社会福祉士 過去問
第36回(令和5年度)
問93 (相談援助の基盤と専門職 問3)

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問題

社会福祉士試験 第36回(令和5年度) 問93(相談援助の基盤と専門職 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

「ソーシャルワーク専門職のグローバル定義」(2014年)に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

(注)「ソーシャルワーク専門職のグローバル定義」とは、2014年7月の国際ソーシャルワーカー連盟(IFSW)と国際ソーシャルワーク学校連盟(IASSW)の総会・合同会議で採択されたものを指す。
  • 人間尊重、人間の社会性、変化の可能性の3つの価値を前提とした活動である。
  • 人、問題、場所、過程を構成要素とする。
  • 価値の体系、知識の体系、調整活動のレパートリーを本質的な要素とする。
  • ソーシャルワーク実践は、価値、目的、サンクション、知識及び方法の集合体である。
  • 社会変革と社会開発、社会的結束、および人々のエンパワメントと解放を促進する。

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この過去問の解説 (3件)

01

「ソーシャルワーク専門職のグローバル定義」(2014年)の主なものについて整理しておきましょう。

 

選択肢1. 人間尊重、人間の社会性、変化の可能性の3つの価値を前提とした活動である。

人間尊重、社会性、変化の可能性の三つの価値を前提にした活動について述べたのは、ブトゥリムが提唱した「ソーシャルワーク固有の価値前提」です。

選択肢2. 人、問題、場所、過程を構成要素とする。

人(Person)、問題(Problem)、場所(Place)、過程(Process)を構成要素として説明したのは、パールマンの「4つのP」です。

選択肢3. 価値の体系、知識の体系、調整活動のレパートリーを本質的な要素とする。

価値の体系、知識の体系、調整活動のレパートリーを本質的な要素とするのは、バートレットが提唱した「ソーシャルワーク実践の共通基盤」です。

選択肢4. ソーシャルワーク実践は、価値、目的、サンクション、知識及び方法の集合体である。

ソーシャルワーク実践が価値、目的、サンクション、知識、方法の集合体であることを説明したのは、全米ソーシャルワーカー協会(NASW)の「ソーシャルワーク実践の作業定義」です。

選択肢5. 社会変革と社会開発、社会的結束、および人々のエンパワメントと解放を促進する。

ソーシャルワーク専門職のグローバル定義では、「ソーシャルワークは、社会変革、社会開発、社会的結束、そして人々のエンパワメントと解放を促進する実践に基づいた専門職であり学問である」とされています。

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02

ソーシャルワーク専門職のグローバル定義は、頻出の問題です。内容についてよく理解しておくようにしましょう。

選択肢1. 人間尊重、人間の社会性、変化の可能性の3つの価値を前提とした活動である。

✕ 選択肢の内容は、「ソーシャルワークとは何か」において、ブトゥリムがソーシャルワークの価値前提として挙げた物であり、ソーシャルワーク専門職のグローバル定義に謳われている内容ではありません。

選択肢2. 人、問題、場所、過程を構成要素とする。

✕ 選択肢の内容は、パールマンが提唱したケースワークを構成する要素(4つのP)の内容であり、ソーシャルワーク専門職のグローバル定義に謳われている内容ではありません。

選択肢3. 価値の体系、知識の体系、調整活動のレパートリーを本質的な要素とする。

✕ 選択肢の内容は、バートレットがソーシャルワーク実践において共通する要素として挙げたものであり、ソーシャルワーク専門職のグローバル定義に謳われている内容ではありません。

選択肢4. ソーシャルワーク実践は、価値、目的、サンクション、知識及び方法の集合体である。

✕ 選択肢の内容は、全米ソーシャルワーカー協会が発表した「ソーシャルワーク実践の基礎的定義」に謳われた内容であり、ソーシャルワーク専門職のグローバル定義に謳われている内容ではありません。

選択肢5. 社会変革と社会開発、社会的結束、および人々のエンパワメントと解放を促進する。

〇 選択肢の内容は、ソーシャルワーク専門職のグローバル定義に謳われている内容です。

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03

ソーシャルワーク専門職のグローバル定義について整理しておきましょう。

選択肢1. 人間尊重、人間の社会性、変化の可能性の3つの価値を前提とした活動である。

×

ソーシャルワークはすべての人の内在的な価値と尊厳を尊重し(人間尊重)、不平等や差別をなくすために行動し、すべての人が平等に権利を持つことを目指し(社会的主義)、個人の権利は他者との関係の中で実現されるものであり、コミュニティ全体が支えあうことが重要(集団的責任)です。また文化や背景の違いを受け入れ、さまざまな価値観を尊重し(多様性の尊重)、人々が自分の力を発揮できるように支援し、抑圧から解放することを目指します(エンパワメント)。

選択肢2. 人、問題、場所、過程を構成要素とする。

×

社会正義、人権、集団的責任、および多様性尊重の諸原理は、ソーシャルワークの中核です。

選択肢3. 価値の体系、知識の体系、調整活動のレパートリーを本質的な要素とする。

×

ソーシャルワークの理論、社会科学、人文学および地域・民族固有の知を基盤として、ソーシャルワークは、生活課題に取り組みウェルビーイングを高めるよう、人々やさまざまな構造に働きかけます。

選択肢4. ソーシャルワーク実践は、価値、目的、サンクション、知識及び方法の集合体である。

×

ソーシャルワーカーは相談を受ける、支援計画を立てる、計画を元に支援を行い、社会の中で誰もが安心して暮らせるようにするための重要な役割を担っています。社会全体の問題にも目を向け、よりよい社会を作るための活動も行っています。

選択肢5. 社会変革と社会開発、社会的結束、および人々のエンパワメントと解放を促進する。

ソーシャルワークは、社会変革と社会開発、社会的結束、および人々のエンパワメントと解放を促進する、実践に基づいた専門職であり学問です。

まとめ

「ソーシャルワーク専門職のグローバル定義」(2014年)について内容を整理しておきましょう。

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