第一種電気工事士 過去問
令和6年度(2024年)下期
問1 (一般問題 問1)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

第一種電気工事士試験 令和6年度(2024年)下期 問1(一般問題 問1) (訂正依頼・報告はこちら)

図のように、巻数 n のコイルに周波数 f の交流電圧Vを加え、電流 I を流す場合に、電流 I に関する説明として、誤っているものは。
問題文の画像
  • 巻数 n を増加すると、電流 I は減少する。
  • コイルに鉄心を入れると、電流 I は減少する。
  • 周波数 f を高くすると、電流 I は増加する。
  • 電圧Vを上げると、電流 I は増加する。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (2件)

01

この問題は、図のようなコイルの特性についての説明で、電流Iに関する誤った記述を選ぶものです。コイルに流れる電流は、コイルの巻数、鉄心の有無、周波数、電圧などの条件によって変化します。この条件ごとの関係を正しく理解する必要があります。

選択肢1. 巻数 n を増加すると、電流 I は減少する。

コイルの巻数を増やすと、インダクタンス(L = (n² × μ × S) / l)が増加し、リアクタンスXL = 2πfLも増加します。その結果、電流I = V / XLが減少します。この記述は正しいです。
この選択肢は不正解です。

選択肢2. コイルに鉄心を入れると、電流 I は減少する。

コイルに鉄心を入れると、コイルのインダクタンスが増加し、リアクタンスXLも増加します。その結果、電流Iは減少します。この記述は正しいです。
この選択肢は不正解です。

選択肢3. 周波数 f を高くすると、電流 I は増加する。

周波数を高くすると、リアクタンスXL = 2πfLが増加します。その結果、電流I = V / XLは減少します。この記述は誤りです。
この選択肢は正解です。

選択肢4. 電圧Vを上げると、電流 I は増加する。

電圧が上昇すれば、オームの法則により、電流I = V / XLが増加します。この記述は正しいです。
この選択肢は不正解です。

まとめ

コイルの特性として、インダクタンスやリアクタンスが電流にどのように影響するかを理解することが重要です。特に周波数を高くするとリアクタンスが増加し、電流が減少する点は、基本的な知識として押さえておきましょう。この問題では、「周波数を高くすると、電流Iは増加する」という記述が誤りであり、これが正解となります。

参考になった数69

02

この問題は、周波数Fの印加電圧Vがされているコイルの巻き数の増加によって電流値Iがどのように変化するかということに注目することです。

選択肢1. 巻数 n を増加すると、電流 I は減少する。

コイルの巻き数 n を増やすと、インダクタンス Lが増大し、それに伴いインピーダンス Z も大きくなるため、電流 I は減少します。
従って、これは正解です。

選択肢2. コイルに鉄心を入れると、電流 I は減少する。

コイルは電流が流れることで磁場を発生させる装置ですが、コイルの内部に鉄心を挿入すると、その磁場が大きくなり、コイルのインダクタンス(L) が増加します。鉄心は磁性体であり、磁場を効率的に集中させる性質を持つため、コイルの磁気的な特性を強化します。よってコイルに鉄心を挿入すると、透磁率 μの増加によりインダクタンス L が増加します。それに伴いインピーダンス Z が大きくなるため、印加電圧 V が一定であれば電流 Iは減少します。
従って、これは正解です。

選択肢3. 周波数 f を高くすると、電流 I は増加する。

一見すると「周波数 fを高くすると電流 Iが増加する」は正しいと思うかもしれませんが、それは直流回路の感覚を交流回路にあてはめていることが考えられます。直流回路では抵抗が一定の場合、印加電圧を上げれば電流が増加するからです。しかし、交流回路ではコイルのインピーダンス(交流抵抗)が周波数fに比例して増加するので、逆に電流は減少します。従ってこれは誤りです。

なので、誤りの選択肢としては、この解答が正解となります。

選択肢4. 電圧Vを上げると、電流 I は増加する。

電流Iと電圧Vの基本的な関係はオームの法則で知られている通り

I=V/R
従って電圧が上がれば電流Iも増加するは正解です。


これは直流回路でも交流回路でも基本的に同じです。

*注 交流回路の抵抗インピーダンスZが一定の範囲であることが条件
 

まとめ

コイルの巻き数 N を増加させると、インダクタンス Lが増加し、それに伴いインピーダンス Zが大きくなるため、電流値 I は減少します。この関係性を理解することで、巻き数の変更が回路に及ぼす影響を予測できるようになります
従って、「周波数を高くすると、電流が増加する」が誤りとなり、これが正解となります。

参考になった数4