中小企業診断士 過去問
令和6年度(2024年)
問129 (運営管理 問37)
問題文
チェーン小売業の物流センターの機能に関する記述として、最も適切なものはどれか。
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問題
中小企業診断士試験 令和6年度(2024年) 問129(運営管理 問37) (訂正依頼・報告はこちら)
チェーン小売業の物流センターの機能に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- クロスドッキングは、出荷指示に基づいて、商品を庫内の保管場所から取り出し、取り揃えることである。
- 小売業者の仕入条件が店頭渡しの場合、在庫型物流センターの在庫の所有権は小売業者にある。
- 通過型物流センターでは、温度管理が必要な低温商品を取り扱うことができない。
- 店舗での発注から納品までのリードタイムは、在庫型物流センターよりも通過型物流センターを利用する方が短くしやすい。
- 物流センターを利用すると、店舗に対する複数の納入業者からの納品を取りまとめることができ、店舗での荷受作業を軽減することができる。
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この過去問の解説 (2件)
01
チェーン小売業の物流センターの機能に関する問題です。
ピッキングは、出荷指示に基づいて商品を庫内の保管場所から取り出し、取り揃えることです。
したがって、不適切な選択肢です。
小売業者の仕入条件が店頭渡しの場合、在庫型物流センターの在庫の所有権は卸売業者にあります。
したがって、不適切な選択肢です。
通過型物流センターでは、温度管理が必要な低温商品を取り扱うことができます。
温度管理が必要な低温商品は消費期限が短く、むしろ在庫型物流センターで取り扱うことが難しいと考えられるため不適切な選択肢です。
店舗での発注から納品までのリードタイムは、通過型物流センターよりも在庫型物流センターを利用する方が短くしやすいです。
在庫型物流センターにある在庫を店舗に配送するだけで済むため、不適切な選択肢です。
物流センターを利用すると店舗に対する複数の納入業者からの納品を取りまとめることができ、店舗での荷受作業を軽減することができるのは、物流センターの機能に関する記述として適切です。
本選択肢の記述は、メーカー(川上側)と小売店(川下側)の間を取り持つ卸売業の基本的な役割の1つであり、正解の選択肢となります。
※本問では「チェーン小売業の物流センター」という設定ですが、従来は卸売業が担っていた役割を、チェーン小売業が物流センターの機能を担うことにより、中間マージンを削減したり、配送リードタイムを短縮することにつながっています。
【補足】
選択肢で問われている「クロスドッキング」の説明を、以下に行ないます。
クロスドッキングとは、複数のベンダーから発送された荷物を物流センターで一括して荷受けして、発送先ごとに仕分けや積み替えて出荷することをいいます。
複数のベンダーから発送された荷物が、物流センター内で発送先ごとに行き交いながら(クロスしながら)仕分け、積み替えられることから、このように呼ばれています。
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02
チェーン小売業の物流センターの機能に関する問題です。物流センターは、メーカーや卸から商品を受け入れ、店舗への配送までの間の中継・加工機能を担う重要な拠点です。物流センターには、在庫型と通過型という2つの基本的なタイプがあり、それぞれ特徴が異なります。この問題では、クロスドッキングや在庫の所有権、リードタイムなど、物流センターの様々な機能や特性について問われています。
この選択肢は誤りです。クロスドッキングとは、商品を倉庫内に保管せず、入荷した商品を仕分けて直ちに出荷する物流方式のことです。選択肢で説明されているのは「ピッキング」という作業であり、これは出荷指示に基づいて商品を庫内の保管場所から取り出し、取り揃える作業のことを指します。クロスドッキングでは、複数のベンダー(納入業者)から発送された荷物を物流センターで一括して受け入れ、発送先ごとに仕分けや積み替えをして即日出荷する仕組みになっています。荷物が物流センター内で発送先ごとに行き交う(クロスする)ことから、この名称がついています。
この選択肢は誤りです。小売業者の仕入条件が店頭渡しの場合、在庫型物流センターの在庫の所有権は卸売業者にあります。店頭渡しとは、卸売業者が店舗まで商品を届け、その時点で所有権が小売業者に移転する仕入条件です。そのため、店頭に到着するまでの間、物流センターに保管されている商品の所有権は卸売業者にあります。小売業者が物流センターの在庫の所有権を持つのは、センター渡し(物流センターで商品を受け取った時点で所有権が移転する)の場合です。
この選択肢は誤りです。通過型物流センターでは、温度管理が必要な低温商品を取り扱うことができます。通過型物流センター(クロスドッキングを行うセンター)は、商品を長期保管しないため、むしろ消費期限が短い低温商品の取り扱いに適しています。温度管理機能を備えた通過型物流センターでは、チルド食品や冷凍食品などの低温商品を効率的に仕分け・配送することができます。在庫型物流センターでも低温商品は扱えますが、保管期間が長くなると品質劣化のリスクが高まるため、通過型の方が向いているケースも多いです。
この選択肢は誤りです。店舗での発注から納品までのリードタイムは、通過型物流センターよりも在庫型物流センターを利用する方が短くしやすいです。在庫型物流センターでは、すでにセンター内に在庫があるため、店舗から発注を受けたらすぐに出荷の準備ができます。一方、通過型物流センターでは、店舗からの発注を受けてからメーカーや卸に発注し、商品が物流センターに届いてから仕分けて店舗に配送するため、その分リードタイムが長くなりがちです。時間的な余裕がない緊急の注文には、在庫型物流センターの方が対応しやすいという特徴があります。
この選択肢は正しいです。物流センターを利用すると、店舗に対する複数の納入業者からの納品を取りまとめることができ、店舗での荷受作業を軽減することができます。これは物流センターの重要な機能の一つです。物流センターがない場合、各納入業者は個別に店舗へ配送するため、店舗側は何度も荷受作業を行わなければなりません。しかし、物流センターを介することで、多数のメーカーや卸からの商品を一カ所に集約し、店舗ごとに仕分けた上で一括配送できるため、店舗側の荷受回数や作業負担を大幅に削減することができます。これは特に人手不足が深刻な小売業界において、大きなメリットとなっています。
本問の正解は選択肢5です。物流センターの基本的な機能として、複数の納入業者からの納品を取りまとめて店舗の荷受作業を軽減するという点が正しく述べられています。チェーン小売業では、従来は卸売業が担っていた在庫管理や仕分け、配送といった物流機能を自社の物流センターで行うことにより、中間マージンの削減や配送リードタイムの短縮、商品鮮度の向上などのメリットを得ることができます。物流センターの機能を正しく理解することは、サプライチェーン全体の効率化を考える上で非常に重要です。特に「物流2024年問題」と呼ばれるドライバー不足などの物流危機を背景に、効率的な物流システムの構築は現代のビジネスにおいて重要な課題となっています。
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