中小企業診断士 過去問
令和5年度 再試験(2023年)
問13 (経済学・経済政策 問10(2))

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問題

中小企業診断士試験 令和5年度 再試験(2023年) 問13(経済学・経済政策 問10(2)) (訂正依頼・報告はこちら)

下図は、総需要曲線ADと総供給曲線ASを描いている。この図に基づいて、下記の設問に答えよ。

AS曲線に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

a  名目賃金率が下方硬直的であるとき、物価の上昇に伴う実質賃金率の低下は、労働需要の増加による生産量の増加を通じて総供給を増加させる。このとき、AS曲線の傾きは右上がりになる。
b  完全雇用水準では、物価が上昇したとしても実質賃金率は変わらず、労働投入の水準は変わらない。したがって、生産量も増えず、AS曲線は垂直である。
c  資本ストックが増えると、AS曲線は左にシフトする。
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  • a:正  b:正  c:正
  • a:正  b:正  c:誤
  • a:正  b:誤  c:誤
  • a:誤  b:正  c:誤
  • a:誤  b:誤  c:誤

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題は、総供給(AS)曲線に関する理解が求められます。特に、AS曲線の動きに賃金硬直性や資本ストックがどのような影響を与えるかを確認することが重要です。

a. 名目賃金率が下方硬直的であるとき、物価の上昇に伴う実質賃金率の低下は、労働需要の増加による生産量の増加を通じて総供給を増加させる。このとき、AS曲線の傾きは右上がりになる。

これは正しいです。名目賃金率が下方硬直的である場合、物価が上昇すると実質賃金が低下し、企業が労働をより多く雇用できるようになります。これにより労働需要が増加し、生産量が増加するため、AS曲線は右上がりになります。

b. 完全雇用水準では、物価が上昇したとしても実質賃金率は変わらず、労働投入の水準は変わらない。したがって、生産量も増えず、AS曲線は垂直である。

これは正しいです。完全雇用水準では、すべての労働力が既に投入されているため、物価が上昇しても追加的な労働供給はありません。そのため、生産量は変わらず、AS曲線は垂直になります。

c. 資本ストックが増えると、AS曲線は左にシフトする。

これは誤りです。資本ストックの増加は生産能力の拡大を意味し、生産量が増加します。これによりAS曲線はにシフトします。したがって、左にシフトするという記述は誤りです。

選択肢1. a:正  b:正  c:正

この選択肢は不適切です。

選択肢2. a:正  b:正  c:誤

この選択肢は適切です。

選択肢3. a:正  b:誤  c:誤

この選択肢は不適切です。

選択肢4. a:誤  b:正  c:誤

この選択肢は不適切です。

選択肢5. a:誤  b:誤  c:誤

この選択肢は不適切です。

まとめ

AS曲線は、名目賃金の硬直性や資本ストックの変動によってシフトします。資本ストックの増加は供給能力の増加を意味し、AS曲線は右にシフトします。完全雇用水準ではAS曲線は垂直です。

参考になった数2

02

AS曲線の理解がポイントです。理論的な覚え方が苦手な人は、頻出ということもあって、こうした問題からパターン化させてしまうのも方法でしょう。

 

a 「名目賃金が下方硬直的である」ここにヒントがあります。これはケインズ学派であり、AS曲線が垂直になっていれば古典派です。

労働需要が実質賃金の減少関数であることがわかれば、正解であることがわかります。

 

b 「完全雇用水準」とは、これ以上労働投入ができないことを意味しています。つまり、生産量は増加しません。物価と賃金の上昇も比例しますので正解です。

 

c AS曲線の特徴は、生産量の増減でシフトする点にあります。資本ストックの影響はあまり受けません。つまり左シフトしないため誤りです。

 

選択肢1. a:正  b:正  c:正

間違いです。

選択肢2. a:正  b:正  c:誤

正解の組み合わせです。

選択肢3. a:正  b:誤  c:誤

間違いです。

選択肢4. a:誤  b:正  c:誤

間違いです。

選択肢5. a:誤  b:誤  c:誤

間違いです。

まとめ

AS曲線の動きを理解することで答えが求められます。

名目賃金の硬直性や資本ストックの増減で動きを見せることがポイントです。

増加は右と覚えておけばいいでしょう。

完全雇用水準では垂直です。

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