中小企業診断士 過去問
令和6年度(2024年)
問13 (経済学・経済政策 問12)
問題文
自然失業率仮説に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
a 現実のインフレ率が期待インフレ率を上回るとき、失業率は自然失業率よりも高くなる。
b 自然失業率仮説によると、長期的に失業率は、自発的失業を含めて、ゼロになる。
c 長期的には、政府支出の増加はインフレを抑制し、失業率を低下させる。
d 失業率が自然失業率に等しいとき、現実のインフレ率は期待インフレ率と等しくなる。
a 現実のインフレ率が期待インフレ率を上回るとき、失業率は自然失業率よりも高くなる。
b 自然失業率仮説によると、長期的に失業率は、自発的失業を含めて、ゼロになる。
c 長期的には、政府支出の増加はインフレを抑制し、失業率を低下させる。
d 失業率が自然失業率に等しいとき、現実のインフレ率は期待インフレ率と等しくなる。
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問題
中小企業診断士試験 令和6年度(2024年) 問13(経済学・経済政策 問12) (訂正依頼・報告はこちら)
自然失業率仮説に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
a 現実のインフレ率が期待インフレ率を上回るとき、失業率は自然失業率よりも高くなる。
b 自然失業率仮説によると、長期的に失業率は、自発的失業を含めて、ゼロになる。
c 長期的には、政府支出の増加はインフレを抑制し、失業率を低下させる。
d 失業率が自然失業率に等しいとき、現実のインフレ率は期待インフレ率と等しくなる。
a 現実のインフレ率が期待インフレ率を上回るとき、失業率は自然失業率よりも高くなる。
b 自然失業率仮説によると、長期的に失業率は、自発的失業を含めて、ゼロになる。
c 長期的には、政府支出の増加はインフレを抑制し、失業率を低下させる。
d 失業率が自然失業率に等しいとき、現実のインフレ率は期待インフレ率と等しくなる。
- a:正 b:正 c:誤 d:正
- a:正 b:誤 c:誤 d:正
- a:誤 b:正 c:正 d:誤
- a:誤 b:正 c:誤 d:正
- a:誤 b:誤 c:誤 d:正
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この過去問の解説 (2件)
01
自然失業率とは、経済が長期的に均衡している状態での失業率のことを指しています。
これには摩擦的失業や自発的失業を含みますが、景気後退しているときの失業などは含みません。
各選択肢をそれぞれ解説します。
a.
現実のインフレ率が期待インフレ率を上回るときは、短期的に予期しないインフレが発生していると考えられます。
つまり労働者や企業の期待が実際より低い状態です。
このような局面での失業率は自然失業率よりも低くなる傾向にあるため、本選択肢は誤っています。
b.
自然失業率仮説では、長期的に失業率は自然失業率に収束します。
しかし、自然失業率には自発的失業や摩擦的失業が含まれるためゼロにはなりません。
そのため本選択肢は誤っています。
c.
長期的には、政府支出の増加はインフレ率を上昇させる可能性が高く、失業率には影響を与えずに自然失業率へ収束すると考えられています。
そのため本選択肢は誤っています。
d.
選択肢のように考えられているため、本選択肢は正しいです。
正しい選択肢の組み合わせは、 a:誤 b:誤 c:誤 d:正 です。
本選択肢は不正解です。
本選択肢は不正解です。
本選択肢は不正解です。
本選択肢は不正解です。
本選択肢が正解です。
補足として以下の解説をします。
摩擦的失業
労働者が新しい仕事を探している間に一時的に失業している状態です。
例えば、転職活動中の状態。
自発的失業
労働者が賃金や労働環境に納得ができないため就職しないことや、働く意思がそもそもない状態のことです。
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02
自然失業率仮説に関する問題です。
自然失業率仮説は、物価上昇率と失業率との関係を短期的、長期的に分けて論じているものです。
【短期的】
・労働者は賃金の上昇には敏感に反応するが、物価の上昇には後から気付く(という前提に立つ)
・物価が上昇すると名目賃金が上昇するため、労働者は労働供給量を増加させる
・労働供給量が増加すると、失業率が低下する
【長期的】
・労働者が、賃金の上昇だけではなく物価の上昇にも気付く
・労働者が物価の上昇に気付くと、労働供給量を減少させる
・労働供給量が減少すると、失業率が元に戻る(構造的・摩擦的・自発的な失業が発生して、自然失業率に収束する。失業率はゼロにはならない)
自然失業率とは、個人的な事情など景気の動向やインフレなどに関係なく、一定数必ず存在する失業者の割合のことです。
(※構造的・摩擦的・自発的な失業、自然失業率については、解答群bの解説および「解説のまとめ」をご参照ください)
以下、誤りの解答群のみ解説します。
a.現実のインフレ率が期待インフレ率を上回るとき、失業率は自然失業率よりも高くなる。
→現実のインフレ率が期待インフレ率を上回るとき、失業率は自然失業率よりも低くなります。
ロジックは以下のとおりです。
インフレが予想(期待)される→労働者が賃上げ要求→企業が賃上げする→インフレが現実となる→労働者が労働供給量を増加させる→失業率が自然失業率よりも低くなる(自然失業者の中にも、就業しようとする者が現れる)
b.自然失業率仮説によると、長期的に失業率は、自発的失業を含めて、ゼロになる。
→自然失業率は、構造的・摩擦的・自発的失業を含むものであり、ゼロにはならないとされます。(長期的には、自然失業率に収束します)
c.長期的には、政府支出の増加はインフレを抑制し、失業率を低下させる。
→政府支出の増加は総需要を刺激し、(短期的には失業率を低下させることがありますが)長期的にはインフレを促進し、失業率には直接的な抑制効果はありません。
冒頭の解説より、「a:誤、b:誤、c:誤、d:正」の組み合わせであるため不適切な選択肢です。
冒頭の解説より、「a:誤、b:誤、c:誤、d:正」の組み合わせであるため不適切な選択肢です。
冒頭の解説より、「a:誤、b:誤、c:誤、d:正」の組み合わせであるため不適切な選択肢です。
冒頭の解説より、「a:誤、b:誤、c:誤、d:正」の組み合わせであるため不適切な選択肢です。
冒頭の解説より、「a:誤、b:誤、c:誤、d:正」の組み合わせであるため正解の選択肢となります。
【補足】
構造的・摩擦的・自発的失業について。
構造的失業:求人内容と求職者の希望が合致しないミスマッチなどにより生じる失業のことで、景気変動に左右されず発生します。
摩擦的失業:求職者が新しい仕事を探している間などの、一時的な失業状態をいいます。
自発的失業:待遇や仕事内容などに満足できないなど、求職者が就業を拒否しているために生じている失業をいいます。
上記のような失業が一定の割合で存在するため失業率がゼロになることはなく、失業率=自然失業率に収束します。
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