大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和6年度(2024年度)本試験
問25 (現代社会(第4問) 問5)
問題文
オダ:A国の開発計画は、借り入れた米ドルでどのように進んだのかな?
叔父:先進国のb エネルギーの消費増加予測に注目して、天然ガス開発プロジェクトを進めた。ところが各国でも資源開発が進んでエネルギー価格が
低迷して輸出額は伸びず、結局債務不履行に陥った。A国だけでは解決できず、最終的にc 国際機関、具体的にはIMFの支援を必要としたんだよ。
オダ:開発途上国で資源開発に依存したd 経済発展は難しいんだね。
下線部dに関連して、オダさんは、地球温暖化を防止するための条約が経済発展に及ぼす影響に関心をもち、条約について調べた。次の条約の特徴中のア・イには後の記述P・Qのいずれかが、ウには記述R・Sのいずれかが入る。ア・ウに当てはまるものの組合せとして最も適当なものを、次のうちから一つ選べ。
条約の特徴
京都議定書は、先進国のみに排出削減義務を課していた。その理由として、先進国は、資金や技術などの面で地球温暖化問題の解決能力が高いことや、産業革命以来、温室効果ガスを大量に排出し、問題の発生に深く関わってきたことが挙げられる。また、( ア )ことも理由の一つである。
これに対し、パリ協定は、開発途上国も含めたすべての国に排出削減義務を課している。その理由として、現在では開発途上国の温室効果ガス排出量は世界全体の半分以上を占めていることや、( イ )ことが挙げられる。パリ協定は、開発途上国にも排出削減義務を課すことに加えて、( ウ )ことも義務づけている。
ア・イに入る記述
P 開発途上国に対して排出削減を求めると、経済発展の妨げとなる
Q 開発途上国と言われてきた国のなかには、既に経済発展を遂げた国もある
ウに入る記述
R 先進国が、開発途上国に対して、地球温暖化防止のための資金援助や技術提供を行う
S 先進国・開発途上国ともに温室効果ガスの排出枠を設定した上で、排出枠を上回った国は、排出枠を下回った国から、超過分を買い取る
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問題
大学入学共通テスト(公民)試験 令和6年度(2024年度)本試験 問25(現代社会(第4問) 問5) (訂正依頼・報告はこちら)
オダ:A国の開発計画は、借り入れた米ドルでどのように進んだのかな?
叔父:先進国のb エネルギーの消費増加予測に注目して、天然ガス開発プロジェクトを進めた。ところが各国でも資源開発が進んでエネルギー価格が
低迷して輸出額は伸びず、結局債務不履行に陥った。A国だけでは解決できず、最終的にc 国際機関、具体的にはIMFの支援を必要としたんだよ。
オダ:開発途上国で資源開発に依存したd 経済発展は難しいんだね。
下線部dに関連して、オダさんは、地球温暖化を防止するための条約が経済発展に及ぼす影響に関心をもち、条約について調べた。次の条約の特徴中のア・イには後の記述P・Qのいずれかが、ウには記述R・Sのいずれかが入る。ア・ウに当てはまるものの組合せとして最も適当なものを、次のうちから一つ選べ。
条約の特徴
京都議定書は、先進国のみに排出削減義務を課していた。その理由として、先進国は、資金や技術などの面で地球温暖化問題の解決能力が高いことや、産業革命以来、温室効果ガスを大量に排出し、問題の発生に深く関わってきたことが挙げられる。また、( ア )ことも理由の一つである。
これに対し、パリ協定は、開発途上国も含めたすべての国に排出削減義務を課している。その理由として、現在では開発途上国の温室効果ガス排出量は世界全体の半分以上を占めていることや、( イ )ことが挙げられる。パリ協定は、開発途上国にも排出削減義務を課すことに加えて、( ウ )ことも義務づけている。
ア・イに入る記述
P 開発途上国に対して排出削減を求めると、経済発展の妨げとなる
Q 開発途上国と言われてきた国のなかには、既に経済発展を遂げた国もある
ウに入る記述
R 先進国が、開発途上国に対して、地球温暖化防止のための資金援助や技術提供を行う
S 先進国・開発途上国ともに温室効果ガスの排出枠を設定した上で、排出枠を上回った国は、排出枠を下回った国から、超過分を買い取る
- ア ― P ウ ― R
- ア ― P ウ ― S
- ア ― Q ウ ― R
- ア ― Q ウ ― S
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この過去問の解説 (1件)
01
この問題では、地球温暖化対策に関する国際条約と、それが経済発展にどんな影響を与えるかを考える力が問われています。
特に、京都議定書とパリ協定の違いを理解して、開発途上国と先進国の立場の違いに注目することがポイントです。
では、問題を見てみましょう。
この選択肢は、アに「P(開発途上国に排出削減を求めると、経済発展の妨げになる)」、ウに「R(先進国が開発途上国に資金援助・技術提供を行う)」を当てはめています。
京都議定書では、開発途上国に負担をかけないために先進国だけに義務があり、パリ協定では途上国も含める代わりに先進国が支援する仕組みが加わっています。
この説明は正しく、これが正解です。
この選択肢は、アに「P」、ウに「S(排出枠取引制度)」を当てはめています。
排出枠取引も重要な仕組みですが、ここで問われているのは「支援」の話なので、内容がズレています。
したがって、この選択肢は不適当です。
この選択肢は、アに「Q(経済発展を遂げた途上国もある)」、ウに「R」を当てはめています。
一見もっともらしいですが、京都議定書時代の理由には「途上国に排出削減を求めると経済発展を妨げる(P)」が重視されていたので、アにQが入るのは不適切です。
この選択肢は、アに「Q」、ウに「S」を当てはめています。
上記と同じく、アの選び方が不適当で、またウの排出枠取引の話もこの文脈には合っていません。
したがって、この選択肢も不正解です。
この問題では、京都議定書とパリ協定の違いを整理することが重要でした。
特に、どちらがどの国にどんな義務を課したのか、なぜそうなったのかを理解しておくと、今後の国際問題に関する問題にも対応しやすくなります。
地球温暖化対策と経済発展のバランスを考える視点もとても大切ですね。
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