第三種電気主任技術者(電験三種) 過去問
令和6年度(2024年)上期
問77 (法規 問12(a))

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問題

第三種電気主任技術者(電験三種)試験 令和6年度(2024年)上期 問77(法規 問12(a)) (訂正依頼・報告はこちら)

三相3線式の高圧電路に300kW、遅れ力率0.6の三相負荷が接続されている。この負荷と並列に進相コンデンサ設備を接続して力率改善を行うものとする。
進相コンデンサ設備は図に示すように直列リアクトル付三相コンデンサとし、直列リアクトルSRのリアクタンスXL[Ω]は、三相コンデンサSCのリアクタンスXC[Ω]の6%とするとき、次の問に答えよ。
ただし、高圧電路の線間電圧は6600Vとし、無効電力によって電圧は変動しないものとする。

進相コンデンサ設備を高圧電路に接続したときに三相コンデンサSCの端子電圧の値[V]として、最も近いものを次のうちから一つ選べ。
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この過去問の解説 (3件)

01

三相3線式高圧電路に接続したコンデンサ設備の端子電圧を求める計算問題です。

選択肢5. 7021

直列リアクタンスと三相コンデンサを複素数を使って表すと、

 

直列リアクタンス:jXL=j0.06XC ※直列リアクタンスを三相コンデンサの6[%]と明記されているため

三相コンデンサ:−jXC

 

となります。

三相コンデンサの端子電圧VCは分圧の法則から求めることができるので、

 

VC={(−jXC)/(jXL−jXC)}✕V

={(−jXC)/(j0.06XC−jXC)}✕V

={(−jXC)/(−j0.94XC)}✕V

=6600/0.94

≒7021[V]

 

となります。

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02

進相コンデンサ設備を高圧電路に接続したときに三相コンデンサSCの端子電圧の値[V]を求める計算問題となります。

問題図を説明すると、元々あった三相負荷(300kW、遅れ力率0.6)に力率改善のため直列リアクトル付三相コンデンサを並列に接続する事によって無駄なく電力を消費する構図となります。

三相負荷には高圧電路の線間電圧6600Vがかかっています。力率改善のため並列に接続した直列リアクトル付三相コンデンサにも同じ6600Vが加わるので、三相コンデンサSCの端子電圧は電圧の分圧式で求めることが出来ます。

 

問題の条件を整理すると次のようになります。

・線間電圧V=6600[V]

・直列リアクトルSRのリアクタンスXL=jωL=jXL[Ω]

・三相コンデンサSCのリアクタンスXC=-j×1/ωC=-jXC[Ω] 

※1.直列リアクトルSRと三相コンデンサSCは直列接続されているので端子電圧は線間電圧を分圧される形となります。

 

さらに直列リアクトルSRのリアクタンスXLは三相コンデンサSCのリアクタンスXC[Ω]の6%となるので次のように表せます。

・XL=6/100×XC=0.06XC=-j0.06XC

 

分圧式を立てると次のようになります。

・VXC=(XC/XC+XL)×V=(-jXC/-jXC+(-j0.06XC))×6600=(-1/-0.94)×6600=6600/0.94≒7021[V]

 

以上より、三相コンデンサSCの端子電圧の値は7021[V]となります。

選択肢5. 7021

こちらが適切な解答となります。

まとめ

リアクタンスの複素数jには気を付けてください。苦手な方は理論科目の交流回路分野をもう一度見直す事をお薦め致します。

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03

この問題は、与えられた情報から進相コンデンサ設備を高圧電路に接続したときの三相コンデンサSCの端子電圧を求めるものです。

 

直列リアクトルのリアクタンスXLは、三相コンデンサのリアクタンスXCの6%であるので、

 XL=0.06XC

よって、合成リアクタンスXは、

 X=XC - XL=0.94XC

XCにかかる電圧をVC、リアクタンス全体にかかる電圧をVとすると、

 V: VC=X:XC

よって、

 VC=XC/X x V

   =XC/0.94XC x V

V=6600[V]を代入して、

 VC=1/0.94 x 6600=7021[V]

まとめ

合成リアクタンスの求め方を覚えておきましょう。

直列リアクトルはコンデンサのインピーダンスを増加させ、端子電圧に影響を与えることを理解しておきましょう。

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