中小企業診断士 過去問
令和5年度(2023年)
問113 (運営管理 問22)

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問題

中小企業診断士試験 令和5年度(2023年) 問113(運営管理 問22) (訂正依頼・報告はこちら)

生産職場の管理指標に関して、「その値が大きいほど、職場が良好な状態にあることを示す指標」の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

a  強度率(労働災害に関する)
b  工程能力指数
c  MTTR
d  偶発故障期間
e  歩留り
  • aとbとe
  • aとc
  • aとcとd
  • bとcとe
  • bとdとe

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この過去問の解説 (2件)

01

管理指標についての知識を問う問題です。

各選択肢をそれぞれ解説します。

 

a.強度率(労働災害に関する)

強度率とは、1,000延べ実労働時間あたりの延べ労働損失日数で、災害の重さの程度を表します

この値が大きいとは、災害の重さが大きいことになるため、本選択肢は誤っています。

 

b. 工程能力指数

工程能力指数とは、ある工程が特定の企画に対して良好な状態であるかどうかを評価するもので、数値が大きいほど良好です。

そのため本選択肢は正しいです。

 

c.MTTR

MTTRは、平均修復時間のことで、設備などが故障してから復旧するまでの平均時間のことです。

要する時間は短い方が良好であるため、本選択肢は誤っています。

 

d.偶発故障期間

偶発故障期間は、設備の故障率を縦軸に、時間を横軸にとる図のことで、バスタブに似た形状の曲線になるのでバスタブ曲線とも呼ばれます。

初期故障期間が終了して摩耗故障期間が始まるまでの期間、設備が安定して稼働している期間を指しているため、数値が大きいほど良好ということになります。

そのため本選択肢は正しいです。

 

e.歩留り

歩留りとは、製品の産出量と原材料の投入量の比のことです。

数値が大きいほど効率的な生産ができていることになるので、本選択肢は正しいです。

 

正しい選択肢の組み合わせは、 bとdとe です。

選択肢1. aとbとe

本選択肢は不正解です。

選択肢2. aとc

本選択肢は不正解です。

選択肢3. aとcとd

本選択肢は不正解です。

選択肢4. bとcとe

本選択肢は不正解です。

選択肢5. bとdとe

本選択肢が正解です。

まとめ

細かい論点まで問われているため正誤判断が難しい選択肢がある問題ですが、確実に判断できる選択肢から判断して正解を絞り込むことで対応できる内容でした。

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02

本問で問われている5つの指標を、以下に解説します。

 

a.強度率(労働災害に関する)

(延べ労働損失日数/延べ実労働時間数)×1,000により求まります。強度率の値が小さいほど、職場が良好な状態にあることを示します。


b.工程能力指数

定められた規格の限度内で製品を生産できる能力のことであり、工程能力指数は以下の計算式により求まります。

工程能力指数(Cp)=(規格の上限値-規格の下限値)/(6×標準偏差)

 

工程能力指数の値が大きいほど、職場が良好な状態にあることを示します。


c.MTTR

平均修理時間(Mean Time To Repair)のことであり、故障から復旧までにかかった時間の平均を指します。

「故障から復旧までにかかった時間の平均」ですので、値が小さい(短い)ほど、職場が良好な状態にあることを示します。


d.偶発故障期間

いわゆる「バスタブ曲線」のことで、機械設備を導入した最初の頃と設備の寿命が近付いてくると故障が多くなります。

その中間にある偶発故障期間は機械設備が安定して稼働しやすいとされているため、値が大きいほど職場が良好な状態にあることを示します。(機械設備が安定して稼働していると故障している期間が少なくなり、設備の信頼性が高まるためです)


e.歩留り

投入した原料や素材に対して実際に得られた生産数量の割合をいいます。投入した原料や素材を100とすると、実際に得られた生産数量が80であれば歩留り率80%となりますので、値が大きいほど職場が良好な状態にあることを示します。

 

以上より、「その値が大きいほど、職場が良好な状態にあることを示す指標」の組み合わせはbとdとeになります。

選択肢1. aとbとe

冒頭の解説より、生産職場の管理指標が大きいほど職場が良好な状態にあることを示す指標はbとdとeであるため、不適切な選択肢です。

選択肢2. aとc

冒頭の解説より、生産職場の管理指標が大きいほど職場が良好な状態にあることを示す指標はbdeであるため、不適切な選択肢です。

選択肢3. aとcとd

冒頭の解説より、生産職場の管理指標が大きいほど職場が良好な状態にあることを示す指標はbとdとeであるため、不適切な選択肢です。

選択肢4. bとcとe

冒頭の解説より、生産職場の管理指標が大きいほど職場が良好な状態にあることを示す指標はbとdとeであるため、不適切な選択肢です。

選択肢5. bとdとe

冒頭の解説より、生産職場の管理指標が大きいほど職場が良好な状態にあることを示す指標はbとdとeであるため、正解の選択肢となります。

まとめ

【補足】

 

筆者が本試験でこの問題を解く場合、5つの解答群から確実に正誤判断できるものに狙いを定めます。個人的には、強度率を選びます。

 

本問では、強度率だけで選択肢を2択に絞り込めます。残った2つの選択肢から、個人的にすぐ正誤判断できるMTTRを選びます。

 

この場合、指標が「小さい」解答群2つで正答に辿り着けるので、消去法でも2~3つを正誤判断できれば正答することは可能です。

(もちろん、5つ全てをきちんと正誤判断できることが理想ですが、7科目に及ぶ膨大な論点を完璧に理解しようとすることは不可能です)

 

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