第一種電気工事士 過去問
令和6年度(2024年)下期
問7 (一般問題 問7)

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問題

第一種電気工事士試験 令和6年度(2024年)下期 問7(一般問題 問7) (訂正依頼・報告はこちら)

ある変圧器の負荷は、有効電力90kW、無効電力120kvar、力率は60%(遅れ)である。
いま、ここに有効電力70kW、力率100%の負荷を増設した場合、この変圧器にかかる負荷の容量[kV・A]は。
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この過去問の解説 (2件)

01

この問題では、負荷1(90 kW, 力率60%遅れ)と負荷2(70 kW, 力率100%)を合わせた合成容量(kVA)を計算します。有効電力と無効電力をベクトル的に合成する必要があります。


計算過程

負荷1の容量計算
有効電力 P1 = 90 kW、無効電力 Q1 は次の式で計算します:
Q1 = P1 × tan(θ)
tan(θ) = √((1 - 力率²) / 力率²)
Q1 = 90 × √((1 - 0.6²) / 0.6²) = 90 × √(0.64 / 0.36) = 90 × 4 / 3 = 120 kvar

負荷1の合成容量 S1 は次の式で求めます:
S1 = √(P1² + Q1²)
S1 = √(90² + 120²) = √(8100 + 14400) = √22500 = 150 kVA

負荷2の容量計算
有効電力 P2 = 70 kW、無効電力 Q2 = 0 kvar(力率100%の場合)。
負荷2の合成容量 S2 は:
S2 = P2 = 70 kVA

総合成容量の計算
有効電力の合計 Ptotal = P1 + P2 = 90 + 70 = 160 kW
無効電力の合計 Qtotal = Q1 + Q2 = 120 + 0 = 120 kvar

合成容量 S_total は次の式で計算します:
S_total = √(Ptotal² + Qtotal²)
S_total = √(160² + 120²) = √(25600 + 14400) = √40000 = 200 kVA

選択肢1. 100

計算結果と一致しません。この選択肢不正解です。

選択肢2. 150

計算結果と一致しません。この選択肢不正解です。

選択肢3. 200

計算結果と一致します。この選択肢は正解です。

選択肢4. 280

計算結果と一致しません。この選択肢不正解です。

まとめ

負荷の合成容量を求める際は、有効電力と無効電力をベクトル的に合成することが重要です。力率の違いに応じた計算を正確に行うことで、正しい答えを導き出せます。

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02

まず、この問題で重要視されるのは、2つの負荷を合わせた合成容量KVAを求めることです。

その為には、この負荷容量(皮相電力)に対する有効電力と無効電力のベクトル合成を考えることで求めることができます。
そこで、変圧器の負荷容量(皮相電力)を求めます。負荷容量(皮相電力)Sは以下の式:
S=√有効電力+無効電力

から求められます。

ここに問題文中の数字を代入します。:S=√有効電力+無効電力=√90+120=150kVAとなります。

 

さらに増設負荷を求めます。:この時力率は100%なので、cos∅=1となります。よってS=70kVAとなります。

 

ここから、全体の有効電力:90+70=160kWが求められます。

 

そして、ここから全体の無効電力:120kvar を使って全体の皮相電力:S=√有効電力+無効電力=√160+120

=200kVA

という算出結果が求められます。

 

 

選択肢1. 100

計算値が異なっています。従って不正解です。

選択肢2. 150

計算値が異なっています。従って不正解です。

選択肢3. 200

計算値が合っているので正解です。

選択肢4. 280

計算値が異なっています。従って不正解です。

まとめ

この問題を解く際の注意事項として以下の内容に留意します。

1. 皮相電力の計算方法を正しく理解します。

 

三相交流回路では、各負荷の有効電力・無効電力を合成して総皮相電力を求めることが大切となります。。

2. 力率の影響を考慮することが大切です。

力率  が 100% の場合、無効電力  = 0 なので、皮相電力  は有効電力  に等しくなります。

力率が 60%(遅れ)の場合、三角関数の関係を使って無効電力を求める必要があます。

3. 各負荷の有効電力・無効電力を正しく把握することが大切となります。

 

4. 負荷の合成方法を正しく理解します。

有効電力の合成:単純な加算 となります。

無効電力の合成:単純な加算 となります。

皮相電力の合成:ベクトル合成の計算式を適用します。

 

5. 計算ミスを防ぐ

ルート計算のミスを防ぐため、平方和の値をチェックします。。

既存負荷の皮相電力計算(S = 150 kVA)を事前に検算します。

合成後の皮相電力を確認します。

6. 回答単位を統一する

有効電力(kW)、無効電力(kvar)、皮相電力(kVA)の単位を統一し、混同しないように注意します。

 

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