中小企業診断士 過去問
令和6年度(2024年)
問5 (経済学・経済政策 問5)

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問題

中小企業診断士試験 令和6年度(2024年) 問5(経済学・経済政策 問5) (訂正依頼・報告はこちら)

下図は、ケインズ型消費関数を直線ABによって描いている。この図に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

a  可処分所得が大きいほど限界消費性向が小さくなるので、高所得者ほど所得に占める消費額の割合が小さくなる。
b  可処分所得が増加するとき、限界消費性向は一定であるが、平均消費性向は小さくなる。
c  この消費関数の傾きは、1よりも大きい。
問題文の画像
  • a:正  b:正  c:誤
  • a:正  b:誤  c:誤
  • a:誤  b:正  c:正
  • a:誤  b:正  c:誤
  • a:誤  b:誤  c:正

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この過去問の解説 (2件)

01

限界消費性向は直線ABの傾きに該当します。

各選択肢をそれぞれ解説します。

 

a

可処分所得が大きいほど限界消費性向が小さくなる点は正しいのですが、高所得者ほど所得に占める消費額の割合が小さくなる訳ではありません

そのため本選択肢は誤っています。

 

b

選択肢のような変化をするため本選択肢は正しいです。

 

c

消費関数の傾きは限界消費性向のことです。

限界消費性向はゼロより大きくて1より小さいため、本選択肢は誤っています。

 

正しい選択肢の組み合わせは、 a:誤 b:正 c:誤 です。

選択肢1. a:正  b:正  c:誤

本選択肢は不正解です。

選択肢2. a:正  b:誤  c:誤

本選択肢は不正解です。

選択肢3. a:誤  b:正  c:正

本選択肢は不正解です。

選択肢4. a:誤  b:正  c:誤

本選択肢が正解です。

選択肢5. a:誤  b:誤  c:正

本選択肢は不正解です。

まとめ

限界消費性向とは所得が増加した際に消費に回る部分を指しています。

所得が増加した際に貯蓄に回る部分は、限界貯蓄性向と呼びます。

両者の和は1になるとされています。

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02

ケインズ型消費関数に関する問題です。与件文に与えられた図に追記した内容を、以下に図示します。

 

ケインズ型消費関数は「C=c(Y-T)+C0」で表すことができます。記号の内訳は、C(今期の消費)、c(限界消費性向)、Y(今期の所得)、T(税金)、C0(独立消費)です。

 

c(限界消費性向)は0~1の間で推移し、1に近付くほど限界消費性向が大きくなります。(0に近付くほど限界貯蓄性向が大きくなります)

・所得から税金を引いたものが、可処分所得(Y-T)となります。

・C0(独立消費)は、所得がゼロであっても生きていくために最低限必要な消費を指します。そのため、消費性向と関係なく(独立して)存在する消費となります。

 

以下、誤りの解答群のみ解説します。

 

a.可処分所得が大きいほど限界消費性向が小さくなるので、高所得者ほど所得に占める消費額の割合が小さくなる。

→ケインズ型消費関数(直線AB)の傾きをみると、限界消費性向は一定であると考えられます。(可処分所得が大きいほど限界消費性向が小さくなるのであれば、直線ABの傾き=角度はもっと緩やかになります) 

 

※ここから、解答群bの「可処分所得が増加するとき、限界消費性向は一定である」は正解となります。


c.この消費関数の傾きは、1よりも大きい。

→上記の解説の太い青文字で強調している部分にあるように、限界消費性向は0~1の間で推移するため、消費関数の傾きは1よりも小さいです。

選択肢1. a:正  b:正  c:誤

冒頭の解説より、「a:、b:正、c:誤」の組み合わせであるため不適切な選択肢です。

選択肢2. a:正  b:誤  c:誤

冒頭の解説より、「a:、b:、c:誤」の組み合わせであるため不適切な選択肢です。

選択肢3. a:誤  b:正  c:正

冒頭の解説より、「a:誤、b:正、c:」の組み合わせであるため不適切な選択肢です。

選択肢4. a:誤  b:正  c:誤

冒頭の解説より、「a:誤、b:正、c:誤」の組み合わせであるため正解の選択肢となります。

選択肢5. a:誤  b:誤  c:正

冒頭の解説より、「a:誤、b:、c:」の組み合わせであるため不適切な選択肢です。

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