事を請け負う会社を経営する知人に対して、顧客の同意を得ないでその情報を伝えた。
  • 顧客から保険商品について相談を受けたFPのCさんは、自身の専門性を強調するため、顧客の理解度は考慮せず、専門用語を多用して保険商品の説明を行った。
  • 顧客から資産運用に関するセミナーの講師を依頼されたFPのDさんは、官公庁が作成した転載を禁止する旨の表示がない広報資料をインターネットで入手し、当該官公庁の許諾を得ることなく、セミナーのレジュメで出典を明記して使用した。

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題では、FPとして、顧客に対する適切な行為を記述している選択肢を選択します。

選択肢1. 顧客から金融資産の安定した投資先を教えてほしいとの依頼を受けたFPのAさんは、自身の勤務先である銀行が新たに取扱いを始めたリスクの高い金融商品を提案し、契約することを強く勧めた。

不適切です。

FPは業務の際、必ず顧客の利益を最優先にする必要があります。(顧客第一の原則)今回の場合、顧客は安定した投資先を希望しているのにも関わらず、リスクの高い金融商品を提案しています。この行為は、顧客の利益を最優先しているとはいえず、不適切といえます。

選択肢2. 顧客から配偶者が要介護認定を受けたことを聞いたFPのBさんは、住宅リフォーム工事を請け負う会社を経営する知人に対して、顧客の同意を得ないでその情報を伝えた。

不適切です。

FPは、業務上知り得た顧客の情報を保護する義務があり、本人の同意なく第三者に情報を提供してはいけません。(秘密保持の原則)第三者に顧客の情報を提供する際は、事前に本人の同意を得る必要があります。今回の場合、顧客の同意なしで顧客の情報を提供することは守秘義務違反となるため不適切といえます。

選択肢3. 顧客から保険商品について相談を受けたFPのCさんは、自身の専門性を強調するため、顧客の理解度は考慮せず、専門用語を多用して保険商品の説明を行った。

不適切です。

FPは、顧客との間に非対称性があることを念頭に販売や提案する際は商品やサービスについて顧客に分かりやすく説明する必要があります。今回の場合は、専門用語を用いて顧客に説明しているため決して分かりやすく説明をしているとはいえず、顧客に対して、誤認を与えかねない説明のため不適切といえます。

選択肢4. 顧客から資産運用に関するセミナーの講師を依頼されたFPのDさんは、官公庁が作成した転載を禁止する旨の表示がない広報資料をインターネットで入手し、当該官公庁の許諾を得ることなく、セミナーのレジュメで出典を明記して使用した。

適切です。

国や地方公共団体等が一般に周知する目的として公表している広報資料等は転載禁止の表示があるものを除いて、許諾無しに転載することが可能なため適切といえます。

まとめ

FPとして、顧客のことを第一優先として、顧客が不利益を被らないように適切な行為を心がけましょう。

参考になった数3

02

この問題では、FPとして、顧客に対する適切な行為を記述している選択肢を選択します。

 

選択肢1. 顧客から金融資産の安定した投資先を教えてほしいとの依頼を受けたFPのAさんは、自身の勤務先である銀行が新たに取扱いを始めたリスクの高い金融商品を提案し、契約することを強く勧めた。

不適切です。

FPは常に顧客利益を優先しなければなりません。
設問の場合、顧客は安定した投資先を教えてほしいと依頼をしているにもかかわらず自自社の利益を考えリスクの高い金融商品を提案し強く勧めており顧客の利益を優先していないことになります。



 

選択肢2. 顧客から配偶者が要介護認定を受けたことを聞いたFPのBさんは、住宅リフォーム工事を請け負う会社を経営する知人に対して、顧客の同意を得ないでその情報を伝えた。

不適切です。

FPは守秘義務の遵守として職務上知り得た顧客情報を顧客の同意なく第三者に漏らしてはいけません。設問の場合は顧客の同意を得ないで顧客の配偶者が要介護認定を受けたことを住宅リフォーム工事の知人に情報を伝えているので誤りです。

