精神保健福祉士 過去問
第26回(令和5年度)
問97 (精神保健の課題と支援 問4)
問題文
勤労者の過労自殺に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
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問題
精神保健福祉士試験 第26回(令和5年度) 問97(精神保健の課題と支援 問4) (訂正依頼・報告はこちら)
勤労者の過労自殺に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
- 過労死等防止対策推進法では、政府に対し、過労死等の防止のための対策に関する大綱を定めることとしている。
- 2018年(平成30年)の労働基準法の改正において、時間外労働の上限が月90時間・年720時間に規制された。
- 従業員支援プログラム(EAP)は、職場の管理監督者が行う過労自殺防止を含めた健康相談プログラムである。
- 自殺未遂者に対する産業保健スタッフの支援は、自殺対策のポストベンションに該当する。
- 労働安全衛生法では、業務による心理的負荷による精神障害を原因とする自殺を過労死等の一つとして規定している。
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この過去問の解説 (2件)
01
過労死等は、本人、家族のみならず社会にとっても大きな損失です。
平成26年11月に「過労死等防止対策推進法」が施行され、さまざまな対策が講じられています。
法律中、「過労死等」とは
・業務における過重な負荷による脳血管疾患・心臓疾患を原因とする死亡
・業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡
・死亡には至らないが、これらの脳血管疾患・心臓疾患、精神障害
を指すとされており、いわゆる過労自殺も含んだ概念です。
正しいです。
過労死等防止対策推進法7条に規定されています。
正しくありません。
2018年(平成30年)の労働基準法の改正で導入された時間外動労の上限は、
原則 月45時間、年360時間です。
(一部例外があります。)
正しくありません。
職場の管理監督者が行うケアは、いわゆるラインケアと呼ばれるものです。
従業員支援プログラム(EAP)は、いわゆる事業場内産業保健スタッフなどによるケアあるいは事業場外資源によるケアで、管理監督者が行うケアではありません。
正しくありません。
自殺対策のポストベンションとは、自殺が生じてしまった場合に、遺された人々に及ぼす心理的影響を可能な限り少なくするための対策を意味します。
正しくありません。
「業務による心理的負荷による精神障害を原因とする自殺を過労死等の一つとして規定している」のは労働安全衛生法ではなく、過労死等防止対策推進法です。
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02
過労自殺については頻出問題です。厚生労働省の調査結果をまとめた「過労死等防止対策白書」は毎年発表されており、あわせて目を通しておくと良いでしょう。
〇 過労死等防止対策推進法第7条に規定されています。
✕ 2018年の労働基準法の改正によって、時間外労働の上限は月45時間、年360時間に制限されました。臨時的な特別な事情がある場合で、労使が合意する場合はそれを超える事ができますが、労使の合意があったとしても時間外労働は年720時間以内と決められています。
✕ 従業員支援プログラム(EAP)は、企業で働く人のヘルスケアをサポートする制度のことを言います。タイムリーにサポートを行う事で、従業員の職場でのパフォーマンス(業績、生産性)の向上・維持に繋げる事を目的にしています。
✕ 自殺対策のポストベンションとは、自殺が発生した後、自殺した人の関係者に適切なケアを行う事で、心理的ダメージを最小限に食い止める事を言います。選択肢の内容は、自殺対策のインターベンションに該当します。
✕ 過労死等を定義している法律は、過労死等防止対策推進法です。
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