社会福祉士 過去問
第36回(令和5年度)
問95 (相談援助の基盤と専門職 問5)

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問題

社会福祉士試験 第36回(令和5年度) 問95(相談援助の基盤と専門職 問5) (訂正依頼・報告はこちら)

ソーシャルワークを発展させた人物に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • レヴィ(Levy, C.)は、倫理とは、人間関係とその交互作用に対して価値が適用されたものであるとした。
  • トール(Towle, C.)は、ジェネラリストの観点からソーシャルワークの統合化を図り、ジェネラリスト・ソーシャルワークを提唱した。
  • アプテカー(Aptekar, H.)は、相互連結理論アプローチを提唱し、それぞれの理論は相互に影響を及ぼし合い、結びついていると論じた。
  • ジョンソン(Johnson, L.)は、社会的目標を達成するために不可欠な要素として、4つの基本的ニーズを提示した。
  • ターナー(Turner, F.)は、機能主義の立場に立ちつつ、診断主義の理論を積極的に取り入れ、ケースワークとカウンセリングを区別した。

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この過去問の解説 (3件)

01

ソーシャルワークの発展に寄与した人物が提唱した主な事柄を整理しておきましょう。

 

選択肢1. レヴィ(Levy, C.)は、倫理とは、人間関係とその交互作用に対して価値が適用されたものであるとした。

レヴィは「倫理」について、人間関係およびその相互作用に適用されるものであるとしました。

選択肢2. トール(Towle, C.)は、ジェネラリストの観点からソーシャルワークの統合化を図り、ジェネラリスト・ソーシャルワークを提唱した。

トールは診断主義ケースワークの発展に寄与した人物です。

選択肢3. アプテカー(Aptekar, H.)は、相互連結理論アプローチを提唱し、それぞれの理論は相互に影響を及ぼし合い、結びついていると論じた。

相互連結理論アプローチを提唱したのはターナーで、その業績は「ソーシャルワーク・トリートメント」という書籍にまとめられています。

選択肢4. ジョンソン(Johnson, L.)は、社会的目標を達成するために不可欠な要素として、4つの基本的ニーズを提示した。

ジョンソンはジェネラリストの観点からソーシャルワークを統合し、ジェネラリスト・ソーシャルワークを体系化しました。

選択肢5. ターナー(Turner, F.)は、機能主義の立場に立ちつつ、診断主義の理論を積極的に取り入れ、ケースワークとカウンセリングを区別した。

機能主義の立場を取りつつ、診断主義理論を積極的に取り入れ、ケースワークとカウンセリングの区別を行ったのはアプテカーです。

参考になった数106

02

ソーシャルワークを発展させた人物と、その人物が提唱した理論を問う問題は、毎年出題されています。その時代に起きた出来事と関連して提唱されている理論などもあるため、時代背景や事件などを合わせて覚えておくと良いでしょう。

選択肢1. レヴィ(Levy, C.)は、倫理とは、人間関係とその交互作用に対して価値が適用されたものであるとした。

〇 選択肢の通りです。レヴィは選択肢の内容を「ソーシャルワーク倫理の指針」で提唱しました。

選択肢2. トール(Towle, C.)は、ジェネラリストの観点からソーシャルワークの統合化を図り、ジェネラリスト・ソーシャルワークを提唱した。

✕ ジェネラリスト・ソーシャルワークはそれぞれバラバラに発展していた「ケースワーク」「グループワーク」「コミュニティワーク」を統合化し、それらの共通基盤を見つけようとする考え方から始まりました。その結果、ジェネラリスト・ソーシャルワークが提唱されたのは1990年代になってからとなります。

選択肢に登場するトールは、1920年代に活躍した人物であり、診断主義アプローチを提唱した人物のため不適切です。

選択肢3. アプテカー(Aptekar, H.)は、相互連結理論アプローチを提唱し、それぞれの理論は相互に影響を及ぼし合い、結びついていると論じた。

✕ 相互連結理論アプローチを提唱したのは、アプテカーではなくターナーです。

選択肢4. ジョンソン(Johnson, L.)は、社会的目標を達成するために不可欠な要素として、4つの基本的ニーズを提示した。

✕ 4つの基本的ニーズを提示したのはブラッドショーです。

選択肢5. ターナー(Turner, F.)は、機能主義の立場に立ちつつ、診断主義の理論を積極的に取り入れ、ケースワークとカウンセリングを区別した。

✕ 診断主義の理論を取り入れ、ケースワークとカウンセリングを区別し表したのはアプテカーです。

参考になった数5

03

ソーシャルワークを発展させた人物に関する問題です。

選択肢1. レヴィ(Levy, C.)は、倫理とは、人間関係とその交互作用に対して価値が適用されたものであるとした。

レヴィ(Levy,C.)は、『ソーシャルワーク倫理の指針』において、人間関係と人間交互作用に価値が適用されたものが倫理であると規定し、人と人との関係やそのやり取りの中で、どのように行動するかを自分で考えて選ぶこと、また自分の行動がどのように影響を与えるかを考えることが、倫理的な行動につながると説明しています。

選択肢2. トール(Towle, C.)は、ジェネラリストの観点からソーシャルワークの統合化を図り、ジェネラリスト・ソーシャルワークを提唱した。

×

ジェネラリスト・ソーシャルワークは1990年代以降に確立されたソーシャルワーク理論の一つです。

 エコロジカル・ソーシャルワークの流れを受けて体系化が進み、ケースワーク、グループワーク、コミュニティワークの3つの統合化によって発展しました。

選択肢3. アプテカー(Aptekar, H.)は、相互連結理論アプローチを提唱し、それぞれの理論は相互に影響を及ぼし合い、結びついていると論じた。

×

相互連結理論アプローチはターナー(Turner, F.)によって提唱されました。


H.アプテカーは著書「ケースワークとカウンセリング」の中で、フロイト派とランク派の概念を要約しています。

選択肢4. ジョンソン(Johnson, L.)は、社会的目標を達成するために不可欠な要素として、4つの基本的ニーズを提示した。

×

ニード論として代表的なものの一つに、「ブラッドショーのニード論」があります。

「ソーシャルニードの分類」において、ニーズを4つのカテゴリーに分類し、それぞれのグループは、どのようにニーズを見つけたり、理解したりするかを示しています。
 

選択肢5. ターナー(Turner, F.)は、機能主義の立場に立ちつつ、診断主義の理論を積極的に取り入れ、ケースワークとカウンセリングを区別した。

×

機能主義アプローチはJ.タフトや、V.ロビンソン、R.E.スモーリーらによって展開されました。
 

診断主義アプローチはM.リッチモンドがケースワークを体系化したことを起源に、フロイトの精神分析理論に影響を受けたG.ハミルトン、C.トール、A.ギャレットらによって診断主義派として発展しました。

まとめ

ソーシャルワークを発展させた人物について整理しておきましょう。

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