選択肢3. 顧客から保険商品について相談を受けたFPのCさんは、自身の専門性を強調するため、顧客の理解度は考慮せず、専門用語を多用して保険商品の説明を行った。

不適切です。

FPは顧客に対して提案内容など十分に説明しなければなりません。説明の際は顧客の理解度に応じて説明を行い、きちんと理解できているか確認しながら進めなければなりません。設問の場合は顧客の理解度を考慮せず専門用語を多用して説明を行っているため誤りです。

選択肢4. 顧客から資産運用に関するセミナーの講師を依頼されたFPのDさんは、官公庁が作成した転載を禁止する旨の表示がない広報資料をインターネットで入手し、当該官公庁の許諾を得ることなく、セミナーのレジュメで出典を明記して使用した。

適切です。

設問の通りです。官公庁が作成した広報資料は転載を禁止する表示がない場合でもレジュメ出典を明記しても問題ありません。官公庁の作成する文書は国民に何を伝えたい内容であったり、文書自体を国民に自由に利用させることを目的としたものがあります。そのような文書に著作権を認め、その利用を著作権者に独占されるのは適当と言えません。従って、設問のように官公庁が作成した広報資料をセミナーのレジュメで出典を明記して使用することは適切です。

 

まとめ

FP倫理をしっかり理解し、適切な行動を心がけましょう。

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03

この問題ではFPの職業倫理について問われています。

選択肢のどこが誤っているか考えながら解きましょう。

選択肢1. 顧客から金融資産の安定した投資先を教えてほしいとの依頼を受けたFPのAさんは、自身の勤務先である銀行が新たに取扱いを始めたリスクの高い金融商品を提案し、契約することを強く勧めた。

不適切です。

【顧客利益の優先】

自身や勤務先の利益を優先してはいけません。

FPは、顧客利益を最優先に考える必要があります。

 

設問は、勤務先で取り扱う、リスクが高い商品を強く勧めているため、顧客利益を優先しておらず、職業倫理に反します

選択肢2. 顧客から配偶者が要介護認定を受けたことを聞いたFPのBさんは、住宅リフォーム工事を請け負う会社を経営する知人に対して、顧客の同意を得ないでその情報を伝えた。

不適切です。

【守秘義務の遵守】

顧客から得た情報を、本人の同意なく第三者に提供してはいけません。

第三者に提供する場合は、本人の同意が必要です。

 

※同意なく提供した場合、個人情報保護法に抵触し、刑事罰の対象となり得ます。

選択肢3. 顧客から保険商品について相談を受けたFPのCさんは、自身の専門性を強調するため、顧客の理解度は考慮せず、専門用語を多用して保険商品の説明を行った。

不適切です。

【顧客に対する説明義務】

顧客の理解度を考慮せず、専門的な言葉で説明してはいけません。

FPは、顧客の知識や経験、理解度を考慮して、顧客に合わせた分かりやすい説明をする必要があります。

選択肢4. 顧客から資産運用に関するセミナーの講師を依頼されたFPのDさんは、官公庁が作成した転載を禁止する旨の表示がない広報資料をインターネットで入手し、当該官公庁の許諾を得ることなく、セミナーのレジュメで出典を明記して使用した。

適切です。

官公庁が作成した、転載禁止の表示がない資料を、出典を明記して使用しているため、問題ありません。

 

官公庁が作成した資料等であっても、転載を禁止する旨の表示があれば、著作権者の許諾が必要です。

 

※著作権法第十三条において、国や地方公共団体の機関、独立行政法人地方独立行政法人が発する資料については、原則許諾不要で利用できるとされています。

まとめ

FPにおける職業倫理は、常識的に考えれば解ける問題が多くあります。文章をよく読み、職業倫理に照らし合わせて考えましょう。

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