中小企業診断士 過去問
令和6年度(2024年)
問127 (運営管理 問35)

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問題

中小企業診断士試験 令和6年度(2024年) 問127(運営管理 問35) (訂正依頼・報告はこちら)

輸送手段の特徴に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • 出発時間や到着時間を荷主の都合で指定したいときには、トラックの貸切運送よりも、特別積合せ運送を選択した方がよい。
  • 船舶による内航運送の契約に関する「標準内航運送約款」では、運賃には、特約がない限り、船積みと陸揚げに要する費用を含まないとしている。
  • 鉄道コンテナ輸送における貨物列車1本(26両分)の最大積載量は、10tトラック26台の最大積載量と同じである。
  • トラック輸送の契約に関する「標準貨物自動車運送約款」では、運賃には、積込みと取卸しに要する費用を含まないとしている。
  • 複合一貫輸送の推進には、発地から着地までトラックを一貫して利用し続けながら、貨物を組み替えていくことが必要である。

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この過去問の解説 (2件)

01

輸送手段の特徴に関する問題です。

選択肢1. 出発時間や到着時間を荷主の都合で指定したいときには、トラックの貸切運送よりも、特別積合せ運送を選択した方がよい。

出発時間や到着時間を荷主の都合で指定したいときには、特別積合せ運送よりも、トラックの貸切運送を選択した方がよいです。

 

「積合せ」とは一言でいえば「混載便」であり、出発時間や到着時間は運送主の都合に合わせなければならないため不適切な選択肢です。

選択肢2. 船舶による内航運送の契約に関する「標準内航運送約款」では、運賃には、特約がない限り、船積みと陸揚げに要する費用を含まないとしている。

船舶による内航運送の契約に関する「標準内航運送約款」では、運賃には、特約がない限り、船積み、陸揚げに要する費用を含み、輸送機器への貨物の積卸しに要する費用を含まない(同21条)としています。

 

したがって、不適切な選択肢です。

選択肢3. 鉄道コンテナ輸送における貨物列車1本(26両分)の最大積載量は、10tトラック26台の最大積載量と同じである。

鉄道コンテナ輸送における貨物列車1本(26両分)の最大積載量は、10tトラック26台の最大積載量と同じではありません

 

貨物列車1編成(最大26両)の輸送能力は10トントラック65台分に相当するため、不適切な選択肢です。
 

選択肢4. トラック輸送の契約に関する「標準貨物自動車運送約款」では、運賃には、積込みと取卸しに要する費用を含まないとしている。

トラック輸送の契約に関する「標準貨物自動車運送約款」では、運賃には、積込みと取卸しに要する費用を含まない(積込みと取卸しに要する費用は、運賃とは別個に設定される)としていることは適切な記述です。

 

運送状(注:荷送人が運送人の請求に応じて交付する書面)の記載事項として、「積込料」、「取卸料」、「待機時間料」等の料金の具体例を規定することが規定されており、正解の選択肢となります。

選択肢5. 複合一貫輸送の推進には、発地から着地までトラックを一貫して利用し続けながら、貨物を組み替えていくことが必要である。

複合一貫輸送の推進には、発地から着地までトラックを含めた複数の輸送手段を組み替えながら、貨物を一貫して輸送していくことが必要です。

 

貨物を組み替えるのであれば「一貫」輸送にはならないため、不適切な選択肢です。

まとめ

【補足】

 

本問では、「標準内航運送約款」など事前に対策することが難しいと思われる選択肢が含まれていますが、物流問題2024の観点から、トラック輸送や複合一貫輸送については過去問題で復習しておく必要があります。(次年度以降も出題されると考えられます)

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02

輸送手段の特徴に関する問題です。それぞれの輸送手段の特性や運賃契約の内容について正しく理解しているかを問う設問となっています。物流は中小企業診断士試験において重要なテーマであり、特に近年の出題傾向を踏まえると、トラック輸送や複合一貫輸送に関する知識は必須といえます。
 

 

選択肢1. 出発時間や到着時間を荷主の都合で指定したいときには、トラックの貸切運送よりも、特別積合せ運送を選択した方がよい。

この選択肢は誤りです。実際には、出発時間や到着時間を荷主の都合で指定したい場合は、特別積合せ運送よりも、トラックの貸切運送を選択した方が適切です。「積合せ」とは複数の荷主の貨物を一緒に運ぶ混載便のことであり、このような形態では運送業者の都合に合わせたスケジュールになることが一般的です。一方、貸切運送であれば、荷主が希望する時間に合わせた輸送が可能になります。

選択肢2. 船舶による内航運送の契約に関する「標準内航運送約款」では、運賃には、特約がない限り、船積みと陸揚げに要する費用を含まないとしている。

この選択肢は誤りです。船舶による内航運送の契約に関する「標準内航運送約款」では、運賃には特約がない限り、船積みと陸揚げに要する費用を含むとされています。ただし、輸送機器(コンテナなど)への貨物の積卸しに要する費用は含まれません。これは標準内航運送約款の第21条に規定されていることです。

選択肢3. 鉄道コンテナ輸送における貨物列車1本(26両分)の最大積載量は、10tトラック26台の最大積載量と同じである。

この選択肢は誤りです。鉄道コンテナ輸送における貨物列車1本(26両分)の最大積載量は、10トントラック26台分ではなく、10トントラック65台分に相当します。鉄道輸送は大量輸送に適しており、トラック輸送と比較して1回の輸送で運べる貨物量が大幅に多いという特徴があります。

選択肢4. トラック輸送の契約に関する「標準貨物自動車運送約款」では、運賃には、積込みと取卸しに要する費用を含まないとしている。

この選択肢は正しいです。トラック輸送の契約に関する「標準貨物自動車運送約款」では、運賃には積込みと取卸しに要する費用を含まないと規定されています。これらの費用は運賃とは別個に設定される料金となります。運送状の記載事項として、「積込料」、「取卸料」、「待機時間料」などの料金が具体例として規定されています。

選択肢5. 複合一貫輸送の推進には、発地から着地までトラックを一貫して利用し続けながら、貨物を組み替えていくことが必要である。

この選択肢は誤りです。複合一貫輸送とは、発地から着地まで複数の輸送手段(トラック、船舶、鉄道など)を組み合わせながら、貨物自体は積み替えずに一貫して輸送する方式を指します。選択肢の記述では「貨物を組み替えていく」となっていますが、これでは「一貫」輸送の定義に反することになります。また、「トラックを一貫して利用し続ける」という記述も複合一貫輸送の概念と矛盾します。

まとめ

本問の正解は選択肢4です。トラック輸送の契約である「標準貨物自動車運送約款」では、運賃に積込みと取卸しの費用が含まれないことが正しく記述されています。物流分野は現代のビジネスにおいて重要性が増しており、特に2024年の中小企業診断士試験では注目すべきテーマとなっています。物流に関する基本的な知識、特にトラック輸送や複合一貫輸送については、過去問を通じてしっかりと理解しておくことをお勧めします。次年度以降も継続して出題されると予想されるため、しっかりと対策しておきましょう。

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