2級電気工事施工管理技士 過去問
令和6年度(2024年)前期
問38 (4 問1)

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問題

2級電気工事施工管理技士試験 令和6年度(2024年)前期 問38(4 問1) (訂正依頼・報告はこちら)

建設工事において工程管理を行う場合、バーチャート工程表と比較しネットワーク工程表の特徴を考慮した記述として、最も不適当なものはどれか。
  • 他工種の工程に関して理解しやすい、ネットワーク工程表を用いた。
  • 各作業の進行度合いが把握しやすい、ネットワーク工程表を用いた。
  • 各作業の余裕日数が容易に分かる、ネットワーク工程表を用いた。
  • 工事の重点的工程管理を行うため、クリティカルパスに注目した。
  • 工程の遅れ日数の計算が容易な、ネットワーク工程表を用いた。

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題は、建設工事において使われるネットワーク工程表バーチャート工程表の違いを理解しているかを問うものです。

 

ネットワーク工程表は、作業の流れを矢印とノード(節点)で表現するもので、作業の順序関係・余裕・重要経路(クリティカルパス)などを把握するのに適しています。

一方、バーチャート(ガントチャート)作業と日付を横棒で視覚的に表現する表で、作業の予定と実績の比較がしやすく、進捗状況の管理に向いています。

選択肢1. 他工種の工程に関して理解しやすい、ネットワーク工程表を用いた。

適切な記述です。
ネットワーク工程表は、作業のつながりを表すのに優れており、作業相互の関係や前後関係が視覚的に明確になります。
一見すると複雑に見えることもありますが、他工種との関係や影響を把握しやすいという利点があります。

選択肢2. 各作業の進行度合いが把握しやすい、ネットワーク工程表を用いた。

不適当な記述です。
作業の進行状況(実際に何%進んでいるか)を視覚的に追いやすいのは、横棒で進捗を示せるバーチャート工程表のほうが得意です
ネットワーク工程表は進行状況の管理にはやや不向きで、進行度合いを把握しやすいとは言えません。

この問題は、最も不適当なものを選ぶ問題なので、この選択肢が正解です。

選択肢3. 各作業の余裕日数が容易に分かる、ネットワーク工程表を用いた。

適切な記述です。
ネットワーク工程表では、各作業のフロート(余裕時間)を計算して表示することが可能なので、余裕日数を把握しやすいのが特長です。

選択肢4. 工事の重点的工程管理を行うため、クリティカルパスに注目した。

適切な記述です。
クリティカルパスは、全体工期を決定する作業の連続であり、これを把握することで重点管理が可能になります。ネットワーク工程表の重要な利点です。

選択肢5. 工程の遅れ日数の計算が容易な、ネットワーク工程表を用いた。

適切な記述です。
ネットワーク工程表では、作業ごとの日程や前後関係をもとに、遅れがどこに影響するかが分かりやすく、遅れ日数の分析にも向いています。

まとめ

ネットワーク工程表では、作業の進行度合いを視覚的に表現しにくいため、進行状況を把握しやすいというのは誤りです。
そのため、「各作業の進行度合いが把握しやすい」という記述が最も不適当です。

その他の選択肢は、ネットワーク工程表の特性を適切に表しています。

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02

バーチャート工程表と、ネットワーク工程表をまとめます。

 

バーチャート工程表

縦軸に作業項目、横軸に日時を記載し、作業の開始時期と終了時期を横棒で表した工程表です。

構成が単純で、作成が容易であるといった点や、スケジュールの把握がしやすいといったメリットがあります。

 

ネットワーク工程表

建設プロジェクトや工事の進行を管理する為に、作業(タスク)同士の順序や依存関係を視覚的に表した図表です。


下記のメリットがあります。

・複数間の作業やプロジェクトの関連性や流れがわかりやすい。

・優先すべき作業や同時並行で進められる作業を発見できる。

・プロジェクト全体の工期を決定する「クリティカルパス」を特定できる。

クリティカルパスとは、工期を遵守する為に遅らせることのできない作業経路を指します。

 

以上を踏まえて、選択肢を見ていきましょう。



 

選択肢1. 他工種の工程に関して理解しやすい、ネットワーク工程表を用いた。

正しい内容です。

選択肢2. 各作業の進行度合いが把握しやすい、ネットワーク工程表を用いた。

誤った内容です。

作業の進捗を管理するには、バーチャート工程表を使用するのが適切です。

選択肢3. 各作業の余裕日数が容易に分かる、ネットワーク工程表を用いた。

正しい内容です。

選択肢4. 工事の重点的工程管理を行うため、クリティカルパスに注目した。

正しい内容です。

選択肢5. 工程の遅れ日数の計算が容易な、ネットワーク工程表を用いた。

正しい内容です。

バーチャートは、複数のタスクの進捗を個別に一列に並べただけなので、一つ一つのタスクの進捗は把握できても、複数のタスクが絡み合った時の工程管理ができません。

従って、工程の遅れを計算する場合はバーチャート工程表よりも、ネットワーク工程表の方が適しています。

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