大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和6年度(2024年度)本試験
問57 (倫理(第4問) 問2)
問題文
G:語学を勉強しておきなさいとか、新聞を読む習慣をつけなさいとか、よく言われるよね。私の親はそういう説教をしたあと、「後悔しないように」って付け加えるんだ。思いやりで言っているのは分かっているけど、後悔することに対してやたら否定的な感じがして、少し引っ掛かるんだよね。
H:そう? a 後悔するのは苦しいことだから、避けられるものなら避けた方がいいと考えるのは自然じゃないかな。後悔しないで済むように賢く行動しなさいっていうb 家族や先生の注意がプレッシャーになるのも分かるけど。
G:後悔しないようにする慎重さが大切だってことには賛成なんだよね。実際、私は高校受験のとき、ネットでc 情報を集めて志望校を決めたけど、それも後悔を避けるためだった気もする。でもだからといって、後悔は未熟な人間がするもので、しない方がいいもの、と決めつけるのには違和感があるんだ。
H:違和感かあ。私はあまり感じないかな。後悔って自分の未熟さとか不完全さを感じて辛くなることじゃない? d 後悔の苦しみが人の成長を助けることはあっても、後悔自体をポジティブに捉えるのは難しいかなあ。
G:うーん。でも、自分が深く後悔していることについて、e 周りの人から「後悔しても仕方がないから、次のことを考えなよ」とか「あなたのせいじゃないんだから、もう気にしない方がいいよ」とかと言われてf 歯がゆい思いをすることもあるでしょ? 後悔を否定すると、後悔している人にとって大事な何かを無視することになってしまう気がするんだよね。
H:なるほど。でも、そういう助言をしたくなる気持ちは理解できるけどなあ。特に、その人の将来のためになる後悔じゃないなら、意味がない気もするし。
G:それも分かるけど、本当は後悔には大事なものが隠されていて、「自分ではどうしようもないことを後悔しても意味がない」という考え方をするとそれを取りこぼしてしまうんじゃないかとも思うんだ。
下線部bに関連して、現代日本における、家族機能の変化や世帯構造の変容についての説明として最も適当なものを、次のうちから一つ選べ。
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問題
大学入学共通テスト(公民)試験 令和6年度(2024年度)本試験 問57(倫理(第4問) 問2) (訂正依頼・報告はこちら)
G:語学を勉強しておきなさいとか、新聞を読む習慣をつけなさいとか、よく言われるよね。私の親はそういう説教をしたあと、「後悔しないように」って付け加えるんだ。思いやりで言っているのは分かっているけど、後悔することに対してやたら否定的な感じがして、少し引っ掛かるんだよね。
H:そう? a 後悔するのは苦しいことだから、避けられるものなら避けた方がいいと考えるのは自然じゃないかな。後悔しないで済むように賢く行動しなさいっていうb 家族や先生の注意がプレッシャーになるのも分かるけど。
G:後悔しないようにする慎重さが大切だってことには賛成なんだよね。実際、私は高校受験のとき、ネットでc 情報を集めて志望校を決めたけど、それも後悔を避けるためだった気もする。でもだからといって、後悔は未熟な人間がするもので、しない方がいいもの、と決めつけるのには違和感があるんだ。
H:違和感かあ。私はあまり感じないかな。後悔って自分の未熟さとか不完全さを感じて辛くなることじゃない? d 後悔の苦しみが人の成長を助けることはあっても、後悔自体をポジティブに捉えるのは難しいかなあ。
G:うーん。でも、自分が深く後悔していることについて、e 周りの人から「後悔しても仕方がないから、次のことを考えなよ」とか「あなたのせいじゃないんだから、もう気にしない方がいいよ」とかと言われてf 歯がゆい思いをすることもあるでしょ? 後悔を否定すると、後悔している人にとって大事な何かを無視することになってしまう気がするんだよね。
H:なるほど。でも、そういう助言をしたくなる気持ちは理解できるけどなあ。特に、その人の将来のためになる後悔じゃないなら、意味がない気もするし。
G:それも分かるけど、本当は後悔には大事なものが隠されていて、「自分ではどうしようもないことを後悔しても意味がない」という考え方をするとそれを取りこぼしてしまうんじゃないかとも思うんだ。
下線部bに関連して、現代日本における、家族機能の変化や世帯構造の変容についての説明として最も適当なものを、次のうちから一つ選べ。
- 高齢者のケアに従事する人材の不足が老老介護などの形で顕在化したのを受け、介護保険制度が開始されたが、この制度は高齢者の自立支援の考えが盛り込まれていないといった問題を抱えている。
- 子育てに掛かる経済的負担が少子化の原因の一つであるが、経済的支援だけではなく、ワーク・ライフ・バランスの改善により仕事と子育てを両立しやすい環境を整備するといった対策も必要である。
- 人口維持の数値上の目安として参照される合計特殊出生率が1960年代のある年に一時急激に低下し、その年以来、回復することがなかった。これを受けて政府は様々な少子化対策に乗り出すこととなった。
- 家族や地域社会の変容により、血縁や地縁に基づく結び付きが希薄になった。この状況を受けて、強制力がなく、加入脱退が自由で多重参加が可能な関係性の創出を説く、ノーマライゼーションの考え方も登場した。
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