中小企業診断士 過去問
令和6年度(2024年)
問25 (経済学・経済政策 問22)
問題文
下表に従って、比較生産費説に基づく国際分業を考える。カカオ1単位を生産するのに必要な労働量は、A国では5、B国では4である。同様に、大豆1単位を生産するのに必要な労働量は、A国では10、B国では2である。労働は両国で同質で、当初はどちらの国もカカオと大豆をそれぞれ40単位ずつ生産していたものとする。
このような状況に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
a A国におけるカカオ1単位の機会費用は、大豆2単位である。
b B国における大豆のカカオに対する相対価格は、A国のそれよりも高い。
c B国で2つの財の生産に必要となる労働量の合計は240である。
d 当初の労働量を維持しながら、A国がカカオの生産に、B国が大豆の生産にそれぞれ完全特化したとき、各国におけるカカオと大豆の生産量はどちらも120となる。
このような状況に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
a A国におけるカカオ1単位の機会費用は、大豆2単位である。
b B国における大豆のカカオに対する相対価格は、A国のそれよりも高い。
c B国で2つの財の生産に必要となる労働量の合計は240である。
d 当初の労働量を維持しながら、A国がカカオの生産に、B国が大豆の生産にそれぞれ完全特化したとき、各国におけるカカオと大豆の生産量はどちらも120となる。

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問題
中小企業診断士試験 令和6年度(2024年) 問25(経済学・経済政策 問22) (訂正依頼・報告はこちら)
下表に従って、比較生産費説に基づく国際分業を考える。カカオ1単位を生産するのに必要な労働量は、A国では5、B国では4である。同様に、大豆1単位を生産するのに必要な労働量は、A国では10、B国では2である。労働は両国で同質で、当初はどちらの国もカカオと大豆をそれぞれ40単位ずつ生産していたものとする。
このような状況に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
a A国におけるカカオ1単位の機会費用は、大豆2単位である。
b B国における大豆のカカオに対する相対価格は、A国のそれよりも高い。
c B国で2つの財の生産に必要となる労働量の合計は240である。
d 当初の労働量を維持しながら、A国がカカオの生産に、B国が大豆の生産にそれぞれ完全特化したとき、各国におけるカカオと大豆の生産量はどちらも120となる。
このような状況に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
a A国におけるカカオ1単位の機会費用は、大豆2単位である。
b B国における大豆のカカオに対する相対価格は、A国のそれよりも高い。
c B国で2つの財の生産に必要となる労働量の合計は240である。
d 当初の労働量を維持しながら、A国がカカオの生産に、B国が大豆の生産にそれぞれ完全特化したとき、各国におけるカカオと大豆の生産量はどちらも120となる。

- a:正 b:正 c:誤 d:誤
- a:正 b:誤 c:正 d:誤
- a:誤 b:正 c:正 d:誤
- a:誤 b:誤 c:正 d:正
- a:誤 b:誤 c:誤 d:正
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この過去問の解説 (2件)
01
国際分業、つまり貿易により各国の生産がどのように変化するのかを分析する問題です。
各選択肢をそれぞれ解説します。
a
A国でカカオ1単位生産するためには5人必要です。
同国で大豆1単位生産するためには10人必要であるため、5人で生産できるのは0.5単位ということになります。
そのため本選択肢は誤っています。
b
大豆の価格が問われているため注意してください。
B国ではカカオの1/2で、A国はカカオの2倍になるため、A国の方が高いので、本選択肢は誤っています。
c
カカオも大豆も40単位ずつ生産しているため、必要な労働量をそれぞれ計算します。
カカオ 4 × 40 = 160
大豆 2 × 40 = 80
合計 160 + 80 = 240
