中小企業診断士 過去問
令和6年度(2024年)
問23 (経済学・経済政策 問20(2))

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問題

中小企業診断士試験 令和6年度(2024年) 問23(経済学・経済政策 問20(2)) (訂正依頼・報告はこちら)

労働市場を示した下図において、Dは労働需要曲線、Sは労働供給曲線であり、点Eで均衡し、そのときの均衡賃金率はW0、均衡労働量はN0である。
この図に基づいて、下記の設問に答えよ。

この図に関する記述として、最も適切な組み合わせを下記の解答群から選べ。

a  労働者に帰属する余剰は、三角形AW0Eである。
b  労働者の機会費用は、四角形AON0Eである。
c  企業の労働費用は、四角形W0ON0Eである。
d  企業に帰属する余剰は、三角形AW0Eである。
問題文の画像
  • aとb
  • aとc
  • bとc
  • bとd
  • cとd

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この過去問の解説 (2件)

01

図を読み解いて各選択肢から正しいものを選ぶ問題です。

各選択肢をそれぞれ解説します。

 

a

労働者に帰属する余剰とは、生産者余剰に該当するため、三角形W0BEとなるので誤っています。

 

b

選択肢の内容に該当するものはないため、誤っています。

 

c

労働費用は労働量×賃金率で求めることができます。

そのため四角形W0ON0Eとなるので、正しい選択肢です。

 

d

企業に帰属する余剰とは、消費者余剰に該当するため、三角形AW0Eとなるので正しい選択肢です。

 

正しい選択肢の組み合わせは、 cとd です。

選択肢1. aとb

本選択肢は不正解です。

選択肢2. aとc

本選択肢は不正解です。

選択肢3. bとc

本選択肢は不正解です。

選択肢4. bとd

本選択肢は不正解です。

選択肢5. cとd

本選択肢が正解です。

まとめ

本問では家計の余剰分析とは、消費者と生産者の余剰が逆になっている点に注意する必要がありました。

参考になった数4

02

余剰分析に関する問題です。本問では、消費者=企業生産者=労働者と読み換える必要があります。

 

労働需要曲線Dと労働供給曲線が交わる点Eで均衡しており、そのときの均衡賃金率はW0、均衡労働量はN0であるため、縦軸の点W0より上が企業、点W0より下が労働者であると分かります。

 

以下、誤りの解答群のみ解説します。

a.労働者に帰属する余剰は、三角形AW0Eである。
→労働者に帰属する余剰は、三角形W0BEとなります。

 

※三角形AW0Eは企業に帰属する余剰で、解答群dが正解となります。

 

b.労働者の機会費用は、四角形AON0Eである。

→労働者の機会費用は、四角形BON0Eです。

 

機会費用とは、「ある選択をした結果、選択をしなかった場合に得られたであろう利益」のことです。

本問では、労働者は企業で働いた結果、働かずにレジャーに行った場合に費やす時間やリフレッシュできた気持ち、レジャー先での体験などが機会費用となります。(代わりに、働いて賃金を得ることはできますが)

 

解答群cの「企業の労働費用」とは、労働者を雇用することで支払った費用(賃金)のことです。その結果、企業は三角形AW0Eの余剰を得る(解答群d)ことができます。

選択肢1. aとb

冒頭の解説より、「cd」の組み合わせであるため不適切な選択肢です。

選択肢2. aとc

冒頭の解説より、「cとd」の組み合わせであるため不適切な選択肢です。

選択肢3. bとc

冒頭の解説より、「cとd」の組み合わせであるため不適切な選択肢です。

選択肢4. bとd

冒頭の解説より、「cとd」の組み合わせであるため不適切な選択肢です。

選択肢5. cとd

冒頭の解説より、「cとd」の組み合わせであるため正解の選択肢となります。

まとめ

【補足】

 

冒頭の解説より、本問では縦軸の点Wより上の余剰が企業、点Wより下の余剰が労働者と判断できなければ、解答群aとdを間違って正誤判断してしまいます(解答群aとdは、ともに余剰が三角形AW0Eとなっています)。

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