中小企業診断士 過去問
令和6年度(2024年)
問17 (経済学・経済政策 問16(1))

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問題

中小企業診断士試験 令和6年度(2024年) 問17(経済学・経済政策 問16(1)) (訂正依頼・報告はこちら)

短期の完全競争市場下における価格と企業の生産との関係を考える。下図には、ある財の生産に関する限界費用曲線MC、平均費用曲線ACおよび平均可変費用曲線AVCが描かれており、価格が与えられると企業は最適生産を実現するものとする。ただし、P1はACの最小値、P3はAVCの最小値に対応している。
この図に基づいて、下記の設問に答えよ。

価格がP0のときの生産者余剰として、最も適切なものはどれか。
問題文の画像
  • 四角形ABED
  • 四角形AOQ0D
  • 四角形BOQ0E
  • 四角形P0ADC
  • 四角形P0BEC

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この過去問の解説 (2件)

01

生産者余剰について簡単に解説します。

生産者余剰とは、生産者が取引をして得られる利益のことです。

収入から可変費用(限界費用)を差し引いて求めることができます。

 

各選択肢をそれぞれ解説します。

選択肢1. 四角形ABED

四角形ABEDが表しているのは、固定費用であるため本選択肢は不正解です。

選択肢2. 四角形AOQ0D

四角形AOQ0Dが表しているのは、費用の総合計になるため本選択肢は不正解です。

選択肢3. 四角形BOQ0E

四角形BOQ0Eが表しているのは、可変費用のため本選択肢は不正解です。

選択肢4. 四角形P0ADC

四角形P0ADCで求められるのは、収入から費用合計を差し引いた利益になるため、本選択肢は不正解です。

選択肢5. 四角形P0BEC

本選択肢が正解です。

まとめ

難問と言える問題です。

落ち着いて図を読み解きながら対処するようにしましょう。

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02

生産者余剰に関する問題です。短期の完全競争市場下という条件下での、企業の生産者余剰が求められています。

 

生産者余剰は、利潤と固定費用の和に等しくなります。(生産物から得る利益と、生産物を生産するために最低限必要になる費用の合計)

 

完全競争市場の下では、企業は価格(P)=限界費用(MC)となる点まで生産しようとします。すなわち、与えられているグラフでは横軸の生産量Q0まで生産します。

 

平均費用曲線ACが交わる点の下部分までが総費用であり、総費用は固定費と変動費(可変費用)に分解できます。

平均費用曲線ACが交わる点の上から限界費用MCの範囲が、利潤となります。

 

それを図示したものを、以下に示します。

選択肢1. 四角形ABED

冒頭の解説の図より、点Dで平均費用曲線AC、点Eで平均可変費用曲線AVCがそれぞれ交わっており、AC-AVCとなる四角形ABEDは総固定費用となるため不適切な選択肢です。

 

※平均費用曲線AC:固定費を含む総費用

※平均可変費用曲線AVC:(可変費用なので)固定費以外の費用

以上から、AC-AVCの差分が固定費となります。

選択肢2. 四角形AOQ0D

冒頭の解説の図より、四角形AOQ0Dは総費用になるため不適切な選択肢です。

選択肢3. 四角形BOQ0E

冒頭の解説の図より、点Eで平均可変費用曲線AVCが交わっていることから、四角形BOQ0Eは可変費用となるため不適切な選択肢です。

 

選択肢4. 四角形P0ADC

冒頭の解説の図より、四角形P0ADCは利潤となるため不適切な選択肢です。

選択肢5. 四角形P0BEC

冒頭の解説より、四角形P0BECは生産者余剰となるため正解の選択肢となります。

まとめ

【補足】

 

この手のグラフで求められることが多いのは利潤ですが、本問では生産者余剰が求められている点に注意してください。(無意識のうちに利潤の範囲を探してしまい、誤りの選択肢を選んでしまうおそれがあります)

 

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