大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和4年度(2022年度)本試験
問65 (政治・経済(第1問) 問2)
問題文
a 国の法制度やb 地方自治に関心がある生徒Xと生徒Yは、自分たちが住むJ市のまちづくりの取組みについて調べている。
かつてc K寺の門前町として栄えたJ市には、多くの観光客が訪れており、K寺はJ市の重要な観光資源となっている。市の中心市街地は、駅からK寺へ至る表参道としての中央通りを中心に発展してきた。駅前には大型店舗が集まり、表参道には個人商店が軒を並べている。また、K寺の門前にはd 空き家などをリノベーションした店舗やカフェが多数立地し、e 地元の農産物を加工した食品を販売している。
生徒たちがJ市のWebページを調べたところ、市が「市街地活性化プラン」を策定し、次のような事業を展開していることがわかった。
<空き家等活用事業>
空き家等を活用し、店舗やカフェ、民泊などの施設として利用する場合に、改修費や設備費を補助するとともに、長期的な安定経営をめざし、経営指導員による継続的指導を行う。
<歴史的街なみ整備事業>
K寺周辺地区の歴史ある街なみを保全し、伝統と文化が感じられる景観を形成することを目的に、まちづくり協定で規定する範囲の景観の整備に対する助成を行うとともに、道路の美装化を進める。
生徒たちはとくに空き家などの活用に関心をもち、空き家やf 民泊に関するg 法律についても、h 立法過程を含め、調べてみることにした。
下線部bに関連して、生徒Yは、日本国憲法が保障している地方自治について調べ、次の文章のようにまとめた。文章中の空欄( ア )~( ウ )に当てはまる語句の組合せとして最も適当なものを、後のうちから一つ選べ。
日本国憲法第92条は、「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める」としている。ここでいう地方自治の本旨は、団体自治と住民自治の原理で構成される。団体自治は、国から自立した団体が設立され、そこに十分な自治権が保障されなければならないとする( ア )的要請を意味するものである。住民自治は、地域社会の政治が住民の意思に基づいて行われなければならないとする( イ )的要請を意味するものである。国から地方公共団体への権限や財源の移譲、そして国の地方公共団体に対する関与を法律で限定することなどは、直接的には( ウ )の強化を意味するものということができる。
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問題
大学入学共通テスト(公民)試験 令和4年度(2022年度)本試験 問65(政治・経済(第1問) 問2) (訂正依頼・報告はこちら)
a 国の法制度やb 地方自治に関心がある生徒Xと生徒Yは、自分たちが住むJ市のまちづくりの取組みについて調べている。
かつてc K寺の門前町として栄えたJ市には、多くの観光客が訪れており、K寺はJ市の重要な観光資源となっている。市の中心市街地は、駅からK寺へ至る表参道としての中央通りを中心に発展してきた。駅前には大型店舗が集まり、表参道には個人商店が軒を並べている。また、K寺の門前にはd 空き家などをリノベーションした店舗やカフェが多数立地し、e 地元の農産物を加工した食品を販売している。
生徒たちがJ市のWebページを調べたところ、市が「市街地活性化プラン」を策定し、次のような事業を展開していることがわかった。
<空き家等活用事業>
空き家等を活用し、店舗やカフェ、民泊などの施設として利用する場合に、改修費や設備費を補助するとともに、長期的な安定経営をめざし、経営指導員による継続的指導を行う。
<歴史的街なみ整備事業>
K寺周辺地区の歴史ある街なみを保全し、伝統と文化が感じられる景観を形成することを目的に、まちづくり協定で規定する範囲の景観の整備に対する助成を行うとともに、道路の美装化を進める。
生徒たちはとくに空き家などの活用に関心をもち、空き家やf 民泊に関するg 法律についても、h 立法過程を含め、調べてみることにした。
下線部bに関連して、生徒Yは、日本国憲法が保障している地方自治について調べ、次の文章のようにまとめた。文章中の空欄( ア )~( ウ )に当てはまる語句の組合せとして最も適当なものを、後のうちから一つ選べ。
日本国憲法第92条は、「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める」としている。ここでいう地方自治の本旨は、団体自治と住民自治の原理で構成される。団体自治は、国から自立した団体が設立され、そこに十分な自治権が保障されなければならないとする( ア )的要請を意味するものである。住民自治は、地域社会の政治が住民の意思に基づいて行われなければならないとする( イ )的要請を意味するものである。国から地方公共団体への権限や財源の移譲、そして国の地方公共団体に対する関与を法律で限定することなどは、直接的には( ウ )の強化を意味するものということができる。
- ア:集権 イ:自由主義 ウ:住民自治
- ア:集権 イ:自由主義 ウ:団体自治
- ア:集権 イ:民主主義 ウ:住民自治
- ア:集権 イ:民主主義 ウ:団体自治
- ア:分権 イ:自由主義 ウ:住民自治
- ア:分権 イ:自由主義 ウ:団体自治
- ア:分権 イ:民主主義 ウ:住民自治
- ア:分権 イ:民主主義 ウ:団体自治
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この過去問の解説 (2件)
01
この問題では、日本国憲法が定める地方自治について聞いています。
まずは、団体自治と住民自治を軽くまとめておきます。
団体自治とは、地方公共団体(地方自治体)が、
国から相対的に独立して地域の行政を行える団体であるとする考え方で、
条例制定権(憲法第94条)や、条例により独自の税を創設できる課税自主権があります。
住民自治とは、地方公共団体は、
住民が直接または間接的に参加し、住民の意思と責任において運営されるべきであるという考え方で、
首長および議員を住民が選ぶ直接公選制や、
地方自治法に規定されている直接請求権があります。
また、ここでは問題になっていませんが、
ブライスは、身近な地域の政治に参加することが民主主義の担い手としての能力を高める第一歩であると考え、
「地方自治は民主主義の最良の学校である」と述べています。
不適切
集権 ×
自由主義 ×
住民自治 ×
不適切
集権 ×
自由主義 ×
団体自治 〇
不適切
集権 ×
民主主義 〇
住民自治 ×
不適切
集権 ×
民主主義 〇
団体自治 〇
不適切
分権 〇
自由主義 ×
住民自治 ×
不適切
分権 〇
自由主義 ×
団体自治 〇
不適切
分権 〇
民主主義 〇
住民自治 ×
適切
分権 〇
民主主義 〇
団体自治 〇
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02
以下に、本問題のキーワードをまとめていきます。
「集権」とは、権限が上位の立場に集まっている状態を指しています。
「分権」とは、権限が下位の立場に委譲されている状態を指しています。
「団体自治」とは、地方自治が国から独立した団体に委譲され、
団体自身の意思と責任ののもとで自治される自由主義的であり地方分権的と言われています。
「住民自治」とは、地方自治が住民自身の意思のもとで自治される民主主義的であると言われています。
不適切
集権 ×
自由主義 ×
住民自治 ×
不適切
集権 ×
自由主義 ×
団体自治 〇
不適切
集権 ×
民主主義 〇
住民自治 ×
不適切
集権 ×
民主主義 〇
団体自治 〇
不適切
分権 〇
自由主義 ×
住民自治 ×
不適切
分権 〇
自由主義 ×
団体自治 〇
不適切
分権 〇
民主主義 〇
住民自治 ×
適切
分権 〇
民主主義 〇
団体自治 〇
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