2級電気工事施工管理技士 過去問
令和5年度(2023年)後期
問9 (1 問9)

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問題

2級電気工事施工管理技士試験 令和5年度(2023年)後期 問9(1 問9) (訂正依頼・報告はこちら)

変電所に用いる分路リアクトルに関する次の記述のうち、(   )に当てはまる語句の組合せとして、適当なものはどれか。

「分路リアクトルは、深夜などの軽負荷時に( ア )の負荷が少なくなったとき、長距離送電線やケーブル系統などの( イ )電流による、受電端の電圧上昇を抑制するために用いる。」
  • (ア)誘導性  (イ)進相
  • (ア)誘導性  (イ)遅相
  • (ア)容量性  (イ)進相
  • (ア)容量性  (イ)遅相

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この過去問の解説 (3件)

01

交流回路では力率と呼ばれる電気の効率に対してプラスは誘導性(遅相)、マイナスは容量性(進相)に位相が動きます日中の電灯や動力機器を使用しているときには誘導性の負荷が大きく、力率は遅相の方に傾き、

重負荷時には変電所の受電端の電圧低下を招きます。

一方深夜や軽負荷時などで「誘導性」の負荷が少なくなった時に、

長距離送電線やケーブル系統などの「進相」電流による変電所の受電端の電圧が上昇します。

その電圧を抑制し力率を遅らせる目的で分路リアクトルが設置されます。

選択肢1. (ア)誘導性  (イ)進相

正解となります。

選択肢2. (ア)誘導性  (イ)遅相

誤りとなります。

選択肢3. (ア)容量性  (イ)進相

誤りとなります。

選択肢4. (ア)容量性  (イ)遅相

誤りとなります。

まとめ

ポイントとして以下を覚えましょう。

進相コンデンサ

日中重負荷時、誘導性負荷増大、遅相電流による電圧低下改善

 

分路リアクトル

深夜軽負荷時、誘導性負荷減少、進相電流による電圧上昇改善

参考になった数28

02

分路リアクトルの役割を知っていれば そのまま正当を導けますが、知らなくても問題文から正当を推察することができます。

選択肢1. (ア)誘導性  (イ)進相

正しいです。

 

誘導性負荷が少なくなれば 相対的に容量性負荷が増えることになります。容量性負荷では電流の位相が進みますので、答えの組み合わせは合っています。問題文に「電圧上昇を抑制する」とあり、進相電流が流れた時の電圧変化とも辻褄が合います。

選択肢2. (ア)誘導性  (イ)遅相

誤りです。

 

誘導性負荷が少なくなれば 相対的に容量性負荷が増えることになります。容量性負荷では電流の位相が進みますので、答えの組み合わせが誤っています。

選択肢3. (ア)容量性  (イ)進相

誤りです。

 

容量性負荷が少なくなれば 相対的に誘導性負荷が増えることになり、誘導性負荷では電流の位相が遅れますので、答えの組み合わせが誤っています。

選択肢4. (ア)容量性  (イ)遅相

誤りです。

 

容量性負荷が少なくなれば 相対的に誘導性負荷が増えることになります。誘導性負荷では電流の位相が遅れますので、答えの組み合わせは合っていますが、遅相電流が流れると電圧は下降しますので、問題文との辻褄が合いません。

まとめ

誘導性負荷と容量性負荷で電流の位相がどうなるのかを覚えておきましょう。
●誘導性負荷の場合

  電磁誘導によって 電流の位相は電圧に対して遅れ位相になります。
●容量性負荷の場合

  蓄えられた電荷によって 電流の位相は電圧に対して進み位相になります。

 

問題文から答えを導くポイントです。
●分岐リアクトルは 進相電流を補償する設備で 変電所に設置されています。
●電流の位相が進むと 受電端の電圧は上昇し、遅れると下降します。
●長距離のケーブル系統では ケーブルの絶縁体がコンデンサのように機能して 進相電流が発生します。
●一般的に消費される電力は容量性(蓄電)よりも 誘導性(熱)の方が大きいです。

参考になった数1

03

分路リアクトルは、長距離送電など線路の進相電流のため受電端電圧が上昇することを抑制する役割があります。

誘導性の負荷とは、モーターやトランス、ソレノイドのコイルが使用される回路で、電圧に対して電流が遅れる負荷のことです。

コンデンサとは逆に、系統の進みすぎた力率を遅らせる遅相用として用いられます。

誘導性の負荷が弱まるということは、電流の動きが速くなるということです。

従って、上記の問題文では、「進相」があてはまります。

選択肢1. (ア)誘導性  (イ)進相

正しいです。

選択肢2. (ア)誘導性  (イ)遅相

誤りです。

選択肢3. (ア)容量性  (イ)進相

誤りです。

選択肢4. (ア)容量性  (イ)遅相

誤りです。

まとめ

誘導性負荷と容量性負荷の違いを押さえておきましょう。

 

誘導性負荷は、磁場の変化で電流を遅らせます。

→即ち、電流の位相を電圧に対して、遅らせます。

 

容量性負荷は、コンデンサの電荷の蓄積と放出で電流の流れを進めます。

→則ち、電流の位相を電圧に対して進めます。

参考になった数0