第三種電気主任技術者(電験三種) 過去問
令和6年度(2024年)上期
問74 (法規 問10)
問題文
ただし、遮断器Aの配電系統及びこれに接続する全ての需要家構内に分散型電源は無いものとする。
なお、本問でSOG機能付PASとは、過電流蓄勢トリップ付地絡トリップ形トリップ装置付過電流ロック形高圧気中負荷開閉器をいう。

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
第三種電気主任技術者(電験三種)試験 令和6年度(2024年)上期 問74(法規 問10) (訂正依頼・報告はこちら)
ただし、遮断器Aの配電系統及びこれに接続する全ての需要家構内に分散型電源は無いものとする。
なお、本問でSOG機能付PASとは、過電流蓄勢トリップ付地絡トリップ形トリップ装置付過電流ロック形高圧気中負荷開閉器をいう。

- Aが開路したのち、Bが開路し、その後Aが閉路する。
- Bが開路したのち、Aが開路し、その後Aが閉路する。
- AとBが同時に開路し、その後Aが閉路する。
- Aが開路する。(Bは開路しない。)
- Bが開路する。(Aは開路しない。)
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (3件)
01
この問題は、短絡事故が発生した場合の遮断器と区分開閉器の動作を問うものです。
SOG(Storage Over current Ground)機能とは、短絡や地絡を検知して機器を開放または遮断する保護機能です。
PAS(Pole Air Switch=気中負荷開閉器)とは、電柱の上部に設置される保護装置です。
図中に✕印で示した地点で短絡事故が発生した場合、配電用変電所の送り出し遮断器Aが事故を検知して、開路します。
これによって、変電所側が保護されて電力供給が遮断されます。
次に、区分開閉器B(SOG機能付PAS)が遮断器Aの開路による無電圧状態を検知して、開路します。
これによって、事故区間が完全に切り離され、事故の波及が防止されます。
その後、事故原因が解消されると、遮断器Aが閉路して、電力供給が再開されます。
区分開閉器Bは手動で閉路します。
よって、正しい動作の記述は、「Aが開路したのち、Bが開路し、その後Aが閉路する。」です。
遮断器と区分開閉器の役割を理解し、事故発生から復旧までの動作を把握しておきましょう。
参考になった数5
この解説の修正を提案する
02
配電用遮断器及び需要家の開閉器に関する記述で、正しいものを選択する問題です。
この問題を解くにあたり、遮断器と開閉器の特徴に関する知識が必要となります。
・遮断器
事故電流、短絡電流を問わず、大きな電流も確実に遮断できます。
・開閉器
負荷電流は遮断できますが、事故電流は遮断できません。
問題で与えられた図では、需要家側で短絡事故が起こっています。
この場合はまず、配電用変電所の遮断器が開路します。→遮断器Aが開路
次に、無電圧を感知した区分開閉器が開路します。→開閉器Bが開路
短絡事故は区分開閉器より下位で起こっており、一般送配電事業者側には問題がないため、配電用変電所の遮断器を閉路します。→遮断器Aを閉路
したがって、この選択肢が正しい記述となります。
参考になった数1
この解説の修正を提案する
03
需要家構内で短絡事故が発生した際の一般送配電事業者(電力会社側)の遮断器Aと自家用設置者側の区分開閉器Bの動作に関する問題です。
まず問題を解く上でのポイントをまとめていきます。
①短絡事故とは?
②需要家内で短絡事故が発生すると一般送配電事業者へ波及する
③遮断器と区分開閉器の違い
④SOG機能付PASとは?
以上のポイントを一項目ずつ解説していきます。
①短絡事故とは?
・電気における短絡事故とはケーブルの断線などにより、電線間の異なる相が接触しショート(短絡)する現象を言います。この時に流れる電流を短絡電流と呼びます。また他に地絡事故がありますが、こちらは電線の漏電などにより大地間に施している接地線に電流が流れてしまう現象を言います。この時に流れる電流を地絡電流と呼びます。
②需要家内で短絡事故が発生すると一般送配電事業者へ波及する
・問題図に目を向けると、短絡事故点は需要家内で発生してます。仮になりますが区分開閉器Bがなかったとすると、その短絡電流は一般送配電事業者側まで回ってしまいます。そうなると事故とは関係のない他の需要家も停電する恐れがありますので未然に防ぐ必要があります。
③遮断器と区分開閉器の違い
・遮断器は過電流、地絡、短絡などの事故電流を検出し遮断する事ができます。一方、区分開閉器は地絡電流、負荷電流、充電電流などを通電し開閉することができます。事故などによる短絡電流も検出・通電する事はできますが、自分で開閉する事はできません。
④SOG機能付PASとは?
・区分開閉器として用いられるSOG機能付PASは一般送配電事業者と需要家の責任分界点として重要な役割を担っています。上位側を送配電事業者側とし下位側を需要家としています。需要家側で事故による短絡電流が発生した場合、SOGで短絡電流を検出し、PASにはロックがかかります。(区分開閉器は【閉】のまま)そして一般送配電事業者側の遮断器で短絡電流を遮断するとPASの上位側は無電圧となり、SOGがそれを検出しPASに対して自動で遮断する信号を送ります。(区分開閉器は【開】になる)そうすると事故点と一般送配電事業者側の遮断器は縁が切れたことになり、遮断器は投入となります。そして需要家側の事故点が解消されたら手動で投入する事ができます。
以上より、動作を要約すると次のようになります。
・短絡事故発生→遮断器A【開】→区分開閉器B【開】→遮断器A【閉】
以上となります。
※【開】‥遮断、【閉】‥投入
こちらが適切な解答となります。
電気主任技術者の役割の一つとして、事故を波及させない(他人に迷惑をかけない)事が重要なので、電気主任技術者を目指される皆様にとっても必須の知識問題だと言えます。
参考になった数0
この解説の修正を提案する
前の問題(問73)へ
令和6年度(2024年)上期 問題一覧
次の問題(問75)へ