大学入学共通テスト(地理歴史) 過去問
令和4年度(2022年度)追・再試験
問70 (地理B(第1問) 問5)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

大学入学共通テスト(地理歴史)試験 令和4年度(2022年度)追・再試験 問70(地理B(第1問) 問5) (訂正依頼・報告はこちら)

世界の地形変化と自然災害に関する次の問いに答えよ。

次の図3は、ある港における突堤(とってい)建設以降の海岸線の変化を示したものであり、後の写真2は、港と突堤付近を上空から撮影したものである。図3と写真2から考えられることがらについて述べた文として最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
問題文の画像
  • 突堤の西側での海岸侵食は、港から2km付近が最大となっている。
  • 突堤の西側1km付近では、1年当たりの海岸線の侵食速度が増している。
  • 海岸線の変化から、沿岸流は西から東へ流れていることがわかる。
  • 突堤の東側では、主に土砂の埋立てによって海岸線が変化している。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (1件)

01

図3の折れ線は、突堤を境に東側が大きく前へ張り出し、西側が後ろへ削られていることを示します。

削られ方がいちばん大きいのは西側で港からおよそ2 kmの地点なので、「突堤の西側での海岸侵食は、港から2 km付近が最大となっている」が適当です。

選択肢1. 突堤の西側での海岸侵食は、港から2km付近が最大となっている。

西側(横軸の正の方向)では、−80〜−90 m付近まで下がる部分が最も深く、距離は約2 kmです。

年月が進むにつれてその凹みがさらに大きくなっており、侵食の中心と分かります。

選択肢2. 突堤の西側1km付近では、1年当たりの海岸線の侵食速度が増している。

西側1 km地点では−20 m→−40 m→−45 m→−60 mと変化しています。

5年当たりや9年当たりの減り方を比べると、むしろ一気に削られた後は速度が鈍っています。

選択肢3. 海岸線の変化から、沿岸流は西から東へ流れていることがわかる。

砂がたまっているのは東側、削られているのは西側です。

これは砂を運ぶ流れが東から西へ向いている(東側が上流)ことを示すため、文の向きとは反対です。

選択肢4. 突堤の東側では、主に土砂の埋立てによって海岸線が変化している。

東側の張り出しは年ごとに自然に成長しています。

埋立て工事のように短期間で一気に広がった形ではありません。

まとめ

突堤は沿岸流の流れを遮り、上流側に砂がたまり、下流側が削られるという典型的な地形変化を起こします。

図3の数値の最大・最小地点を読むと、侵食や堆積の中心がどこかがよく分かります。

海岸保全では、人工構造物が周辺に与える影響を長期的に観察することが重要です。

参考になった数0