労働量の合計は240であるため、本選択肢は正しいです。
d
B国の労働量の合計は240です。
同様にA国でカカオと大豆をそれぞれ40単位生産する際の労働量を計算します。
5 × 40 + 10 × 40 = 600
A国の労働量の合計は600となります。
A国で600の労働力すべてをカカオの生産に回すと生産量は以下のようになります。
600 ÷ 5 = 120
B国で240の労働力すべてを大豆の生産に回すと生産量は以下のようになります。
240 ÷ 2 = 120
カカオと大豆の生産量はどちらも120になるため、本選択肢は正しいです。
正しい選択肢の組み合わせは、 a:誤 b:誤 c:正 d:正 です。
本選択肢は不正解です。
本選択肢は不正解です。
本選択肢は不正解です。
本選択肢が正解です。
本選択肢は不正解です。
本問のような問題を解くときは、どの価格について問われているのか混乱しないように整理しながら取り組んでください。
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02
比較生産費説に関する問題です。
解答群dに、A国はカカオの生産に、B国が大豆の生産にそれぞれ完全特化するという記述がありますが、比較生産費説では各国が相対的に生産効率が高い商品に生産を特化し、その商品を輸出することで多くの利益を得られると考えます。(生産効率が悪い商品に労働力を振り分けるよりも、同じ商品を自国よりも効率良く生産できる他国から輸入した方が得策である)
与件文に与えられている労働量は「マンパワー(かかる人手)」と読み換えれば理解しやすくなります。
以下、誤りの解答群のみ解説します。
a.A国におけるカカオ1単位の機会費用は、大豆2単位である。
→A国におけるカカオ1単位の機会費用は、大豆1/2単位です。
A国におけるカカオ1単位あたりの労働量は5、大豆1単位あたりの労働量は10です。
A国では、カカオを1単位生産する場合は大豆を1単位生産する場合の半分の労働量で済むので、A国では大豆よりもカカオを生産した方が良いです。
企業と労働者の余剰分析の問題(問20-2)でも解説していますが、機会費用とは「ある選択をした結果、選択をしなかった場合に得られたであろう利益」のことです。
本選択肢でいえば、カカオを1単位生産することで、大豆を1単位を生産した場合に得られたであろう利益」と読み換えることができます。
b.B国における大豆のカカオに対する相対価格は、A国のそれよりも高い。
→B国における大豆のカカオに対する相対価格は、A国のそれよりも低いです。
労働量を価格と読み換えます。
A国におけるカカオ1単位あたりの労働量は5、大豆1単位あたりの労働量は10のため、A国ではカカオと大豆の相対価値は1:2となります。
B国におけるカカオ1単位あたりの労働量は4、大豆1単位あたりの労働量は2のため、B国ではカカオと大豆の相対価値は1:1/2となります。
冒頭の解説より、「a:誤、b:誤、c:正、d:正」の組み合わせであるため不適切な選択肢です。
冒頭の解説より、「a:誤、b:誤、c:正、d:正」の組み合わせであるため不適切な選択肢です。
冒頭の解説より、「a:誤、b:誤、c:正、d:正」の組み合わせであるため不適切な選択肢です。
冒頭の解説より、「a:誤、b:誤、c:正、d:正」の組み合わせであるため正解の選択肢となります。
冒頭の解説より、「a:誤、b:誤、c:正、d:正」の組み合わせであるため不適切な選択肢です。
【補足】
・解答群c
与件文に「当初はどちらの国もカカオと大豆をそれぞれ40単位ずつ生産していたものとする」とあるため、カカオの労働量は4×40(=160)+大豆の労働量は2×40(=80)で、合計240となります。
・選択肢d
当初の労働量は、A国は5×40(=200)+10×40(=400)の600、B国は上記解答群cの通り240となります。
この労働量を維持しながら、A国がカカオの生産に、B国が大豆の生産にそれぞれ完全特化(全労働量を一方の生産物だけに全投入)した場合、
A国は600÷5=120
B国は240÷2=120
と、各国におけるカカオと大豆の生産量はどちらも120となります。
解答群aとbの考え方が理解しづらくても、解答群cとdは筆算で正誤判断ができるため、理解しやすい方から選択肢を絞り込んで消去法で正答することは可能です。
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