大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和5年度(2023年度)本試験
問40 (倫理(第2問) 問2)
問題文
次の会話は、日本思想についての倫理の授業後に、高校生Cと先生が交わしたものである。
C:先生、私、自分で課題を設定して探究する授業が苦手です。私は教室で先生方の話を聞くのが好きなのに、「問い」を立てるのはうまくいかなくて…。問いって、どこから手をつけたらいいか分かりません。
先生:必ずしも問いそのものを特別なものと考える必要はありませんよ。先生方に授業内容について質問したり、仲間に将来の夢を尋ねたりすることなら、気軽にできるでしょう。それも問いです。どれほど高尚に思える問いも、そうした素朴な問いが原点にあります。そういえばこの間の授業で、a仏教について取り上げたときに、禅問答の話をしましたね。
C:はい、私にはとても到達できない次元の問いだと感じました…。
先生:そうした身近なものに思えない仏教の問いも、実は素朴な問いに根ざしているのです。あなた自身も、例えば授業中に先生方の話を聞いていても、様々な疑問が、浮かんでは消えるでしょう。思考していれば、自然と浮かぶのが問いです。あなたももうできているはずですよ。
C:先生の授業で、b日本の神々でさえも問いを発するのだと習いましたね。c念仏と救いの関係を問うた仏教者の授業も印象的でした。こうした問いが、素朴な問いから始まっているというのは、大変興味深いです。そうだ、次の授業では課題を立てるんでしたね。「問い」をテーマにします!
下線部bに関して、日本の神々についての説明として最も適当なものを、次の回答選択肢のうちから一つ選べ。
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問題
大学入学共通テスト(公民)試験 令和5年度(2023年度)本試験 問40(倫理(第2問) 問2) (訂正依頼・報告はこちら)
次の会話は、日本思想についての倫理の授業後に、高校生Cと先生が交わしたものである。
C:先生、私、自分で課題を設定して探究する授業が苦手です。私は教室で先生方の話を聞くのが好きなのに、「問い」を立てるのはうまくいかなくて…。問いって、どこから手をつけたらいいか分かりません。
先生:必ずしも問いそのものを特別なものと考える必要はありませんよ。先生方に授業内容について質問したり、仲間に将来の夢を尋ねたりすることなら、気軽にできるでしょう。それも問いです。どれほど高尚に思える問いも、そうした素朴な問いが原点にあります。そういえばこの間の授業で、a仏教について取り上げたときに、禅問答の話をしましたね。
C:はい、私にはとても到達できない次元の問いだと感じました…。
先生:そうした身近なものに思えない仏教の問いも、実は素朴な問いに根ざしているのです。あなた自身も、例えば授業中に先生方の話を聞いていても、様々な疑問が、浮かんでは消えるでしょう。思考していれば、自然と浮かぶのが問いです。あなたももうできているはずですよ。
C:先生の授業で、b日本の神々でさえも問いを発するのだと習いましたね。c念仏と救いの関係を問うた仏教者の授業も印象的でした。こうした問いが、素朴な問いから始まっているというのは、大変興味深いです。そうだ、次の授業では課題を立てるんでしたね。「問い」をテーマにします!
下線部bに関して、日本の神々についての説明として最も適当なものを、次の回答選択肢のうちから一つ選べ。
- 『古事記』によれば、イザナキとイザナミは日本の国土を生むに当たって、より上位の神の意向を問うたが、その命令に反発して従わなかった。
- 日本の神話における「天つ神」は、最上位の人格神であるため、全てを自分自身の判断で決定した。
- より上位の神に奉仕し、その神意を問うアマテラスを、和辻哲郎は「祀(まつ)るとともに祀られる神」と規定し、その尊貴さを否定した。
- 日本神話に登場するスサノヲは、アマテラスに心の純粋さを問われ、自分に清き明き心があるのを示すことに成功した。
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この過去問の解説 (1件)
01
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イザナキ・イザナミの二神は、高天原の神々から国生みの命を仰せつかい、日本の国土を構成する島々を想像しました。
天つ神とは、高天原に住む神々のこといいます。
和辻哲郎はアマテラスを「祀(まつ)るとともに祀られる神」と規定し、自身が他の神を祀るとともに、自身も祀られるという神の二面性を表しています。
スサノヲは追放された後に、追放先であったアマテラのもとにあいさつに行くが、アマテラスはスサノヲが侵略してきたと誤解します。そこでスサノヲは誤解を晴らすために「誓約」で自身の清き明き心を証明しました。
不適切
イザナキ・イザナミの二神は、高天原の神々から国生みの命を仰せつかい、日本の国土を構成する島々を想像しました。
不適切
天つ神とは、高天原に住む神々のこといいます。また、イザナキ・イザナミの二神は、高天原の神々から国生みの命を仰せつかい、日本の国土を構成する島々を想像したように、全て自分自身の判断で決定したわけではありません。
不適切
和辻哲郎はアマテラスを「祀(まつ)るとともに祀られる神」と規定し、自身が他の神を祀るとともに、自身も祀られるという神の二面性を表しています。
適切
スサノヲは追放された後に、追放先であったアマテラのもとにあいさつに行くが、アマテラスはスサノヲが侵略してきたと誤解します。そこでスサノヲは誤解を晴らすために「誓約」で自身の清き明き心を証明しました。
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