1級建築施工管理技士 過去問
令和3年(2021年)
問22 (午前 問22)

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問題

1級建築施工管理技士試験 令和3年(2021年) 問22(午前 問22) (訂正依頼・報告はこちら)

地盤調査及び土質試験に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
  • 常時微動測定により、地盤の卓越周期を推定することができる。
  • 圧密試験により、砂質土の沈下特性を求めることができる。
  • 電気検層( 比抵抗検層 )により、ボーリング孔近傍の地層の変化を調査することができる。
  • 三軸圧縮試験により、粘性土のせん断強度を求めることができる。

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この過去問の解説 (3件)

01

地盤調査・土質試験と土工事は交互に隔年で出題される傾向にあります。

調査方法と出てくる用語を紐づけられるようにしておきましょう。

選択肢1. 常時微動測定により、地盤の卓越周期を推定することができる。

【〇】

「常時微動測定」は物理探査法の一つで、地盤特性を調べるための試験です。

地盤に伝わる微振動を測定することで、卓越周期と増幅特性を推定します。

選択肢2. 圧密試験により、砂質土の沈下特性を求めることができる。

【✕】

圧密試験は粘性土の沈下特性を調べるための試験です。

(参考)砂質土を対象とできる試験は、標準貫入試験と3軸圧縮試験です。

選択肢3. 電気検層( 比抵抗検層 )により、ボーリング孔近傍の地層の変化を調査することができる。

【〇】

物理探査法の一つです。

ボーリング孔内と地表に電極を配置し、孔内の電極を引き揚げながら連続的に電気抵抗を測定します。

周辺(ボーリング孔近傍)の地層の厚さや連続性などの地層の変化を調べるのが目的です。

選択肢4. 三軸圧縮試験により、粘性土のせん断強度を求めることができる。

【〇】

三軸圧縮試験の目的は粘性土または砂質土のせん断強度を求めることです。

XY軸方向に水圧をかけた状態でZ軸方向(鉛直方向)に圧縮荷重をかける試験です。

実際の土中に近い状態を作って試験することが出来ます。

まとめ

試験方法と重要用語を紐づけしておきます。

・圧密=粘性土=沈下特性

・一軸=粘性土=強度剛性

・三軸=粘性土/砂質土=せん断強度

・平板載荷=30cm円盤=支持力特性

・標準貫入=サウンディング=砂質土=N値

などと反復して覚えると良いでしょう。

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02

土木系の問題も出題されますのでしっかり覚えましょう。

選択肢2. 圧密試験により、砂質土の沈下特性を求めることができる。

この解答が『 〇 』です(不適当)

圧密試験は砂質土ではなく、粘性土の沈下特性を求める試験です。

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03

地盤調査は、土の性質を調べるのに必要な以下の項目を抑えておきましょう。

①分類に関するもの

⇒粘性土・砂質土

②せん断強さに関するもの

③圧縮性に関するもの

④透水性に関するもの

⇒水位(水圧)、透水係数

選択肢1. 常時微動測定により、地盤の卓越周期を推定することができる。

常時微動測定は、特定の振動源からの直接的影響を受けていない状態での微振動をいい、これを測定して、地盤の特性(振動特性)を調べるものです。微振動の卓越周期や微動のスペクトル比などから地震動の卓越周期や増幅特性を推定することができます。よってこの選択肢は〇です。

選択肢2. 圧密試験により、砂質土の沈下特性を求めることができる。

土に荷重がかかることによって土粒子がつくる土骨格が縮む現象を圧縮、間隙中の水が抜けて体積が減少し、密度が増加する場合を圧密といいます。圧密試験で得られた圧縮性と圧密速度から粘性土地盤の沈下量と沈下時間を推定することができます。ただし、砂質土の沈下特性は推定することができません。よってこの選択肢は×です。

選択肢3. 電気検層( 比抵抗検層 )により、ボーリング孔近傍の地層の変化を調査することができる。

電気検層は、ボーリング孔内に電極を下げ、周りの地盤の電気抵抗を測定します。電気抵抗を調べることで、周辺地層の厚さなどの地層の変化を調べることができます。よってこの選択肢は〇です。

選択肢4. 三軸圧縮試験により、粘性土のせん断強度を求めることができる。

三軸圧縮試験は、供試体に対して3方向から圧縮力を加える試験です。粘性土や砂質土など、あらゆる土質について用いられる試験で、せん断強度や粘着力、内部摩擦角を算定することができます。よってこの選択肢は〇です。

まとめ

地盤調査の各試験に対して、土の種類と試験項目の関係性を覚えておく必要があります。粘性土と砂質土で試験方法や推定できる内容が異なるので、しっかりと整理しておきましょう。

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