中小企業診断士 過去問
令和5年度(2023年)
問127 (運営管理 問36)

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問題

中小企業診断士試験 令和5年度(2023年) 問127(運営管理 問36) (訂正依頼・報告はこちら)

輸送手段と輸送ネットワークの特徴に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • 鉄道貨物駅における着発線荷役(E&S:Effective&Speedy)方式は、貨車を架線のある着発線から架線のない荷役線に移動させてからコンテナを積み卸す荷役方式である。
  • トラック輸送の契約に関する「標準貨物自動車運送約款」では、運賃を積込みや取卸しを含む運送の対価であると規定している。
  • 日本全体の二酸化炭素排出量は鉄道輸送よりもトラック輸送の方が多いが、輸送トンキロ当たりの二酸化炭素排出量は鉄道輸送よりもトラック輸送の方が少ない。
  • ハブ・アンド・スポーク型の輸送ネットワークの特徴は、最終目的地まで直行輸送することである。
  • 複合一貫輸送の例として、トラックとRORO船を利用して陸路と海路を組み合わせる輸送形態がある。

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この過去問の解説 (2件)

01

輸送手段と輸送ネットワークについての知識を問う問題です。

各選択肢をそれぞれ解説します。

選択肢1. 鉄道貨物駅における着発線荷役(E&S:Effective&Speedy)方式は、貨車を架線のある着発線から架線のない荷役線に移動させてからコンテナを積み卸す荷役方式である。

着発線荷役(E&S:Effective&Speedy)方式は、列車の着発線上に荷役ホームがあり、貨車が駅に到着してすぐにコンテナの積み卸し作業を行うものです。

そのため本選択肢は不正解です。

選択肢2. トラック輸送の契約に関する「標準貨物自動車運送約款」では、運賃を積込みや取卸しを含む運送の対価であると規定している。

「標準貨物自動車運送約款」では、積込や取卸しを含まずに運送の対価として運賃を定めると規定されています

そのため本選択肢は不正解です。

選択肢3. 日本全体の二酸化炭素排出量は鉄道輸送よりもトラック輸送の方が多いが、輸送トンキロ当たりの二酸化炭素排出量は鉄道輸送よりもトラック輸送の方が少ない。

輸送トンキロ当たりの二酸化炭素排出量もトラック輸送の方が多いです。

そのため本選択肢は不正解です。

選択肢4. ハブ・アンド・スポーク型の輸送ネットワークの特徴は、最終目的地まで直行輸送することである。

ハブ・アンド・スポーク型の輸送ネットワークとは、ハブとなる拠点間で大量輸送した後に、各地域の拠点に分散させる方式です。

そのため本選択肢は不正解です。

選択肢5. 複合一貫輸送の例として、トラックとRORO船を利用して陸路と海路を組み合わせる輸送形態がある。

複合一貫輸送の説明として適切な内容です。

そのため本選択肢が正解です。

まとめ

輸送に関する論点は出題されることが多いため、学習して対策しておきましょう。

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02

輸送手段と輸送ネットワークの特徴に関する問題です。近年、出題が増えている論点です。

選択肢1. 鉄道貨物駅における着発線荷役(E&S:Effective&Speedy)方式は、貨車を架線のある着発線から架線のない荷役線に移動させてからコンテナを積み卸す荷役方式である。

鉄道貨物駅における着発線荷役(E&S:Effective&Speedy)方式は、コンテナを本線上の列車から積卸しすることをいいます。
着発線上に荷役ホームがあり、列車が駅に到着した直後に荷役作業を開始し、そのまま発車できます)

 

貨車を架線のある着発線から架線のない荷役線に移動させてからコンテナを積み卸す荷役方式は、従来タイプの方式であるため不適切な選択肢です。

 

着発線荷役方式と従来タイプの方式の比較については、下記サイトを参照ください。

(出所:日本貨物鉄道株式会社「E&S(着発線荷役)方式の拡充」)

https://www.jrfreight.co.jp/service/improvement/es.html

選択肢2. トラック輸送の契約に関する「標準貨物自動車運送約款」では、運賃を積込みや取卸しを含む運送の対価であると規定している。

トラック輸送の契約に関する「標準貨物自動車運送約款」では、積込みや取卸しといった運送以外の役務等の対価は「料金」として規定しています。 

 

つまり、「運賃」には積込みや取卸しを含む役務は含まないため不適切な選択肢です。

 

※運送の対価としての「運賃」と運送以外の役務等の対価としての「料金」を別建てにしているのは、荷主が適正な利益を受け取れるように保護されているためです。

選択肢3. 日本全体の二酸化炭素排出量は鉄道輸送よりもトラック輸送の方が多いが、輸送トンキロ当たりの二酸化炭素排出量は鉄道輸送よりもトラック輸送の方が少ない。

日本全体の二酸化炭素排出量は鉄道輸送よりもトラック輸送の方が多いが、輸送トンキロ当たりの二酸化炭素排出量は鉄道輸送よりもトラック輸送の方が多いため不適切な選択肢です。

 

そのため、トラックよりも二酸化炭素排出量が少ない鉄道や船舶による輸送手段への切り替え(モーダルシフト)が推奨されています。

選択肢4. ハブ・アンド・スポーク型の輸送ネットワークの特徴は、最終目的地まで直行輸送することである。

ハブ・アンド・スポーク型の輸送ネットワークの特徴は、ハブとよばれる中心拠点とスポークとよばれる各拠点を結ぶネットワーク構造になっていることです。

 

そのため、最終目的地まで直行輸送することではなく不適切な選択肢です。

選択肢5. 複合一貫輸送の例として、トラックとRORO船を利用して陸路と海路を組み合わせる輸送形態がある。

トラックとRORO船を利用して陸路と海路を組み合わせる輸送形態は、複合一貫輸送の例であるため正解の選択肢となります。

まとめ

【補足】

 

物流2024問題がクローズアップされていることからロジスティクス関連は毎年のように出題されており、今後も頻度高く出題され続けるものと予想されます。

 

特に、物流2024問題で取り上げられることが多いトラック輸送の論点は押さえておく必要があるでしょう。

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