公認心理師 過去問
第2回(2019年)
問92 (午後 問94)
問題文
適性処遇交互作用の説明として、正しいものを1つ選べ。
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問題
公認心理師試験 第2回(2019年) 問92(午後 問94) (訂正依頼・報告はこちら)
適性処遇交互作用の説明として、正しいものを1つ選べ。
- 学習者の適性は遺伝と環境の相互作用によって形成される。
- 学習成果は教授法などの学習条件よりも学習者の適性によって規定される。
- 教授法などの学習条件と学習者の適性の組合せによって学習成果が異なる。
- 困難な学習課題であるほど、学習成果は教授法などの学習条件よりも学習者の適性によって規定される。
- 容易な学習課題であるほど、学習成果は教授法などの学習条件よりも学習者の適性によって規定される。
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この過去問の解説 (3件)
01
正答は3です。
適性処遇交互作用とは、学習者の適性(学力、興味関心、態度等)と処遇(指導のやり方)には交互作用があり、適性と処遇の組み合わせによって学力の効果が異なることを表します。
1 学習者の適性とは、学習者の学力や興味関心、態度などを指しています。したがって、「遺伝と環境の相互作用によって形成される」との記述は正しいとは言えません。
2 相互作用であり、学習者の適性と教授法の組み合わせによって学習成果は規定されます。したがって、誤りとなります。
3 記述のとおりです。
4 学習条件と学習者の適性の組み合わせによるものであり、どちらかへの重み付けはないため、誤りとなります。
また、学習課題の困難さについては説明されておらず、誤りです。
5 (4)同様に、学習条件と学習者の適正に重み付けはないこと、学習課題の困難さについて説明しているものではないことから、誤りとなります。
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02
適性処遇交互作用とは、学習者の適性と処遇が互いに影響を与え、学習成績を規定するということで、Cronbachによって提唱された概念です。つまり、学習者の適性(学力や性格などの内的要因)によって、処遇(教え方)の効果が異なる、という意味です。
1:これは“適性処遇交互作用”の説明ではありません。
2:適性と処遇のどちらも重要であり、一方がより重要ということはありません。
3:上記よりこれが正解と分かります。
4と5:選択肢2と同じ理由で不適切です。また、学習課題の難易度については、適性処遇交互作用の文脈では触れられていません。
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03
この問題で覚えておくべきポイントは以下の通りです。
学習理論や適性処遇交互作用の考え方について問われています。
では問題を見てみましょう。
学習者の適性において、遺伝の影響や環境の影響はありますが、適性処遇交互作用の考え方ではありませんので、間違いです。
ここで述べられる適性は、学習者の内的要因であり、知能・性格・興味・意欲などがあげられます。
交互作用、と語られるとおり、どちらがではなく両者の作用により規定されますので、間違いです。
正解です。
双方の状況を掛け合わせることで、学習成果が異なります。どちらかが良いだけでは、必ずしも高い学習効果が得られる、というものではなく、両者の状態により学習効果が変化します。統計的な考え方です。
学習課題に影響を及ぼされているのではなく、学習者の適性と学習条件の処遇それぞれの影響ですので間違いです。
学習課題によって影響を及ぼされるのではなく、学習者の適性と学習条件の処遇それぞれの影響ですので間違いです。
効果的な学習を促すための学習理論は様々なものが提唱されています。学習課題に重きを置くもの、今回のように適性と処遇それぞれに重きを置くものなど、基本的な考え方の背景にも理論があります。各学習理論と合わせて整理しておきましょう。
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